Paradox(言説の逆説、パラドックス)とDocking(宇宙空間で二つの人工衛星や宇宙船が結合すること)を合わせた造語。
　本人は自身のコードネームを「テセウスワン」と称している。
　これは当時危篤状態であったドナを救うために行われた、緊急治療のコードネームでもある。
　この手術によってテセウスの心臓がドナに移植された。
　欠損した四肢は、テセウスの能力で生み出された機体のパーツを素材とした義肢へ変更。このため、ドナの心臓が止まらない限り、異常な回復力で回復し続ける特異体質へとなった。
　またこれらの義肢はドナの成長に合わせて変形、進化するように変質した。

　AA 2話のクライマックス前、「涼風時雨は、白露楓人は、人なのか？兵器なのか？」という話題で、自身の中にある強い意志、どうにもならない感情があることに気づき、自分はテセウスではなくドナなのだという解に思い至った。その結果、自分のCNをパラドックと正式に名乗るようになった。

　７年前、ドナは空港で起きた爆破テロに家族とともに巻き込まれ、唯一の生存者となる。
　そのテロは「ミノス」と呼ばれる男が起こしたもので、彼は元々は非オーヴァードの要注意宗教団体の構成員の一人であった。
　テロは宗教的な背景が原因であり、ミノスは裏社会で手に入れたレネゲイドウイルスを用いて、仲間とともにテロを実行。大勢の無辜の人々がその爆発で犠牲になった。
　
　ミノスがレネゲイドを手に入れた情報は、UGNイリーガルの「テセウス」より本部へと報告が上がっていた。
　しかしながら、十分な確証が得られなかったことと、何より人員不足により、テロ当日UGNは空港に人員を配置することができなかった。
　そのため、この事件は「テセウス」単独で終決させることとなった。

　彼は《ビークルモーフィング》の使い手で、多勢に無勢の状況の中、瀕死のドナを抱えながら一人で形勢を覆し、UGNの応援が駆けつけるまで戦線を維持して見せた。
　けれどその代償は大きく、エージェントが現地に到着した時にはテセウスもドナも瀕死の状態だった。
　彼はドナを救ってほしいと医療班へ訴え、引き渡すと事切れてしまった。

　テセウスの願いは無事成就し、ドネは息を吹き返す。
　その後UGNは彼女へこの一件の真実と、レネゲイドのことを伝え、ドナは即座にUGNチルドレンとして生きていくことを志望した。
　大人も顔負けになるほど修練に打ち込み、戦いのために訓練の日々を明け暮れた。
　そんな無茶ができたのは強靭な義肢と意志があったから。しかし、その意志がテセウスの意志なのか、彼女自身のものなのかドナははっきりと断言できない。
　ただ一つ、彼女の中に迷いなく存在することは「平和の為に一早く敵を切ること」のみ。
　
　——もう二度と人手不足だなんて理由で、救える無辜の命を取りこぼしたくない。

　頭の良さはクラスの平均よりやや上程度で、ノイマンのリソースは戦闘感覚の鋭敏さに極振りしている。
　

◆シナリオ概要(1話目について)
プレイヤー人数:3～5人
必要ルールブック:基本1・2
推奨:上級・EA・LM(GMのみデータ参照の為PE)
経験点:基本130点+追加20点+EE4点=154点
プレイ時間:6～9時間(ボイスセッションの場合)
ミドル戦闘:あり
戦闘難易度:普通~難しい
推奨技能:《知識:医療》《知識:機械工学》《情報:裏社会》《情報:噂話》《情報:警察》
その他補足:
①回避の高いエネミーが登場します。
②トループが複数体登場します。
③本シナリオ(1話目)ではEロイスは使用されません


◆トレーラー
獣は進化し、炎を扱い道具を発明し、生活に利便を求め文明を発展させた。
その果て、人は他者から奪う為と武器を生み出した。
人の残虐さは、いかに多く効率よく、確実に殺すかを求めた。
様々な兵器を生み出し、数多の命を奪い続けた。
しかし人の矛盾たるか、平和を享受した世で命を奪えば、罪に問われる。
道具は道具、それに罪はなく。それが人の世の理、人の世界の道理。
だが、それならば――――

人を象りし武器の罪は？

ダブルクロス The 3rd Edition
『Artificialis Anima 〜Chapter of the SIN〜』
これは、罪の在処を問う物語


◆PC②用ハンドアウト
ロイス: "瞬く雷光(フラッシュエッジ )"相澤颯太 推奨感情:P連帯感/N厭気
カヴァー/ワークス:高校生/UGNチルドレン
　君はN市のUGN支部に所属するUGNチルドレンだ。相棒の相澤颯太と共に市内の暴力団事務所襲撃事件の捜査にあたっていた。その最中、突如ワーディングが展開され何者かの襲撃を受ける。

◆トレーラー
人の進化は智のみにならず、超常の力を得て。
それでも尚変わる事なく他者から奪い続ける。己が欲望の為とその力を振るう。
されど彼らは日常を、絆を守るために力を振るう。
その在り方が罪と言われようと、それが世界への裏切りと謗(そし)られようとも。
その想いを守るため命を賭して戦い続ける。
その願いに、心に触れて彼女は何を想うだろう。

魂さえ造られた、虚ろなる少女は。

ダブルクロス The 3rd Edition
『Artificialis Anima 〜Chapter of the Sentence〜』
これは、罰の形を問う物語。


◆PC②用ハンドアウト
ロイス: "瞬く雷光(フラッシュエッジ )"相澤 颯太 推奨感情 P連帯感/N厭気
カヴァー/ワークス:高校生/UGNチルドレン
君はN市支部に所属するチルドレンだ。ヴォイド事件において相棒の相沢颯太は負傷し、復帰はおろか回復さえ危ういと伝えられる。その最中、何者からか端末に電話がかかってくる。

◆トレーラー
目には目を、歯には歯を。
受けた傷には同じだけの痛みを。
罪には罰が求められ、他者を害せば報いを受ける。
時に復讐は認められ、称賛さえも与えられる。

同時、憎悪は人を動かす。
焔のように、命に熱を与え道を指し示す。
過去は燃え尽きたとしても、それは何度だろうと燃え盛る。

たとえその身さえ、焼き尽くしたとしても。

ダブルクロス The 3rd Edition
『Burnt down Bygones』
これは、復讐の意義を問う物語。


PC②用ハンドアウト
ロイス: "斬鋼の鋭刃"(キーンエッジ)高田 涼 推奨感情 P信頼/N不安
カヴァー/ワークス:高校生/UGNチルドレン
N市内にて"マスターブレイズ"を名乗るFHチルドレンの活動が確認された。その増援として他支部から過去にマスターブレイズと交戦したことのある高田凉と、レベッカの二人が派遣されてきた。

◆オリジナルデータ
「雷光のフラグメント」
種別:その他
必要経験点:30点
REC:相澤颯太
解説:君と彼が心の底から信頼し合う仲であることを示す。その絆は君を奮い立たせる楔となり、敵を打ち倒すための刃となる。
通常効果:戦闘不能になったとき、オートアクションで使用する。戦闘不能を回復し、HPを1d10点回復する。この効果は1シナリオに1回まで使用することができる。
強化効果:エフェクトを使用する直前にオートアクションで使用する。そのエフェクトのLVを+1する。この効果でLVの上限を超えてもよいが、エフェクトの使用回数は増加しない。エフェクトを複数組み合わせている場合、全てに適用される。1シナリオに1回まで使用できる。