ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

内津峠 朝陽 - ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

Quickdrawクイックドロー内津峠 朝陽うつつとうげ あさひ

プレイヤー:氷@足枷

年齢
16
性別
星座
蟹座
身長
164
体重
54
血液型
B型
ワークス
UGNチルドレンB
カヴァー
高校生
ブリード
クロスブリード
シンドローム
モルフェウス
ノイマン
HP最大値
25
常備化ポイント
6
財産ポイント
2
行動値
9
戦闘移動
14
全力移動
28

経験点

消費
+34
未使用
0
フルスクラッチ作成

ライフパス

出自 もう10年くらい会ってねぇなぁ。ま!オーヴァードなんてそんなもんそんなもん!こんな気色悪いの、家にいたってどうしようもないだろ?
親戚と疎遠
経験 あの時、先生が差し伸べてくれた手を俺は取れなかった。俺だけじゃねえさ、誰も取れなかった。だけどそれはきっと先生に対する裏切りで、それで先生は独りぼっちで死んでったんだろうなぁって……たまに、どうしてあの手をすぐに掴めなかったんだろうと思うことがある。
裏切った
邂逅 たった一年だったけど、あの支部で過ごした日々は俺にとっちゃぁ宝物なんだ。
友人
覚醒 侵蝕値 なんか3歳とかの頃にレネゲイド関連の事件?事故?に巻き込まれたらしいんだけど、そん時はまあバブだったし俺は俺で物作るの下手くそモルフェウスだからなーんにもそれらしいことしないしで見逃されちゃったってワケ。
感染 14
衝動 侵蝕値 全部ぶっ壊して、そんで証明してやる。俺が最強だってな!
破壊 16
その他の修正6精鋭(2)、武芸の達人(4)
侵蝕率基本値36

能力値

肉体1 感覚3 精神3 社会2
シンドローム1+0 シンドローム2+0 シンドローム0+3 シンドローム1+1
ワークス ワークス1 ワークス ワークス
成長 成長 成長 成長
その他修正 その他修正 その他修正 その他修正
白兵 射撃+14=25 RC1 交渉
回避1 知覚 意志+1=1 調達1
情報:UGN1

ロイス

関係 名前 感情(Posi/Nega) 属性 状態
D 精鋭:射撃 射撃+5
先生 同情 悔悟 なぁ先生。あんた、あん時どんな気持ちだったんだよ。
最強 執着 隔意 目指せば目指すほど、遠ざかっていくような気がする。

エフェクト

種別名称LVタイミング技能難易度対象射程侵蝕値制限
リザレクト 1 オートアクション 自動成功 自身 至近 効果参照
(Lv)D点HP回復、侵蝕値上昇
ワーディング 1 オートアクション 自動成功 シーン 視界 0
非オーヴァードをエキストラ化
武芸の達人 3 常時 自動成功 自身 至近
〈射撃〉+(Lv×3)。レベルアップしない。
ファンアウト 1 セットアッププロセス 自動成功 範囲(選択) 至近 4
対象は戦闘移動を行う。移動先は対象が決定。拒否可能。自分を対象にできない。1シナリオLv回。
戦術 3 セットアッププロセス 自動成功 シーン(選択) 視界 6
ラウンド中のメジャーダイス+Lv個。自分を対象にできない。
ハンドレッドガンズ 3 マイナーアクション 自動成功 自身 至近 3
シーン間、射撃武器作成、装備。
ダブルクリエイト 1 マイナーアクション 自動成功 自身 至近 3
作成する武器の数を二つに変更。
マルチウェポン 1 メジャーアクション 〈白兵〉〈射撃〉 対決 武器 3
武器二つ使用。射程短、範囲狭、至近不可優先。達成値-(5-Lv)(最大0)。
構造看破 1 メジャーアクション 自動成功 効果参照 至近
人工物の構造を解析できる。〈知識:〉
壁抜け 1 メジャーアクション 自動成功 自身 至近
そのままの意味。〈RC〉

コンボ

武器常備化経験点種別技能命中攻撃力ガード
射程解説
ハンドレッドガンズ 射撃 〈射撃〉 0 +(Lv×3)+4 - 30m
一般アイテム常備化経験点種別技能解説
思い出の一品 2 一般 〈意志〉 達成値+1
情報収集チーム 2 コネ 〈情報:〉 達成値+2
1シナリオ3回。
サイドリール 15 一般 射撃武器による攻撃の達成値+3、攻撃力+1d

