容姿・経歴・その他メモ

回収データ
・全体
被検体の身体の大半が機械によって構成されている。
ブラックドッグシンドロームと推定。
全体に裂傷多数、損傷甚大。
戦闘によるものと推測。
・四肢
特に脚部及び胸部に著しく損傷を確認。
腕部は機械部分の形状が一部流動変形しているのを確認。
モルフェウスシンドロームと推定。
上記のブラックドッグシンドロームと併せてクロスブリードと定義。
・胴体
死亡の原因は戦闘時、胸部に空いた裂傷と推定。
・頭部
全体に比べ損傷軽微、戦闘による擦過傷と一部火傷の痕跡あり。
記憶領域の動作に若干の誤動作あり。
戦闘の影響で大脳辺縁系に損傷か。
・その他
被験体の所持していた物品から六⚪︎結⚪︎の表記を確認。
一部擦り切れているが、被験体の性命と推測。

以上を踏まえ蘇生は困難と判断したため、素体の一部を元に複製することで各部位を再現する方針に切り替える。

複製処置前データ
身体大半の肉体部分と機械部分の結合、支障なし。
胸部の裂傷は筋肉と骨を貫通して心臓まで到達。
代替となる小型動力炉を移植、支障なし。
損傷の可能性のある大脳辺縁系は直接干渉出来ず。
外部から補助脳を接続、追加の情報演算処理によって支障改善。
以上を以て複製処置を開始。

複製処置後データ
動力炉の動作に支障なし。
蘇生成功を確認。
身体動作に異常なし。
裂傷、火傷などの損傷組織の治癒を確認。
各機能の駆動に異常なし。
感情の発露なし、コミュニケーションには支障なし。
今後の生命活動によって感情が発生するのか要検証。

異常発生。

被験体の記憶領域と補助脳の接続による情報演算能力の想定閾値がオーバー。
ノイマンシンドロームによるものと推測される。
複製前に確認されたシンドロームではなく、蘇生させた際に発現したもので、これによりトライブリードとして定義。
恐らく、生前の被験体の生活圏内に、ノイマンシンドロームに発現していた存在から罹患したレネゲイドウィルスの干渉によるものと推測。

恋愛感情に特に反応し、異常な執着を確認。
特定個人の名前らしき単語を連呼し、複製機器の配線などを引き千切ろうと脱出を試みた為、急遽隔離、処置室の無酸素化及び減圧処理により鎮圧。
意識覚醒前に補助脳に信号抑制機能を追加して対応。

異常発生。

被験体の動力炉から想定以上の熱エネルギーを感知。
サラマンダーシンドロームによるものと推定される。
複製前に確認されたブラックドッグ・モルフェウス及び複製時の補助脳によるノイマンのシンドロームが既に発現している為、本来は干渉し得ないものである。
恐らく、生前の被験体の生活圏内に、サラマンダーシンドロームに発現していた存在から罹患したレネゲイドウィルスの干渉によるものと推測。

サラマンダーシンドロームそのものは現状、動力炉のみに干渉しているものの、
放置すると熱暴走を起こす可能性あり。
急遽、冷却液を循環させる外骨格を装着。
熱エネルギーを抑え、現状を維持することに成功。
但し、何かしらの要因により前述の情報処理演算と併せて再度暴走する可能性がある為、取り扱いには厳重な管理と注意を以て当たるよう留意。

補助脳及び外骨格の表面形状、被験体の物品から推測される姓名と、平常時は感情の発露が無いことによる皮肉を込めて「はにかむ」と命名。

以上が複製による人口レネゲイドビーイング、コードネーム「HEX」の蘇生報告とする。

EBRB研究報告「HEX」一部抜粋

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