瀧音 しずか(女優)の娘。
瀧音 しずかが一般男性との結婚騒動により引退。世を賑わせたが出産後、再び芸能界へ舞い戻る。
演技力もさながら、一子の美魔女として注目され続け、数多くのドラマや映画に出演している。
母の希望もあり、娘(瀧音 かなで)も子役として芸能界へ。

瀧音 かなでは、オーヴァードとしての能力なのか、空間認識、機微の把握などに長けていたのか、
幼いながら計算されたような緻密な演技により、天才子役として才能を開花させた。
母娘を囲う、カメラのフラッシュは星の煌めきのようでもあった。

ただ数回の子役であったが、自身の役割を知っているかのように才能があり子役で終わらず芸能界で生きると思われていた。
―――――瀧音 しずかと、有名野球選手の不倫が発覚するまでは。


母の女としての欲望を幼少期に目の当たりにし、
更にはマスメディアの報道により、芸能界での席は母子共々無くなり事実上の子役引退。両親はスキャンダルにより離婚。
ろくでもない女が親権を主張するも、発端となる不倫問題、撮影スケジュールによる不十分な時間により監護者として審判。

現在は実父との生活。海に行った思い出が無く父が少しでも、と配慮した結果、
”北海道の港でのびのび暮らす”移住を趣旨とした番組を見かけ、移住が決まる。
今までの生活すら、家族としての時間が愛に溢れていたか、演じられた偽りの愛か。
母のことは「あの女ならどうとでも演技できるから…話題性のために私を道具にしたんでしょうね」と、冷たく一瞥するようになる。


派手なファッション・容姿は、母を想起してしまい苦手に。地味な格好で過ごし、多くを語らず悟らせないよう生きる。
軒間市移住後は目立つようなことはせず、野暮ったい姿でいるために近くのデパートで適当なメガネを選んでいた。
その後、同級生である坂口 響から推され(半ば無理やり)、似たようなデザインで大手メーカーの度なしレンズを購入。普段から身に着けている。
これをきっかけに親友(メガネのことになると変人と化す)として何でも言える仲として、家族同然のように接する。

同級生かつ「坂口 響」の幼馴染である「三浦 空」からも、
ひねくれた態度ながら純粋な友愛があることを体験し、今までの境遇で軒間市へ移住したことを告げる。

大切な関係の裏、真実を告げられない罪悪感を抱え、
UGNの任務(隠された姿)。友人としての日常(本心からの楽しさ)。伝わるか不安な私の心(あの女のように演技をしてしまう)。
どれも自分であり、自分ではないような乖離を覚えてしまい、
含みのある言い方、一線を引いた距離感、2人に好意がありつつも全てを開示し委ねることができないことに葛藤する。

「そうね…、何かを伝えるのは、大変なのよ...。(何も言えないままでも、あなたたちなら気付いてほしい)」

過去の騒動により、演技・芝居から疎遠となり戻ることは無く、戻りたいとも考えない。
だが、この2人の監視のため、計算して友人を演じている皮肉が、ひどく憎らしく。ひどく悔しい。

瀧音 しずか(母) 幸福感/〇隔意 ：女優。気が強く勝気な性格。母としての愛は儚く幻想のようで遠い昔に感じられる。

小野田 一之慎(UGN支部上司) 憧憬/○恐怖 ：上司として尊敬・第一人者としての面を知っているが、いつも研究に明け暮れ底の知れない研究欲には恐れさえ抱く。

R.A.M.(UGN支部同僚) ○庇護/恐怖 ：UGNの軒間支部で継母のような形で出会う。娘同然に育ててくれたが曖昧なまま今でも少し距離を持ちつつ接する。

小向 みなも(友人) 〇誠意/憐憫 ：軒間市で良く遊ぶグループのクラスメイト。家族ぐるみで付き合いがあり飼い犬のシリウスとも良く遊ぶ。