経験点計算

能力値 技能 エフェクト アイテム メモリー 使用総計 未使用/合計
0 25 124 15 0 164 0/164
侵蝕率効果表

現在侵蝕率:

0-5960-7980-99100-129130-159160-199200-239240-299300-
ダイス+0+1+2+3+4+5+6+7+8
Efct.Lv+0+0+0+1+1+2+2+2+2

容姿・経歴・その他メモ

概要

「最強を目指すワケ、だぁ?んなもんねぇよ。
最強……なあ、ロマン溢れる響きだろ?それだけで目指す価値がある!
……なんだその顔!さては呆れてるな!?お前、今俺のことバカだと思っただろ!!」

最強を志す一般UGNチルドレン。
とても脳筋。本当にノイマンか?


「……強くなきゃ、何かやりてえって思ったとしても土俵にすら上がれねえんだよ」
先生、というのはかつて所属していた支部の支部長。
所属チルドレンがジャームになり、悲惨な死を遂げたことで若干頭がおかしくなり「みんなでFHに逃げちゃわないか」なんて提案したところ支部長の右腕ポジだったエージェントにぶっ殺された。
当時中学1年生で、そのジャームになってしまったチルドレンの処理にも参加していないし、当然先生が死ぬところも見ていない。完全な蚊帳の外のまま日常が壊れ、仲間たちがみんなバラバラになってしまったため、トラウマ。
関わることができなかった理由を「自分が弱かったから」と結論づけ、それ故に最強を目指している。

……というのは本人の認識上の話。
先生が元々FHエージェントだったり、全部計画のうちだったり……なんてことはまだ色々幼かった朝陽には知るよしもないことである。
気がつこうと思えば気がつけるけど、目を逸らし続けている現実である。

誕生日は6月28日

容姿

かなり明るめの茶髪(ほぼ金髪)。
オン眉ぱっつん前髪で後ろは赤いリボンで一つに結んでいる。
ちょっと太めの眉毛に吊り目でなんだか気が強そうな顔。
目の色は緑。
よく見たらちょっとそばかすがある。丸メガネと合わせて多分チャームポイント。

経歴
3歳
レネゲイド関連事件に巻き込まれる。
覚醒したのはこのタイミングであると推測されている。
6歳
小学校入学。異常な『頭の良さ』によって地域内で噂になり、その噂話をUGNが捕捉……『これはちょっと怪しいぞ?』ということになり学校の健康診断のついでにこっそり検体を採集。
検査の結果、無事……無事?オーヴァードだということがわかり『才能がある子なので』『一般の学校ではなく特殊な学校に』『その学校は全寮制で』というようなカバーストーリーを使って保護……というか、確保。
それ以降、一般的な小学校卒業の歳までUGNのチルドレン養成施設で過ごす。
13歳
新設されたUGN KI市支部に配属される。
14歳
UGN KI市支部がゴタゴタ(概要参照)により崩壊する。
以降はなんか……ええ感じにシナリオに合わせます。
KI市支部配属時代のあれこれ書きたいとこだけ

 小学校に入るまで自分はどこにでもいる普通の子だと思っていた。
 周りの子が幼稚園の先生に「本読んで」と頼んでいるのを見ても特に何も思わなかった。
 とっくに文字は読めていたけど、でも先生が読んでくれる本をみんなで見るのはそれはそれで楽しかったから何も疑うことなんてなかった。
 小学校に入って、すぐに平仮名の練習と足し算の練習が始まった。それでやっと、周りをおかしいと思い始めた。
 どうして文字なんてものを習わなきゃいけないのかわからなかった。今まで散々絵本を読んでもらったんだから、普通に読めるものじゃないのと。書くのは確かに、綺麗に書くのは練習しないといけないのかもしれないけれど……覚える、必要性を感じることができなかった。
 どうして足し算なんか、引き算なんか教えられなきゃいけないのかわからなかった。何をどうしたって足し算は足し算で、引き算は引き算。掛け算は大体足し算だし、割り算は掛け算だ。何を戸惑うことがあるんだろう。
 教えられてもそのことを理解できない子がいるのかが理解できなかった。
 片っ端から教科書を読んでは次の学年のを手に取って、また置いて。
 でもどこまで行っても「わからない」ことなんてどこにもなかった。
 自分が3時間で読んだ本が本当なら12年かけて学ぶ内容だったと気がついた時、周りがおかしいのではなく私がおかしいのだとやっとわかった。

