容姿・経歴・その他メモ

泉岳寺家

　所謂名家。泉岳寺の家は代々優秀な政治家を輩出してきた名家である。
しかし、現在の泉岳寺家はほぼ壊滅状態であり、没落しているとされる。
何が起きたのかと言えば、暴走した佐久名の姉「馨」が当主含め数人を殺害した事件が起きたのだ。
佐久名はその際に馨と最後に会話をした。

「佐久名はこのまま“自由”でなくてもいいの？
決められた未来を、敷かれたレールの上を歩むだけの人生でいいの？」

姉から言われたその言葉は佐久名の胸に深く刻まれた。
そして彼女は“自由”というものを探究することになる。

UGN時代

　その後、オーヴァードであった佐久名はUGNに引き取られることとなった。
訓練を受け、任務をこなし、報酬をもらう。
ただそれだけの日々を過ごしていた。
その日々の裏でも彼女は姉の言葉がずっと引っかかっている。
姉の言っていた“自由”とは何なのか。
まだ彼女にはわからなかった。
そんな折、彼女は重要な役割を与えられる。
泉岳寺家の令嬢。その立場がUGNでも働き彼女は支部長候補へと推薦されたのだ。
悩みを抱いたまま、その話を受けることに。
そこで、彼女は“運命の人”と出会う。

生駒小鞠

　UGN N市の支部長候補となった人物は二人いた。
一人は｜δ4《デルタ フォー》 泉岳寺佐久名。
そしてもう一人が生駒小鞠であった。
同じ支部長候補ということで親近感を抱いた。
最初はその程度。
それが｜運命の人《アモーレ》と呼ぶようになったのは互いの境遇を話し合ったあの時からだった。

「私、親に捨てられたんだよね」

小鞠の境遇は佐久名に衝撃を与えた。
そういう人もいる。
分かってはいた。でも……。
親近感は度を越し始め、彼女は小鞠と自分の境遇を重ね始めた。
親に捨てられ、UGNに拾われ、“自由”などないまま、今まさに敷かれたレールを歩いている。
少しずつ違うところはあるが、自分と同じく“自由”がない小鞠のことを彼女は……。

そうして佐久名は思ったのだ。
小鞠を救えば 私も救われるのでは――――？

裏切り

　支部長になることになったのは結果として小鞠だった。
普通ならば悔しいなどという醜い感情を抱くのかもしれないが、佐久名はそれ以上のどす黒い感情を抱いていた。
佐久名の頭には小鞠を救う方法しかなかったのだ。
そして、彼女がN市支部長へと就任する前日。
小鞠を救うための作戦を開始した。
｜邪魔者《支部員たち》を殺して周り、小鞠に問うた。

「一緒に生きましょう？」

この時の小鞠の表情を佐久名は一生忘れることはないだろう。

FH

　結果的に裏切り者としてUGNを出た佐久名はFHに拾われた。
戦闘部隊を率いるセルリーダーに拾われ、佐久名はさらに腕を上げていった。
それもすべて“欲望”を叶えるために。

小鞠の表情を見てもなお、佐久名の考えは変わることはなかった。
最終的な目的は「小鞠を救うこと」
だがあの時は時期尚早で、まだ小鞠の心の準備も、自身の守るための力もついていなかった。
だからこそ。
佐久名はずっと訓練を続けた。

現在

　裏切りから2年経った現在。
佐久名は十分な戦闘能力をつけながら資金調達のために他のセルに出向することが増えた。
現在はオーキッドセルというセルにて戦闘要員になっている。
時たま小鞠に声をかけに行っているが、彼女からの返事は芳しくない。
焦ってはだめだと自身に言い聞かせているものの、いい加減受け入れてくれないだろうかと思っていることも。

「嗚呼、でもわたくしは待ちますわ。だってわたくし、辛抱強いですから」

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