元々はFH『万朶(ばんだ)セル』に所属していたFHチルドレン。
6歳の時に実の父親を亡くし、オーヴァードに覚醒したばかりで戸惑っていた時にFHセルリーダーである｜笹部 関山《ささべ かんざん》の誘いによってFHチルドレンとなり、｜関山《かんざん》の手で育てられた。FHに居た頃は自分を拾って育ててくれていた｜関山《かんざん》を師匠として、そして父親として慕っていた。
死人が出るほどの過酷な訓練を経て力を付けた吉野を待っていたのは破壊工作、暗殺や襲撃などの汚れ仕事とも呼べる任務をこなす日々だった。最初こそ任務内容に忌避感があったものの、任務をこなすにつれて忌避感は薄れていった。さらに皮肉なことに吉野には戦闘や襲撃、荒事全般に発揮される才能があった。
転機が訪れたのは16歳の時。任務に必要な情報を集める為に万朶セルの拠点内でデータベースを閲覧していた時にとある情報資料が目に留まる。そこに書かれていたのは10年前……父親を亡くし、自身がオーヴァードへと覚醒するきっかけとなったショッピングモールでのジャーム襲撃事件を起こしたのが『万朶セル』のオーヴァード達であり、襲撃事件を主導していたのがセルリーダーである｜関山《かんざん》であったという内容だった。事件の真相を知った事で精神的な負荷から暴走状態に陥った吉野は衝動に駆られるまま、その拠点に居た万朶セルの構成員を一人残らず殺害し、拠点そのものを壊滅させた。もっとも、万朶セルは複数の拠点を有しており吉野が壊滅させたのは数ある拠点の中の1つに過ぎない。
拠点を壊滅させた後、当ても無く町を彷徨っていた所をUGNのオーヴァードに発見され交戦の末に拘束された。その後、紆余曲折あってUGNへと鞍替えした。

FHチルドレンだった時の名は｜笹部 吉野《ささべ よしの》。

母親は吉野を出産した時に死亡しており、6歳まで父子家庭で育った。
6歳の時に父親と一緒にショッピングモールに来ていた際にジャームの襲撃事件に巻き込まれて父親を亡くし、自身はレネゲイドに感染してオーヴァードとなった。
唯一の家族を亡くして途方に暮れていた幼い吉野の前にFHセルリーダーである｜笹部 関山《ささべ かんざん》が現れ、手を差し伸べるる。覚醒したばかりの吉野は訳も分からず、差し出された彼の手を取ったのだった……。

名は｜笹部 関山《ささべ かんざん》。FH『万朶(ばんだ)セル』のセルリーダーであり、コードネームは『須臾(しゅゆ)の鬼燈(おにび)』。とあるレネゲイドビーイングを消滅させるという欲望を持ち、その為に万朶セルを設立して戦力になるチルドレンを育てたり有能なオーヴァードをエージェントとして引き入れたりしている。

“須臾の鬼燈”｜笹部 関山《ささべ かんざん》によって設立されたFHセル。勧誘を受けて加入したエージェントや｜関山《かんざん》に拾われて育てられたチルドレンが在籍している。
万朶セルで育ったFHチルドレン達には“万朶”という言葉と植物の名を冠したコードネームが与えられる。例えば『万朶の｜雪柳《ゆきなやぎ》』や『万朶の｜飛梅《とびうめ》』、『万朶の｜緋桜《ひざくら》』というように。