 小学校に入って、1ヶ月。家に知らない人がやってきた。
 なんとなくわかった。私は今から、全然違う場所に連れて行かれて、思っていた人生とは全く違う人生を歩むことになると。
 わかっていても、それに抵抗することはしなかった。もう、この未来が確定したものだと理解していた。

 家族から引き離されて、知らない子たちとの共同生活が始まった。それは一般的な『共同生活』とはまるで違うものだった。
 戦って、戦って、戦って戦って戦う。
 訓練、実戦、そしてまた訓練。
 はじめはたくさんいた子どもたちも、一人……また一人と減っていく。
 私に最初に話しかけてくれた子も、私と仲良しだったあの子も。
 ぽろぽろ欠けて、散って、消えていく。
 トモダチ、なんて作ったところでみんないなくなってしまうなら……そうして心を閉ざした。

 長く伸ばした前髪と、分厚いレンズの丸眼鏡。
 世界と私の間の壁。高く、厚く。もう、崩せなくなったって構わないから。
 どうか誰もこっちに来ないで。
 初めから誰もいなければ、消えていく人を見なくて済むから。
 そんな願いを込めた。

 ある日、とうとう養成施設を卒業する時が来た。
 配属先はとある新設支部だった。
 その頃にはすっかり壁の建設は終わっていて、私は特になんの感慨も無くその支部の扉を開けた。……自動ドアだから勝手に開いた、という方が正しいだろうけど。
 その支部の1階ロビーではチルドレンたちがわちゃわちゃとしていて、茶色い髪の女せ……いや、男性……?がバインダーを片手にうろうろ歩き回っていた。
「お名前は?」
 その人は私の元にもやってきて、そう言った。
「……内津峠、朝陽……」
 俯いたまま、ぽつりと名前を告げる。
「……よろしく」
 誰とも関わる気なんて、一つもなかった。
 ただ、言われたことをこなすだけでそれでいいと思っていた。
 感情を揺らされることのない生活を望んでいた。
 そう、ただ一本の植物あるいは銃のように生きていたいと思っていた。
 彼、もしくは彼女……はバインダーに挟んだ名簿にチェックをつけて笑った。
「"Quickdraw"、内津峠……長いな……朝陽くんだね。私は進藤朱見。ここの支部長を務めさせてもらうことになったんだ。よろしくね」
 その笑顔と差し出された手に、この人は誰とも関わらないなんてことは許してくれないんだろうなと思った。
 きっと、そう思わされた時点で壁の基礎は崩れていた。

番外・あの頃の日常

 施設を卒業して、気がつけば3ヶ月。日曜日は学校がないから朝から支部に顔を出す。
 トン、と支部の前に立つと自動ドアが開く。
「おはよう、朝陽くん」
 支部長はいつ支部に行っても、任務で外してるとかじゃない限りそこにいて、笑って「おはよう」って言ってくれる。……なんで事務仕事まで自分でやってるんだろこの人……
「おはようございます、朝陽さん。いい加減前髪切ったらどうですか?」
 毎日いちいち小言がうるさい加藤……さん。本当は多分素行が悪いんだろうなって、そんな気配がする。
「今日の割り振り、まだなので上でのんびりしててください」
「三浦くんと石破くんがなんだっけ?なんかカードゲームしてるよ」
 "星砂"くん、あのカードゲームなんて名前だっけ。知りません、興味ないです。そんな会話を背に階段を上がり、三階の談話室の扉を開ける。
「アサヒ、おはヨ」
「あ、おはよ」
 畳の上に最近ハマってるらしいカードゲームを広げて遊んでる三浦と石破がいた。
「アサヒもやる?」
「いやこのゲーム、ノイマンと勝負しても勝てなくね?」
「カード、めっチャ縛れば……勝テル、多分」
「多分かよ」
「ホラ!3人寄レばナンカの知恵だヨ!」
「一人足りてねぇ!」
 ものすごく自然に一緒に遊ぶことになっている気がする……施設時代からノイマンはノイマン同士でやってろ、くらいに言われてたから工夫して一緒に遊ぼうって言われるのがなんだか変な気分だ。……それはそうとしてカードが縛られたくらいで負ける気はないんだけど。
「……じゃあ、この5枚でやる」

 私の三連勝に石破と三浦が頭を抱えてもう一枚減らしてコールを始めたとき、バンッと勢いよく談話室の扉が開かれた。
「おはよ〜」
 いつも通りのほわほわした挨拶をするユーリと、挨拶をすること自体が恥ずかしいみたいに目を逸らしてる圓丈。
 そしてその脳天に落ちる加藤さんの拳。
「……ッ……ぉ"、はよう……ございまず……」
 頭を抑えて蚊の鳴くような声で挨拶をする圓丈に、誰からともなく笑い出す。
 これが私の、新しい日常の姿だった。

