容姿・経歴・その他メモ

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俺の名前は葛葉黒斗！
ちっぽけだが……大切なものを守るための立派な右手を持った、一人の男だ！

過去のカウンセリング記録

カウンセリングを開始します。

蜂目豺声"ほうもくさいせい"

冷酷で残忍な性質の人のこと。
「豺」は気性の荒い、狼に似た山犬のこと。
蜂のように細い目と山犬のような気味の悪い声という意味から。
——四字熟語オンラインより 一部抜粋

「俺の今の名前の由来だ」

何故そのような名前に？

「俺に、元の名前を名乗る資格なんて無い。
家族が死にゆくのを見殺しにして、物陰に隠れてた俺には、ピッタリの名前だと思うがな」

一体何が？

「家族団欒で過ごしてたんだ。ガキの頃だった。
ピクニックの帰りだったよ。妹は、おふくろのサンドイッチは美味かったって言ってたけど、おやじの淹れたコーヒーは苦くてまずいって文句垂れてた。
大人になれば分かるって笑ってたっけなあ。

その10分くらい後、暴れ回ってたジャームに全身バラバラにされて、永遠に大人になんてなれなくなったが。
俺はちょうど用を足しに出てて、ジャームに見つかるまで隠れるしか無かったよ。

結局見つかって、死にたくねえ。って思った時、その時だ。初めてオーヴァードに覚醒したのさ。
……汚らしい根性だろ？ 自分が死にたくねえと思った途端に覚醒するなんて。
汚えなあ……汚ぇ、汚ぇ、きたねえェッ！！！」

(手元にあったボールペンで、自身の右手を何度も貫通させる自傷行為に走ったため、鎮静剤を投与。
現在の質問を中止。)

貴方の戦い方は？

「雀蜂に変身して……手を毒針に変化させて戦う。
これで、あのジャームも殺してやったよ。
俺のレネゲイドは、レネゲイドを殺しやすいそうだぜ。それで家族を守れなきゃ全く意味ねえけどな。クソみたいな手だ。

……話が逸れたな。そう。アナフィラキシーショックってあるだろ？ アレみたいに、二撃目で仕留める時が多い。初戦もそうだった。
俺のレネゲイドは、レネゲイドを喰らってより威力を増す。俺の生き方みたいだろ？ 他人を食い物にしなきゃ生きていけない、正真正銘のゴミ虫だ」

蜂をバカにしている？

「はあ？ そんなわけがないだろ。蜂はすごい……特に雀蜂、巣を守るためにあんなにも果敢になれる。
俺はどうだ？ 家族より我が身可愛さが勝ちやがった。そんな俺が虫をバカにできるわけがない……」

貴方の口癖の、「俺がよければいい」とは？

「そのまんまだ。俺が助けてえと思って助けてるから、そこに謝礼も見返りも要らねえ。全ては俺の罪滅ぼしに過ぎない。気の狂った馬鹿が勝手に人助けしてるだけなのに、報酬があるっていうのがそもそもおかしいんだろうが」

貴方の身体はボロボロです。無茶をしすぎでは？

「家族見殺しにしてのうのうと生きてんだぞ？
ボロボロになって、ボロ雑巾みたいになって、誰かを助けて、誰かの役に立って、それでギリギリ生きてていい価値が生まれるんだろうが」

貴方は疲弊し、傷ついている自分を自覚できていません。

「だから？」

一時の療養を命じます。

「嫌だね……それより、もっと誰かを助けねえと。任務をくれよ。俺が人並みの時間を過ごすなんて、おこがましくて吐き気がする。俺の罪滅ぼしは、死ぬまで終わらねえよ」

従わない場合、エージェント職の剥奪を上層部に打診します。

「は？ ふざけんなよ……んだこの甘ったるい香り……ソラリスか！ ざけんな！ 俺は休まねえぞ！ 死ぬまで！ 死ぬまで働いてやる、死ぬまで誰かを助けるんだ！ 聞いてんのか！！ おい！！！

……そうじゃねえと……天国の家族に……顔向け、できねえんだよ……」

患者は極度の激昂状態にあったため、ソラリスシンドロームのエージェントにより沈静化させました。カウンセリングは以上です。

診断結果

･重度の強迫性障害
･心身共に過度のストレス
･精神的要因によるレネゲイドの乱れ
･過度の自己犠牲衝動
･過度な自嘲的発言
･軽度なジャーム化の兆候あり

心身共に非常に危険です。安定した環境での療養が必要と思われますので、至急手配をお願い致します。

診断は以上となります。

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