容姿・経歴・その他メモ

兄

一人称：俺

両親は仲睦まじく、ごく普通の、幸せな一般家庭だった。
妹が生まれたのは10歳の時だ。
…生まれ方は、普通じゃなかったが。

臨月を迎えた母と二人、タクシーに乗り病院へ向かっている時、交通事故に遭った。
息子を庇い重傷を負った母は、緊急搬送され懸命な治療を受けたが助からなかった。
ただかろうじて、赤ん坊は一命は取り留めたが、その肺機能には障害が残された。

その日から父は人が変わった。
愛する妻を失ったことで、おかしくなったのだ。
仕事を辞め、酒に溺れ、怒鳴るようになった。
そして妹が生まれて2年後、自宅で首を吊って死んだ。
小学校から帰り目に入ったのは、天井の梁からぶら下がる父の姿を無垢に見上げる妹の姿だった。

それから兄妹は親戚中をたらい回しにされ、最終的に父方の祖母の妹に引き取られた。
おばあちゃんはよく言えば放任主義、悪く言えば兄妹に関心がなかった。
この人には任せられない。
そう思い、学校に行っている間は妹を障害児受け入れのある幼稚園に預け、毎日送り迎えをした。
中学では部活には入らず、放課後や休日にクラスメイトと遊ぶこともしなかった。休園があれば学校を休み、無論修学旅行など泊まり行事は欠席した。
クラスで孤立しても、妹の笑顔があればそれで良かった。

大きくなった腹に耳を寄せた俺の頭を撫でながら、
母は「｜妹《この子》を守ってあげてね、お兄ちゃん」と笑った。
たった一人の家族を、俺は何があっても守る。

妹

年齢　　　：5歳
一人称　　：ニナ
兄の呼び方：お兄ちゃん

お兄ちゃんが大好き。
肺機能に障害がある為、発作を抑える薬を手放すことができない。
恒常的に咳き込み、長時間の運動ももちろん不可能。
自分の面倒を見る為に兄が友達とも遊べず、自分の時間を犠牲にしていることを幼いながらに理解している。

ニナね、お兄ちゃんがだいすき
ずっとお兄ちゃんといっしょがいい。
……でも、ニナがいなきゃお兄ちゃんは…

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