念動力を繰る異能。
　生体に干渉するのは不得手であり、用意した凶器を飛ばして戦うのを得意とする。
　
　その精度については一廉のセンスがあるものの無自覚。

　首都圏、ただし小田舎。特筆するべき部分もない平凡な家庭に生まれ、平凡に育つ。
　中学3年の折、高校受験の合格祈願に家族3人で神社に向かっている最中、交通事故に巻き込まれる。
　普通であれば誰一人助からない大事故であったが、両親は怪我を負いながらも生存。当人に至っては無傷。
　それは奇跡などではなく、飾が発現した異能によるものであった。

　両親がいる病院に通うのも慣れた頃。
　UGNを名乗る男に接触を受け、超人としての基礎を教えてくれるという男　クー・マンチューを紹介された。
　最初は困惑したが、彼に与えられた武器を基点に意気投合。師匠と呼び慕うようになる。

　同時期。先の男から興味があればとイリーガルの案内を受け、活動を開始。
　危ない目に遭うことはあったが、師の教えもあり切り抜けることは出来、今まで通り働けなくなった両親の面倒を見るためという事情もあってか続けられている。

　イリーガルとして動く内、否が応でも気がつく。
　自分には主体性というものが欠けている。
　最初から助けようというつもりがあれば、両親は怪我を負う必要など無かったのではないか。
　キミが必要だと言われれば、力を貸すのもやぶさかではなかっただけだ。
　協力者として立ち回る中でも、覚悟を持てば回避できた悲劇があったかもしれない。
　俺は善人でも悪人でもない、流されて人助けをしているだけのヤツだ、と。
　
　そんな自分への失望に蓋をして、本気を出せば何かを為せたはずという慢心を抱えながら。
　今日も時間が解決してくれる事を祈っている。