豪華寝台列車“マリンスノー”
それは、今回の標的であるマスターレギオンが乗っている列車である。
そして今マルコ班の戦士たちが乗っているのは、その列車に強襲を仕掛けるべく突撃する装甲列車だった。
ジジジジと、ベルがなる。もうすぐマリンスノーへの強襲準備が整うベルだ。
席に着席していたマルコ班の戦士たちは、席を立ちザッという音をたて整列する。
開始が近いことに落ち着かない戦士たちの心拍数が上がる。
するとその心音よりも幾分かゆっくりとした足音が聞こえた。ふわっと香るバラとラベンダーの香りは少し気持ちを落ち着かせた。
あれだけみっちりと整列していたはずの戦士たちの合間をすり抜けてその人はひらりと前に踊り出ていた。
「ボンジュール、モイのマルコたち。」
「さて、これから戦場だ。言っておかねばならないことがある、よぉく聞いておくれ。」
「君達はマルコ班の優秀な一員だ。君達の死で多くの命が、多くの幸せが救えなく可能性がある。モイのためにも、正義のためにも、君のためにも、そしてなにより君を愛する家族、恋人、友人のために君達は生きて帰ってくる義務がある。いいね？これは隊長命令だよ。…そろそろだね、さ、構えて。」
その言葉を言い終えたその瞬間狙っていたように列車が突撃した。
ドゴゴゴと列車は揺れる。
そして、穴の開いたマリンスノーへの道が開かれた。
彼は、纏う軍服をなびかせながら突撃する方向へと身体を向け、指を鳴らす。
「突撃」
彼の号令とともに、マルコ班の強襲作成は開始された。

マリン・ド・ルー
齢13歳で亡くなった。（今の年齢でテレーズと同じ15）
テレーズのような縦巻きが似合う女の子だった。
マリンはリオンと違い、能力開発をすることを求められず甘やかされて育てられていたため長い間嫉妬をしており、すこし冷たい態度をとってしまっていた。
しかし災害（古代ダキアの紅月祭）で彼女を無くしてしまう。
そのときはじめて彼女を妹として愛していたことを自覚し彼女と時間を過ごしていればよかったと後悔している。
マルコ班のみんなには同じ思いをしてほしくないと災害対策に力を入れている。