概説

　UGNN市支部所属のエージェント。表立っての活躍は好むところではなく、情報収集や討ち漏らしへの追撃といったカバーやサポートを得意としている。"プロミネンス"天城和人と同行していた際も、華々しい活躍や派手な成果は彼のものとし、彼女は粛々とそのお膳立てをしていた。戦略的な理由もなくはないが――彼女は単に目立つのが嫌いなのである。

好きなもの

メープルシロップ
ホットケーキ

嫌いなもの

ブラックコーヒー
油っこいもの

詳細

　彼女は自身が他者より賢いことを、小学生の頃に自覚した。クラスメートが悩む難問を鮮やかに解く彼女は、ヒーローとして扱われていた。一転して運動能力は凡庸であるため、得手不得手のはっきりとした者であるとして、受け入れられていた。
　彼女は自身が他者と異なることを、中学生の頃に理解した。留まるところを知らない彼女の頭脳を、次第に周囲は怖れるようになっていった。避けられ、孤立していく彼女はしかし、その原因が己の異常性にあることを確信した。時を同じくして、"ノイマンシンドロームのオーヴァード"に接触してきたUGNとの邂逅で、彼女の人生は大きく変わった。
　その異能でもって家族を説き伏せ、中学卒業と同時に『就職』した彼女は、訓練と任務を積極的にこなす理想的なエージェントとして働いている。

天城和人との関わり

　優れた戦闘能力を持つ天城に、戦闘外での支援を目的としてあてがわれたのが出会い。二人の能力は相性がよく、また上辺だけの会話で済んでいる間は、その関係も良好であった。しかし、そんな日々はそう長く続かない。程無くして、『家族と円満に過ごし、いまだ全員が生存している者』と、『家族を亡くし、親戚にも受け入れられず、そんな彼らすら喪った者』であることが分かる。二人の間に深い溝が刻まれ、癒えないように思えた。

　――人は一人分の人生を負っています。ひと時二人分を背負えども、いずれはそれもあなた一人分へと成るのです。

　諸星が取った解決方法はただ一つ、『しっかりと腰を据えて話し合う』。互いが等身大の不幸を抱えていることと、その人生がただ不幸だけで形作られているわけではないこと。そんな"当たり前"を共有した時、二人は本当の意味でパートナーとして並び立つことが出来るようになったのだった。

ダークフィラメント

　光球上の紅炎(プロミネンス)をHα線で観測すると、波長の関係で光球よりも暗い線状に見える。この場合には暗条またはダークフィラメント（dark filament）と呼ばれている。光球上にあるかないかでこのように見え方が違うのは、紅炎の背後に光源があるかないかの違いによる（キルヒホッフの法則）。
　不可視の重力場を面状に展開して行う攻撃を得意とし、"プロミネンス"の後方から姿を現すことから付けられたコードネーム。
　彼女の抱く紅炎は通常の方法では観測することさえ叶わない。しかし、いつだってそこにある。

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