エグザイル/オルクスのクロスブリード。より強く発現しているのはエグザイル。
エグザイルらしく肉体変性力に優れ、全身の骨を変形・圧縮したものを弾として撃ち出す技を得意とする。
いわゆる「遺産継承者」であり、複数のEXレネゲイドを体内に寄生させることで能力の底上げを行っている。

全身の筋肉をカタパルトに見立てて発射機構としており、筋肉をバネとして撃ち出される弾は貫徹力が低く精度も悪い。
生半な装甲なら上から潰せる程度の衝撃力で貫徹力を、散弾のように斉射することで低い精度を補っている。
（その際、弾は肉と服を突き破って射出される）

そのくだらない男には双子の兄が居た。
兄は弟より優秀で、弟より両親に期待され、弟より周囲の愛を注がれ、そして弟より先に死んだ。
兄を終わらせたのは、軽トラックとの運命的な出会いだった。
女性関係でも優等生であった兄だが、無機物からのアプローチは苦手だったらしい。
トラックの猛烈なアタックは、ほんの数秒で兄を道端の近代芸術に変えていた。
殊更優秀だった脳は乾いたアスファルトにぶちまけられて、真っ赤な染みに成り果てていた。
茹だるように暑い夏の日のことだった。

兄がいなくなってからというもの、遺された弟と家族の関係は複雑だった。
家族は弟を愛してはいたが、兄ほどの愛情を注いではいなかった。
弟もまた、兄が如何に自分の事を気にかけてくれていたのか、いなくなってから気がついた。

親の虐待があったわけではない。
子供が反抗的だったわけではない。
家族仲が悪いわけでもない。
ただただ、ぎごちない。

そのどうしようもない家庭で育った弟は、くだらない男に育った。
それだけの話だった。