容姿・経歴・その他メモ

鳥旗高校に通う1年生。他人に興味がない女。反応が淡泊で、遠回しに言わずドストレートに返す。以下はその例。
「ふーん」「わかった」「ああそう」「どうでもよくない？」「もう行っていい？」「まだ続く？」「それって意味ある？」「黙ってくれない？」
そんな態度を取っているので、いつからか人が寄り付かなくなった。
ただし、英語教師である梅田湊一に対してだけは人が変わったかのように表情がイキイキとする。ちょっと依存気味。
あとはたまに空を見上げている。夜になるとフラッとどこかに出かけるらしい。
テストで赤点ばかり取るのか、補習で居残りさせられている姿が目立つ。

物心ついた時には独りだった。
両親に捨てられたのか、それとも最初から居なかったのか、とにかく、一人で生きていこうとした。
橋の下で雨風をしのぎ、似たような境遇の子供と協力し盗みを働き生き抜いてきた。

だが、正体不明の集団に拉致され、様々な治験の実験体となった。
その過程で限界を迎え、たまたま複数使用された薬剤が劇的な反応を示しオーヴァードに覚醒。エンジェルハィロゥの力に目覚めたのが彼女の不運だった。
ウサギの耳と七色の直感で否応にも叩きつけられる人間の凝縮された悪意の坩堝。
数日もすれば人を信じられず、数か月経てば現実逃避をするようになった。
慰めになったのは隔離室の窓から差す月の光と少しだけ見える星々。人々を分け隔てなく照らす柔らかい光は、自らを優しく包み込んでくれる温かみがあった。

そんな日々を過ごす中、UGNから救助に来た玉野椿に保護され、初めて彼女の優しさと厳しさに触れ、人という存在に希望を見出した。少しは、信じられるかもしれないと、思った。
性格の矯正は難しかったが、幾分かマシにはなった。なった結果がこれなのは、当時はもっと酷かったという事である。

玉野椿の指導により紆余曲折を経て勉学に励み、鳥旗高校に入学したが、結局社会のミニ縮図のような場所で失望した。声を掛けてくるのは派閥に所属させようとさせたり、裏で嫉妬や優越感に浸る為の陰口を叩く奴ばかりで辟易している。
そんな中でも、話しかけやすそうな人がクラスにおり、友人になりたいが、どう接すれば仲良くなれるか知らず、声を掛けるのが怖くてずっと様子見をしている。

英語教師の梅田湊一は彼女にとって安心感を感じさせてくれる初めての人間だった。いつでも一緒に居たいと思っており、好き、まではまだいかないが、好意を持っており、いつかは恋に発展する可能性はある。
初めての感情で、まだ区別と判別がついていないからだ。






第一話を経て、
梅田奏一の正体はFHエージェント激情の渦中"パッラス"であった。彼は暴走抑制剤「ネクタール」と反応し暴走させるソラリスのレネゲイドウィルスを文化祭の紅茶に混入させ、生徒を催眠しようとする試験運用を行っていた。初恋が見事に打ち砕かれ、打ちひしがれる彼女であったが、たまたま彼の部屋を整理していたとき、謎のトランクケースを発見する。
「僕が君に渡したかったものは？」のパスワードを開くと、黒いノートと、ペンダントが入っていた。
ノートの中身は、彼の思いと、任務で揺れ動く感情について書かれていた。一般人には被害を及ぼさないようにしたこと、ネクタールの怪しい副作用についても。
弄ばれたわけではなかったと気付いた彼女は、彼の意志を継ぎ、教師の連続辞職の謎、鳥旗高校と公洋製薬間の癒着、ネクタールの謎。これらを秘密裏に調査することにした。

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