憧憬

 施設を卒業して、あの支部に配属された当初。いきなり全員で自己紹介なんてやらされて『仲良くしよう』なんて馬鹿らしい言葉を支部長からもらった。
 支部長にもなるような人が、どうしてそんな甘い考えをしていられるのかがわからなかった。
 どうせすぐ誰かが消えて、またあの施設で過ごしたような日々が戻ってくると思っていた。
 思っていたのに。
「任務完了、というやつだね。大丈夫かい?朝陽くん」
 大人が前に出て戦うのをみたことがなかった。
 誰よりも何よりも速く、支部長なんて責任ある立場の人が飛び出していくなんて思ってなかった。
 強い人って、本当にいるんだなって。支部長の背中を見てそう思った。
 どうせ最初だけだと思っていた。だけど、いつでもどんな仕事でも、支部長は真っ先に飛び出していく。
 いつ、どんな相手でも、どこかに余裕を残したような涼しい顔で「大丈夫かい?」と問いかけてくる。
 支部長はそういう人だった。
 頼れる。そう思うと同時に酷く遠く感じた。

一歩

 半年ほど経ったある日。私は、ある覚悟を持って職員室を訪ねていた。
 オーヴァードになる前は中学校で教員をしていたという彼……彼女?のカバーは塾講師。支部のカバーも塾。だからみんな、支部長を「先生」と呼ぶし、支部長室を「職員室」と呼んでいた。
 コンコンコンと、三回ノック。二回はトイレ。
「……失礼します」
 学校でするのと同じように、扉を開けて一礼した。
「……先生、今いいですか」
「おや?朝陽くんどうしたんだい?」
 壁の向こうでいつも通り書類の山を崩していた先生が顔を上げ、こてんと効果音が鳴りそうな動きで首を傾げた。
 ……その日、私は壁を崩しにきていた。
 この場所ならきっと大丈夫。毎日変わらずそこにある日常に、そんな誤解をしていた。
 きっとずっと、この日常が続くのなら。壁で隔てて引きこもってしまうのが途端にもったいなく感じていた。
 壁の向こうから見る先生の背中は、残酷なくらい遠かった。
 だから、崩そうと決めた。この壁を越えて、みんなの隣、先生の隣に立つために。決めてそこに立っていた。
 だけど、壁が本当になくなってしまうということを考えるとどうしても怖くて。あと一言がなかなか言い出せなくて、私はそのまま何も言えずに俯いてしまった。
 自分で作ったはずの重く高い壁で人の目を遮ることに慣れすぎていた。その後ろに隠れていれば何も手に入らないから何も失わずに済むと、自分の中の弱い部分が囁いた。
 カシャン、と軽い金属音を立てて視界に茶色い革靴が映った。
 私たちの前でだけ、わざとらしく主張するように鈴のような軽い音を立てる先生の脚。細くて、金属製の割に軽くて、儚いようでいて強い、とても『先生らしい』脚。
 私は、そんなかっこいい先生の隣に立てるようになりたかった。
「……先生」
 そろそろ……と目線を上げた。でもやっぱり先生の目は見れなかった。
「うん、なんだい?」
「……私の前髪、切って」
「構わないよ」
 即答だった。
 先生は俗に言う職員室の椅子に私を座らせて、なぜかそこにおいてあった美容室でよく見るビニールのカバーのようなものを私につけた。
「どれくらい切る?」
 そう言いながら私のメガネをそっと外して、机の上に置いた。
「……わかんない」
「どうなりたい?」
 まるでどうして前髪を切りたいのかわかっているかのように問いを重ねた。
「……変わりたい」
「どんな風に?」
「……自信に溢れてる、人」
「それはどうして?」
「……わかんない」
「そっか」
 先生は笑ってハサミを持った。こんなに用意がいいのに、すきバサミは買い忘れたらしかった。

あの日

 『あの日』。私は家にいた。もう少ししたら支部に遊びに行こうかな、だなんて考えていた。
携帯電話が鳴り響く。ジリジリと、人の不安を煽るような警戒音。咄嗟に開くとそこにはメールが届いた旨の通知。
 でもこんな音は設定していない。こういうことができるのは……頭をよぎるのは支部長の後ろ姿。涼しげな音を立てる軽金属製。
 受信メールを選択……見たくない。だけど見るしかない。
 差出人、先生。件名、なし。本文……
『各位。支部2階大会議室に集合』
 それだけだった。
 私は携帯だけを握りしめて家を飛び出した。


