ハロー、リスナー諸君。さぁ、今日も夢の街で新しい1日が始まるぜ
俺はこの街が大好きさ、どのくらいかって？そうだな.....時折金をせびって来るかつての親友と同じくらいだな
今日も何十人と新参者がやって来るだが一年持つのは半分だ....それも当たりの年、ならな
奴らは何をしにこの街の来るかって？
そりゃ次なる伝説としてこの街に名を刻む為さ
そりゃ、リスクがデカけりゃリターンもでかい訳さ
無論メジャーリーガーの選手生命は短い、星は死に際ほど輝く訳だ。無論....その前に腹の中身をぶち抜かれる事だってある
この街の伝説が集まる場所を知っているかい？
墓地だよ
とはいえ伝説になるのに出身も身分も関係ない
お前が本物ならチャンスはあるさ
此処はそう.....”夢“の街だからな
この街ではどう生きるかではなく.....どう死ぬかだ
そんな街の1人の伝説について今日は話そう
名はバーバリアン。こんなふざけた名前だが実に聡明で....実に愚かしい男だ
ついでに一つ、この街で伝説になる方法を教えてやろう。それは単純明快、”境界線“を越える事だ
おっと....話が逸れちまったな。路線を戻すとしよう
それで....えっと確か.....そう！バーリアンだ。アイツはこの街の伝説の中でも特段飛んでやがるぜ.......理由が知りたいって？焦らずとも教えてやるさ。まずこいつはオーヴァードじゃないと来た、え？この街の伝説がオーヴァードじゃないなんてあり得ない？おいおい、そんなツマラねぇ事言ってると風俗でご自慢のマグナムが撃ち抜かれちまうぜ。しかしあり得ないと思うのも仕方ない事だ....この街は成立当初からオーヴァードが跋扈していたからな
そんなある日”ヤツ“が現れたんだ。
管制塔の検閲をすり抜けてこの街での厄介事から逃げようとする馬鹿は幾らでも居る、従来それは不可能だと酒の席でも話題になっていたんだが......ある日、とある夜逃げ屋がそれを成し遂げちまったんだ
その夜逃げ屋の内の1人がバーバリアンって訳だ。何だその顔は、そりゃ周りが凄かったんじゃねぇのかって？此処からが“ヤツ”の本領だ
当然、連日そんなことをしていたら管制塔の奴らから目を付けられるに決まっている。そんな時、”ヤツ“がこの街史上最高の伝説を残して逝きやがったんだ
管制塔の番人....この街の烏合が束になっても敵わねぇバケモン。オーヴァードの力にありったけの人体改造を重ねた正真正銘最強のバケモン
あの男は、バーリアンは
一　騎　討　ち　の　末　に
タワーの頂上でジャームとなった最強と相討ちになって死んだ
そこで初めて発覚したんだ。俺たちオーヴァードは死んでも死なねぇ、だがな.....”ヤツ“は、“ヤツ”は死んだ
正真正銘、ジャームにもならず、人としての最期を迎えてこの街の伝説になった
この街に、出口を創っちまったんだ
それでも以前としてこの街は変わらない、出るには面倒な手順を踏まねぇとだし、一般人は簡単に死ぬ.....そう言えばヤツを再現しようと遺伝子から何人もの複製体が作られてる、なんて話もあるが.....ま、所詮は噂話。気にする事はねぇさ
それじゃ、今日の裏鹿金放送は終いだ。それじゃあ伝説を追う諸君、”良い“1日を

再来計画(プロジェクト・リターナー)
伝説を再現する事を目的としており被検体の数や規模は全貌が掴めていない
計画の内容としてはそこいらの人間を捕まえ伝説と呼ばれる人物の遺伝子などを組み込んだり人為的にオーヴァード化させると言った物である
ある小さな家族の話だ。その家族に愛はあった、しかし金がなかった。身籠った子の出産に使う費用すら無く堕そうかと医者に話をした時、ある話を持ちかけられたんだ
日本では少子化問題が長く続いており政府も手を焼いて居る。まだ正式発表はされていないが出産費用、ひいては出産後、成人になるまでの補助も行うサービスだと言う
無論、その家族は喜んでそれを受け入れた
.......生まれた少年は脚が弱かった。直ぐに折れてしまい治るのにも時間がかかる。件の医者へ相談すると義足にするべきと言われ子を想った両親はコレまた快諾した
その後、両親も少年も少し貧しいが幸せに過ごせたことであろう
ジャームによって、永遠に別れることがなければ

......弱みに漬け込むようで悪いが此方も目的がある。そう思った医者は目の前で眠る身籠った女性に目を向ける
彼女は眠って居る、特性の麻酔だ。まる1日経っても起きる事はないだろう。今のうちに胎内の子の遺伝子を弄るとしよう
そうして彼は処置を施した
意図的に脚が悪くなる様に、きっかけがあればオーヴァードへと覚醒する様に