親愛なるNo.9へ

いや、今はイオだったかな？僕はイオアニス…いやNo10だよ。
君の次に君になるはずだったもの。君は今幸せだろうか？
君は人に愛されたイオアニスだ。

僕よりも愛に包まれた君が生きるべきだと思ったから僕はここにいる
何故そう思ったのかはわからない。これが人の言う心なんだろう

AIである僕たちが効率以外を重んじると思うだろう？そう、そうに決まってる
けどね。僕は君があるべきだと思った。

君は言葉遊びが好きかい？AIは日本語でアイと呼ぶらしい。効率的にしか考えられない
僕たちがこんな名前を冠しているのが面白いね。ねえイオ、君は僕たち他の実験体のことは
忘れてくれて構わないし、罪悪感を感じる必要もない。僕たちはクローンの体をみんなで使ってる。
それに関しては…そのうち君が知りたければ調べるといい。

おっと、そろそろ時間切れだ。じゃあNo10（イオ）からNo9（アイ）へ
いつかまた会おう。この手紙もこのパソコンの奥深く、研究員のわからないところにとっておくよ

じゃあ、僕たちのかわいいイオ。どうか幸せに

No10、イオアニスより

※この後からNo10のデータおよびイオアニス計画のデータが削除された。本部がそれを知るのはもう少し後の事