 息を切らしてたどり着いた、いつも通りの支部の一階。
 スッと開く自動ドアの向こうに一歩を踏み出して……パキリ、とありえない音と感触がした。
 思わず足元を見る。だけどそこには『何もない』。
 正面、右、左。順に確認する『何もない』、『いつも通り』の一般的の塾のような1階ロビー。
 ホワイトボードに今日の時間割が書かれていて、教室と、担当教師が書かれている。
 相変わらず出ずっぱりの先生と、評判が悪すぎてかなり減った加藤さんの担当クラスと、支部の人じゃない普通のバイトの先生たちのクラス。そこまではっきり見える。見えるけど。
 これは『幻覚』だ。
 そういう意識で周囲を眺める。爪先で床をなぞる。
 伝わってくる感触。微かな音。それから推測されるものが必ず『そこにある』。
 じわ、と視界が歪んで幻覚が溶けていく。
「……なに、これ」
 幻の裏側に隠されていたのは、無惨に破壊された日常私の居場所だった。
 割れた窓から外に半分突き出したホワイトボード。真っ二つの机。床に残る深い爪痕。
 その傷の幅には見覚えがある。三浦だ。三浦が戦闘時に生み出す巨大な腕のつける傷。深さ、傷の幅、傷同士の距離。間違いない。三浦だ。だけどどうしてこんなところに。
 熱線に溶かされたように消えた机の足は、きっと圓丈だ。
 少しだけ焦げた床は、石破。
 天井に残った浅い、綺麗な傷はユーリ。
 残された傷のつき方、上下関係。見たくもない現実なのに、勝手に頭の中で何が起きたのかがシミュレーションされていく。
 新しい傷を追う。奥へ奥へ、誘い込まれるように。
 何かを引きずった後を追う。隠すように、さらに奥へ。
 ……下げたままの視界に、誰かの投げ出された両足が映った。ボロボロになった、茶色のローファー。
 視線を上げたくない。自分の考えが当たっていることを確かめたくない。できれば間違っていて欲しい。
 だけど、この頭が間違うことなどないのだ。
 顔を上げる。目の前には右腕と、頭のない死体。だけどどこか不自然な、アンバランスな、『つぎはぎ』のようなその体は……
「……三浦」
 ああ、壁なんて壊さなければよかった。


 2階に上がる。
 大会議室に入るとまだまばらにしか人はいなくて、端で圓丈とユーリと石破が俯いていた。
 不規則な軌道を描いて圓丈の周りを歪な球形の魔眼が飛んでいる。ユーリは俯いたまま動かない。石破は自分の手をぼんやり見つめてる。
 どう見たって何かあったようなその姿を、他のチルドレンが遠巻きに見ていた。
 声をかけようか、一瞬迷った。
 だけど、何と声をかけていいかわからなかった。あの場で何がどうなったのかがわかっていたから。
 そこから少し離れたところで、先生が静かに右足を交換している。その光景に少しの違和感を持つ。
 あの場所に先生の痕跡はほとんどなかった。少なくとも、脚を交換する必要が出るほど先生が『追い詰められた』跡はなかった。
 コト、と傍らに置かれた右足に目線が吸い込まれる。
 パッと見えるところに傷はなし。ただよくよく見れば膝のあたりのパーツが歪んでいたり、割れていたりする。膝関節が動かないようにロックをかけた状態で、強引に脚を動かそうとすれば、きっとそんなふうに壊れるだろう。
 それが何を意味するのか。

