私の過去を知りたいですって？まあいいでしょう。少し長くなりますがよろしいですか？
…ではお話しするとしましょう。まず私はこの姿形からわかる通りキジ科に属する家禽です。が、ただの鶏ではありません。人語を理解し、完全に操ることができるようになるまで3歩として歩いたことがございません。私がこうして流暢に人語を話すことから想像できる通り、こうなるまでは大変な苦労がありました。まずどうやって話しているかですが、多くの鳥類は声帯模写の能力を有しておりまして、私もその類に漏れず様々な声を出すことができます。ええ、もちろん本来の鳴き声だって出せますよ？ｸｪｯ、ｯｸｯｸ、ｺｹｰｯｯ!!ほうらこの通り。ですが今はそんなことはどうでもよいのです。大事なのは3歩歩いても人語を忘れなかったこの私の脳の容量です。ええ、ええ。あなた方の疑問もお見通しです。さっきから結構うろうろ歩き回っているくせに何言ってんだこの鶏だとか思われていることでしょう。ふふふ。私は優秀な鶏ですので。まあぶっちゃけると私の脳内にレネゲイドビーイングが寄生して、容量が追加されたといった形ですかね。言語に関してはそちらに担当してもらっているわけです。ですから私が言語を忘れることは断じてございませんとも。
…えっと、何のお話でしたっけ？