ごく普通の一般家庭に産まれ、双子の妹がいた。

顔はよく似ているが性格はあまり似ておらず、内向的で本を読むのが好きな兄のくくりと、外交的で元気いっぱいに外で遊ぶ妹のそそぎで、ちぐはぐ兄妹として近所では有名であった。
兄妹仲はとても良く、いつも一緒に行動している仲良し双子であった。

くくりは昔から他人というものがあまり理解できず、一心同体と呼べる妹のそそぎを通してでないと人との交流がうまくできないコミュ障で、そんな自分は周りの人間と違う異質な存在であると感じていた。
小さいときはそそぎの後ろについてまわり人間生活について学んでおり、中学生ぐらいからはそそぎの真似をすることでなんとか一人でも他人に接することができる程度には改善されたが、それでも異質であるという感覚は無くならず、「平凡」への憧れを募らせていった。
異質な自分と平凡な他人はいったい何が違うのだろう。中身から違うのだろうか、自分は

そんなくくりに転機が訪れたのは18歳の時。レネゲイドウイルスが世界中に蔓延しはじめた頃で、くくりとそそぎが暮らす町にも行方不明事件や猟奇殺人のニュースがちらほら出始めたくらいの時期であった。
相変わらず仲良し双子で同じ高校に進学したものの、文化部に所属したくくりと運動部に所属したそそぎとでは生活リズムが変わりはじめ、小学生ほどべったりいつでも一緒では無くなり、登下校も一人ですることが増えていた。
しかし物騒な事件が最近増えているからと、一緒に登下校するようになった矢先、ジャーム「シリアルキラー」に二人まとめて拉致される事件が起きた。

目が覚めたら見知らぬ部屋でそそぎと二人で転がされ、二人を拉致したジャームからこう言われた。
「今から殺し合いをしろ。勝った方は生かしてやる。1分以内に始めなければ両方殺す」
言葉と共に様々な武器が放り投げられ、ジャームは楽しそうにカウントを始める。
恐怖感で身を震わせて武器を取るそそぎとは裏腹に、くくりは昂揚感で身を震わせながら銃を取る。
くくりとそそぎが武器を取り、互いに向け合うことにニンマリ笑うジャームに対しカウントが0になった瞬間にそそぎはジャームに。くくりはそそぎに対して銃を放つ。
双子のテレパシーでくくりも自分と同じく二人で生き残るためにジャームを狙うだろうと思っていたそそぎは驚愕に目を見開きながら絶命。一方そそぎに狙われたジャームはすぐさま体を再生し、大笑いと盛大な拍手でくくりを称賛した。
ジャームになぜ自分を狙わずに妹を狙ったのか聞かれ、「”自分（そそぎ）”の中身がどうなっているのか知りたかったから。他の人間と照らし合わせれば、自分のこの異質さの答えが出ると思ったから」と答えると、ジャームはその回答に満足そうに笑い、くくりの手伝いをすることを申し出る。
ジャームの手を借り、そそぎをくまなく解剖し”自分”の中身を確認したくくりは、次は比較のために他の人間の解剖をしたいと「シリアルキラー」に要望する。
それに快諾した「シリアルキラー」と以降の行動を共にすることに。
そそぎの死体は後にやってきた警察により発見され、猟奇殺人事件の被害者として、くくりは誘拐事件の被害者として名を連ねることになった。

「シリアルキラー」と5年ほど共に行動し、行く先々で人を殺し解剖して中身を見てきたくくり。
しかし危険なジャームと判断された「シリアルキラー」がUGNに討伐されてしまう。
「シリアルキラー」亡き後も日課のごとく殺人を行なっていくが、オーヴァードの力で隠蔽できていた証拠などが隠蔽できなくなり、ついに捕まり殺した人間の数や残酷さから死刑判決を言い渡される。

日本の死刑制度である絞首刑に処され、死んだときにオーヴァードとして覚醒。その力を使い執行人達を逆に殺害して逃亡。
逃亡生活時に都築に出会い、FHに勧誘されてFHに所属することとなった。