 ……考えてはいけない。
 気がついてはいけない。
 ただ何かに絡まっているような、息苦しさだけがある。


「知らない人の日常のために君たちが傷つく必要なんてないだろう」
 そんな、先生の声が響く。
「知りもしない人のために、取り返しのつかないことになる必要なんて」
 先生が教壇から降りる。カツン、と硬い音が妙に響く。まるで何か『舞台』でも見ているような。
「私はね、君たちのとこが大切だ。どこかの知らない誰かの日常よりよっぽど、大切になってしまったんだ」
 先生が、コツリ、コツリと足音を立てて机の間を歩く。
「UGNに所属する限り、"盾"の役割から離れられないのなら」
 やや俯き加減だった顔を上げる。
 くるり、振り向く。真剣な顔。
 それすら計算の内のように見えて。
「いっそ、みんなでFHにでも行ってしまおうか」
 手が差し出される。赤い目が、ただこちらをまっすぐ見ている。
 ゾクリ、と背筋が凍る。
 おかしい。絶対に何かがおかしい。
 先生はこんなことを言わない。
 先生はこんなことを言わない?考えるな。
 いいや、そもそも先生が『三浦をユーリに殺させる』訳がない。
 先生は『あそこにいた』。それなのに、先生が『間に合わなかった』わけがない。
 そもそも『先生の痕跡がほとんどなかった』こと自体がおかしい。
 先生はまともに三浦の相手をしていない。それはどうして?
 おかしい。気がついてはいけない。
 何かに浮かされたようなみんなの顔も。
 今、一瞬ふわっと舞い上がってそのまま先生の手を取りそうになった私の頭も、体も。
 なにか、おかしい。

 そこでやっと気がついた。気がついてしまった。気がつきたくなかった。
 昔、葉山が言っていたこと。
「あれは『いい先生』なんかじゃねえ。本質はどっか別にある」
 ああ、そうだ。そうだった。
 それならきっと、この不気味な気配が本質だ。
 だけどもう動けない。周到に、何重にも重ねられた罠に絡まって逃げ出せない。
 ひゅ、と息を吸うのと同時に大教室の扉が吹き飛んだ。

変わらなきゃ

 先生は死んだ。"星砂"が殺した。
 先生がFHを選ぼうとしたから。いや、きっとそんな『気の迷い』みたいな話じゃないだろう。もっと、深く、根本的な問題で、先生は『私たちの敵』になった。
 私は何もできなかった。
 ただ、先生の作る舞台を見上げていた。遠くで物事が転がっていくのを見ていた。
 私が、弱かったから。誰も何も知らせてくれないし、何もさせてくれなかった。

 鏡を見る。
 壁はすっかりとっぱらってしまった。眉の上で真っ直ぐ切られた前髪。
 だけど、私は弱いまま。私は私のまま。
 中途半端に壁だけ崩して、誰かが作った箱庭で浮かれて過ごしていた……大馬鹿者だ。

 剥き出しの心で崖から落ちて、傷ついた。
 辛い。苦しい。あんなにみんな、幸せで、楽しかったのに。あの時間だけは、ずっと続くと思っていたのに。
 昔のように、いつか消えてしまう日常ならって心を閉ざしてしまいたい。
 自分を守る壁を、また建て直して引きこもってしまいたい。
 だけど。
 何もなかったはずの手の中に、確かな重みを感じる。
 変わりたい。変わらなきゃいけない。
 このままじゃ、失って、失い続けて、壁を建てても傷つき続けるだけ。
 これまでも、これからも。ずっと。ずっと。
 変わらなきゃ。何もしない、何もできない私のままじゃ、本当に何も変わらない。変えられない。何もかも失うだけの私が続くだけ。
「だから、弱虫は今日でおしまい」
 手の中のそれを、鏡の中の自分に真っ直ぐ向けて引き金を引いた。

これから

 高く高く、足音を鳴らして歩く。
「頼もー!」
 扉を勢いよく開け、中に足を踏み入れる。
「俺の名前は内津峠朝陽!」
 足は肩幅に開いて、腰に手を当てる。
 大丈夫。俺、今強そうだよ。
「俺が目指すのはただ一つ!」
 人差し指を掲げ、宣言する。
「最強だ!」
 形だけ、憧れた人たちを真似するのはもう終わり。
 舞台の下で、ただ大切が壊れていくのを見るのももう終わり。
 強くなって、その舞台にカチコミかけてやる。
 やりたいことを、やりたいだけやってやる。
 大切なものを守ったり、主張をぶつけ合ったり、襲いかかってくる非日常を砕いたり。
 もう俺を置いて好きになんてやらせねえ。

 俺がみんなを守る、主人公ヒーローになってやるんだ。

能力

銃しか作れない不器用モルフェウス。
それはそうとして銃を二つ同時に撃てば火力って倍だよな?

中身用メモ

RP方針→目指せ最強!未来の最強は俺だ〜!
一人称→俺
二人称→お前、かあんた
 なんとなく親しい人はあんた率が高い気がする。
カラーコード:#cf0141(ペッパーレッド)
基本1、2、上級、IC、EA、LM、IA、BC
作成日 2023年5月28日(45)

セッション履歴

No. 日付 タイトル 経験点 GM 参加者
フルスクラッチ作成 34

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