容姿・経歴・その他メモ

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月泉 千束について

　欧州において、ナオナチが発足した国家レネゲイド組織にて製造されていた人造オーヴァードのプロトタイプであり、UGNでもFHでもない出身の素体オーヴァード。UGNと協力関係にあるフィン・ブースロイド率いる部隊が過去の因縁の清算として、接触。その時助け出された個体。

　自意識が薄く、何処か世俗を離れた雰囲気を纏う彼女は人の感情を読み取る事は苦手だが、歌にして乗せる事が得意であり、その一部が見知らぬ配信者の配信に止まった事で人気が上昇。意図せず歌手よりのアイドルとなった彼女は、テレビやメディア活動は程々にSNSにて歌を発信するアイドル(偶像)となったのだ。

　本人にとって、それが良い事なのか悪い事なのかは関係がない。ただ、言葉よりも歌が雄弁として、彼女の気持ちを伝え続けるものとして、電子の海に歌を届ける一人の歌姫として、UGNエージェントとしての活動と共に続けている。

　最近は視聴者に勧められ、ドーナッツがマイブームらしい。

月泉 千束の過去

　元は高度情報化社会における技術的特異点を、オーヴァードとして再現し、その力を振わせる事を目指した情報化社会のアンチテーゼとして生まれた個体。影は物理的媒体に限らず、本人の意識によって電子の光情報の影として侵入が可能であり、"人の営みの歴史の影にあるもの"として製造された。

　本来はネット社会の監視装置であり、任意で情報災害(デジタル・ハザード)を起こせるはずであったが、彼女は目覚めなかった。その目覚めの切欠がフィン・ブーストロイドであり、彼の発明品による"遺産変換器(レガシー・リアクター)"が命を吹き込む事に成功した。

　かつての闘争によって、保管していた遺産の一部をレネゲイドの呼び水として、彼女の脳神経と遺産をリンクさせる事で爆発的な電気信号と共に生体反応を甦らせる事を目的としたのだ。

　何故、そんな事をしたのか。語られる事はない。けれど、目覚めた彼女へとフィンは声を掛けた。

　『おはよう、お嬢さん。どんな景色が見えるかね？』

　その問いかけに、どう返答したかは定かではないが、小さく笑っている様に見えた事はUGN本部のデータベースにも記されている。

都築 京香(プランナー)の発言

　都築 京香は彼女の存在に着目している。それは彼女の能力や出自以上に、"レネゲイドビーイングと人間のハーフのようなもの"と言う性質故だ。

　常にレネゲイドの進化と先を求め続ける彼女は、生まれた特異な個体の行く末に興味が尽きる事はない。

　レネゲイドビーイングとは人の記憶に惹かれ、人を欲するが故に生まれた存在だ。決して超越者でもなく、神などでもない。新しい生命の個体であるだけだ。

　だからこそ、彼女の縁が、一刻一刻を刻む時が、新しい萌芽になると観察を続けているのだ。

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