とあるFHセルで町丸ごと支配してセルの巣窟にしようという計画が持ち上がり、町で信仰されていた"くろぐつな様"に目をつけた。
その神様は村人に殺された怒りから村に祟りをもたらした蛇であると考えられており、今でも祟りを鎮める儀式が定期的に行われていた。
これは使えるとその御神体を盗み出し、そこからレネゲイドビーイングを生み出す実験が行われ、ついに具現化した。
しかし彼女はずっと自分を信仰してくれて、しかも(祟りを鎮めるために)お供え物をたくさん捧げてくれる人間たちが大好きだったため、「やだよー！」と言って研究施設から逃走を図る。

覚醒したばかりで戦い方もよく分からず、とにかく闇雲に走っていると、逃げ込んだ部屋にアタッシュケースに入れられた少し年季の入ったような生成りの布(おそらくセルが何処かから奪ってきた遺産・ジャイアントキル)を発見。なんじゃこりゃ？とつまみ上げると彼女の手に巻きついて取れなくなってしまう。
わけがわからず混乱していたが、「よっし、かかってくる奴全員返り討ちにしてやろう！」という気持ちが湧いてきた。不思議とできる気しかせず、最初に見つけた研究員をボコボコにして出口の場所を吐かせて一目散に走った。

だが次に立ちはだかるはFHのエージェント、つまりオーヴァード。火を出したり風を起こしたりして攻撃してくる人間たちにこいつら本当に人間か！？と慌てていると、そこで布が巻きついた布がずしりと重くなる。見るとそこにはお誂え向きに石のようなものが布に引っ掛かるようにぶら下がっていた。
よく分からんがこいつは使えるぞとブラックジャックのように頭をブン殴り、あるいは敵が見えた時点でそれを飛ばし、なんとかかんとか躱して見事脱出に成功した。

もともと御神体があった神社には帰巣本能と言うべきか、難なく帰り着くことができた。
その後暫くは神社でお供物をくすねたり、お賽銭をくすねたりして悠々自適に生活していたが(神主さんが「御供物がなくなっている！？」と大騒ぎして一波乱起こったりするがそれは別の話)、そのうち物足りなくなってきて頻繁に繁華街など栄えた場所に出かけるようになる。

その日もいつも通りフラフラしていた。その頃には名前は知らずともワーディングのやり方は習得しており、真っ昼間の交差点でワーディングによって姿を消し、(くすねた賽銭で買った)アイスを食べながら人を観察して楽しんでいた。
そこに「お前、何者だ？」と声をかけられたことでワーディングが効かない人間がいるのだということを彼女は初めて知った。
辺りを見回して目に入った店の名前から「ヤマダ…やよい？」と名乗るも、あまりにもしどろもどろな上疑問系だったため怪しい奴という疑念は拭われず、UGNに連行されることになる。
そこでUGNやFHという組織の詳細、オーヴァードについて、自分がレネゲイドビーイングと呼ばれる存在であろうことを教えられる。
無理矢理連れてこられたものの居心地は悪くなく、神社での生活にも飽きてきていたため、いっちょ新しい生活歩んでみるか！とそのままUGNに所属することになった。

めきめきと頭角を表した彼女はやがて日本支部のエージェントに抜擢され、日本の中心で都会生活を満喫することとなる。

自分を生んだFHセルには、自分を利用してとんでもないことをしようとしたということで恨みを抱いていないこともないが、セルの名前も場所も全く覚えていないためカチコミに行くこともままならない。
なのでFHという括りに入っていたらとりあえずぶっ叩くことで、偶然そのセルに当たったりしないかなーと思っている。(さすがに独断行動というわけではなく、UGNからの命令があれば喜び勇んで飛びつくくらいである)