キャラクター概要

　N 市公立高校に通う高校生。美術部に所属しており、日がな風景画を描いている。幾度もコンテストに地震の作品を出展しており、受賞経験も数回ある。その一方で、運動や勉学においても高い成績を誇り、その上顔も整っていることもあり、学年中で注目の的となっている。なお本人はそのような環境に多少居づらさを感じているが。
　UGN イリーガルとしての千彰は、N市支部に所属し、主にレネゲイド関連の犯罪事件の調査・解決を担当している。それなりの戦闘力を持ちながら調査にも長けており、支部の中でも高い貢献度を誇る。千彰の得意とする捜査方法は、道具や場所に触れることでそこに宿された記憶を読み取る、といったもの。過去を見透かす能力を持つ千彰は"刻の眼(EYE OF HOURGLASS)"の異名で呼ばれている。

性格・考え方

　特段明るくふるまうということはなく、控えめで落ち着いた性格。思いやりこそあるが、常に人が望む自分を演じてしまう癖があり、人付き合いに疲弊している。人間関係は基本的に「狭く深く」。あまり多く友達を作らないが、一度できた縁は大切にしていたい。なおそこまで親密な関係に発展した人物は、いまのところ若歌以外にいない。少し依存体質な一面があり、昔から若歌にはちょっとした偏愛があった。それだけに若歌を失った時の喪失感は計り知れないものだっただろう。

過去

　千彰は教育熱心な両親を持ったこともあり、幼少期からいくつもの塾や習い事を掛け持ちしていた。優秀な人間に育ってほしいという両親の思いを一身に背負っていた千彰は、両親の期待に応えようと必死だった。そんな環境の中で、千彰は両親の期待通りに優秀な人間に育った。勉学では小学校のころから常に学年トップをマークし続け、運動においてもほかの生徒よりも抜きんでていた。容姿も整っていたこともあり、学年では常に注目の的だった。毎年 2 月の半ばになれば、机の中には手紙の添えられたチョコレートが入っていることがしばしばあった。
　しかし、千彰にとってそのような恵まれた環境はむしろ退屈だった。その環境は、千彰が両親の言うがままに惰性で行動し続けた結果生み出されたものに過ぎない。両親の言うことを聞けば幸せな未来が約束される。それを信じ続けてやりたいとも思わない勉強や習い事を何の疑問も抱くことなくこなし続けた。その結果両親や友達からは何度も称賛された。誰もが羨む理想の人間になることができた。でも、それだけ。特別明るい性格だったわけでもなく、表立って言える趣味もない。そんな無個性な自分に自分を問うことが多々あった。
　そんな灰色の人生に彩りを持たせてくれたのが、桜井若歌だった。千彰は昔から密かにイラストに興じていた。ところが、いくら渾身の力作を生み出したとしても、両親や友達は「優秀で端麗な人間」としての千彰しか見ておらず、千彰の作品が褒められることはなかった。その中で唯一千彰の絵を真剣に見てくれていたのが若歌だった。若歌は自身に「絵を描く人」という個性を与えてくれたのだ。そんな些細なきっかけではあったが、以来若歌との関係は次第に深まっていった。中学生時代のある日、若歌に好意を寄せていた千彰は、意を決してその心中を告白。返事はまだ受け取っていない。近々答えを受け取れるだろう、そう思っていた矢先のことだった。
　ある平日の帰り道、千彰と若歌は交通事故に巻き込まれてしまった。車が信号を無視して横断歩道に突っ込んだのか、将又信号を無視していたのは自分たちの方だったのか、状況は定かではない。一つ確かなのは、自分だけが生き長らえてしまったことだ。医者の口から告げられた時は若歌の死を信じられずにいたが、参列した若歌の葬式でその事実を強く突き付けられた。交通事故ということで身体の大部分が布で覆い隠されていたが、その隙間から僅かに見えた顔が、今までよりも美しかったように感じたことを、今でも覚えている。それを思い返すたび、自身の心の支えになってくれていた人はもういないという事実と、恋人の一人も護ることができなかった自身の非力さを、痛いほど嚙み締めた。
　ある日千彰が鞄の中を覗くと、1 冊のアルバムが入っていた。アルバムには笑顔に溢れた若歌の姿が多く集められていた。勿論そのような写真を撮った覚えはない。それだけでなく、若歌と訪れたことのある場所を再び訪れると、その時の風景が幻覚として目に映る。この不可解な現象は何なのだろう？ある日突然出会った都築京香という人物が、その答の全てを知っていた。
　どうやら千彰はモルフェウスに覚醒したらしく、京香によれば、あらゆる道具を作り出すだけでなく、様々な者や場所に宿る記憶を読み取ることができるようだ。千彰は京香から、近く大きな動乱が発生すること、それに対処するための"プラン"に千彰の能力が必要であることを伝えられた。すべてを受け入れることしかできなかった千彰は、とりあえず京香に協力することにした。
　京香の勧めで、千彰は UGN イリーガルとして活動することになった。ただし、UGN の行動理念にはさほど興味はなかった。京香が言及した能力に惹かれるものはあったし、これまでの自分から一皮剥けると言うのなら、このまま能力を解放してしまいたいとすら思う。どんなに力を振るおうと、大切な人はもう戻ってこない。この虚しさを誰にどうやってぶつければいいんだろうか......？千彰は今も、当てもない虚無感を心に抱き続けている。

立ち回り

　《巨匠の記憶》をフル活用した器用万能型。戦闘では〈運転〉を軸に単体高打点を叩き出し、戦闘外では〈知識〉や〈情報〉を主軸に据えて情報戦に長ける。『巨匠の秘本』の効果により、難易度の高い調達判定にも対応。身体も頭脳も口先も器用に回る、千彰らしいスキルセット。戦闘演出ではバイクを乗り回して攻撃する。バイクに乗って騎馬戦を仕掛けると言うよりは、バイクそのものを武器として敵を蹂躙する立ち回りが得意。エフェクトという名のカスタムパーツを組み込むことで、バイクの性能が格段に上がる。

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