人物

　ブリテンより東方、その大陸で名を馳せた遊牧の民への、人々の畏怖の念より生まれた化身。
　化身の核たるものは、その遊牧民たちの中で最も恐れられし者だったとされるが、本人はそれを感じさせない柔和さで他者と接する。
　鎧を身に纏うが、その鎧も遊牧民たちの物ではなく、ブリテンの地に流れ着いた際に拾い上げ、外殻としたものらしい。
　
　元来の性分なのか、一定した土地に留まらず、その名の通り「うつろう」事を目的としている。
　その最中に自身が惹かれるものあれば、そこを探検し、成果を得、ひとしきり満足してまた別のところへ向かう。
　
　ただし、エツェルを知る者はその根底にあるのが「侵略」と「征服」であることを見抜いている。
　それに自覚的でなくとも、彼女の行動は大別すれば盗賊じみたものであり、地域によっては「お尋ね者」のような扱いを受けている。
　
　エツェルは盗賊ではない、だがその精神は強烈な征服欲によってかたどられている。

　大陸を踏み荒らした遊牧の民の化身ゆえなのか、それとも彼女の核なりし者の性分であったのか。
　いずれにせよ、人によっては彼女はただの墓荒らしであり、あるいは迷宮を踏破することを目的とする異常者として映る事だろう。
　

戦い方

　彼女の核なりし者は地中より掘り起こされた剣を用いたという。
　だが、彼女はその者自身ではなく、その者の率いた遊牧の民の化身である。
　
　それ故に、彼女は生まれ、ブリテンの地に辿り着いたとき、外殻とした鎧のほかに丸木弓を拾い、それを武器としている。
　大地を踏み荒らす自然の摂理を操り、矢を相手に確実に命中させるための重力操作を駆使する。
　その結果、弓そのものの扱いが至難となったのだが、彼女の類まれなる頭脳でそれを補っている。

　なお、弓を扱う以上は至近距離まで寄られると不利になる。
　だが、エツェルはそうであっても構わず弓を放つ剛毅さを持ち合わせているのだ。

概要

　アジア～コーカサス～東ヨーロッパで名をとどろかせた某遊牧民への恐れを媒介に誕生した幻想生物。
　濃いエッセンスを受け継ぎすぎていろんなところに足を運び、気に入ったら荒らして回る超迷惑存在。

　偉大かつ聡明で寛容な面もあるにはあるが、本質は原哲夫作品に出てくる厳ついモブの皆さん。
　

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