容姿・経歴・その他メモ

支援型のUGNエージェント。ある理由から特定の部隊への所属ではなく各地を転々としている。
身体から生成される薬品物質を風に乗せて届けるサポーター。

輝くようなプラチナブランドをした気弱そうな少女。まるで小動物の耳のように逆立った髪の一部が特徴的。
幼少期から端正な顔立ちと珍しい髪色から周囲から注目を集めていた。それをプラスに転じさせる社会性があればあるいは陽キャの道を歩めたのかもしれないが……残念な事に、彼女は消極的で悲観的で恥ずかしがり屋な――端的に言って彼女は陰キャであった。
ただでさえ加害を受けやすい性格に、周囲に溶け込めない特異な容姿。それらが合わさった事でいじめられっ子一直線。辛うじて不登校などにならずに済んだのは、理解のある両親や心を開ける幼馴染がいたからに違いないだろう。

そんな大変ながらも平和な日々は、ある日突然終わりを告げた。
突如として、獣の如き異形に襲われたのだ。助けを求めようにも誰もが意識を失い倒れている。逃げて、逃げて――あるいは逃げ切れず致命傷を負った気すらするが構わず走って逃げて――辛うじて生きている間に、UGNによる救助が間に合った。
彼らに保護され、検査の結果判明したのは自身が先天性のオーヴァードであったこと。そしてその能力が"周囲に興奮作用を持つ薬品を無差別に放出する"物であることだった。

完全に無自覚の内に、感情――特に傷つく事によるマイナスの感情――に反応し、周囲の人間の攻撃性を増し、抵抗感を薄める。当人の｜マイナスの感情を抱きやすい《ネガティブ》も相まって全自動犯罪発生装置のような能力が判明した以上、彼女をそのまま人里に置いておくという判断はUGNにも出来ず、彼女はそのままUGNの訓練施設へと引き取られる事となるのであった………。


自覚がない幼少期から既に効果を発揮していた事からも分かる通り、オーヴァードとしての出力は非常に高い。だが、それを制御出来るかどうかはまた別の話であり………感情に対応するという性質もあり5年近くの訓練と後天的に覚醒したもう一つのシンドロームによって何とか制御している。

【能力：｜時計兎《ウィズラビット》】
由来は"不思議の国のアリス"に登場する案内人の兎。
先天的に持つソラリスの能力を後天的に発現したハヌマーンで制御して拡散・誘導し味方に届けている。
向精神性の薬物を投与し、肉体の性能を十全に発揮させるのが主。
だが、その本質は更にその先に在り――精神に、無理やり"肉体の限界を超えさせる"事にある。
精神は肉体の内にあるという当たり前の現実から、心が体を凌駕する御伽噺の世界へと｜主人公《アリス》を案内する兎である。

特定の場所にいさせられない理由はここにあった。限界を超えさせる能力が体に良いわけがないのである。
限界を超えた動きは着実に疲労と損傷を蓄積させ、時計兎はその傷を忘れさせる。更には、精神的にも限界が曖昧になり自身の力量を見誤るようになる。
大変なところに一時ぶち込む以外に運用法がないのである。

その性質上常に過酷で大変な職場に放り込まれ続ける事が確定し、彼女は泣いた。

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