内容としては、最近近くで“ディアボロス”ともう一人のエージェント(CN忘れた)が活動していて
覚醒したばかりのオーヴァードを連れているらしく、そのオーヴァードを奪取することが任務だった

今考えれば、慧は相当期待されていたのだろう。量産品(にくかべ)には戦闘能力は全くない
非オーヴァードならいくらでも相手にできるが、エージェント相手ならまず敵わない。
数的不利を負って勝てるほど緩い相手ではないはずだったのに、あの時は何も考えていなかった

危機を感じたのはディアボロス等が何の手傷も負ってないのに、こちらが消耗していた時だった
最初は不意打ちで覚醒したばかりのオーヴァードを気絶させて奪う手筈だった。
だけど俺が追いつかれて、なぜか彗はセルに帰らずに戦うことを選んだ(上司の期待に応えたかったのかもしれない)
交戦することになったが、とても強かった。個々の能力もそうだが連携が上手い。
今日が初めましての二人で、連携もろくに取れない俺たちは、あっという間に地に伏していた。

ディアボロスが異形化した爪を振りかぶり、慧に振り下ろす。
“だめだ、それだけはだめだ！”そう思った途端に体が急に軽くなって、そしてディアボロスの動きが遅く見えた
“絶対に守る”それは初めての専行だった。タックルをディアボロスに喰らわす。アイツのアホ面はどんな人間の変顔より面白いだろう
視界が明瞭で意識がはっきりとする。どうやら慧も同じ感覚があるようだった。
そこからは形勢逆転して、こっちが地に這いつくばらせてやった。二人とも逃げたけど
任務は達成できたし、気分も晴れやかで万万歳って感じで二人で盛り上がった。

あの変な現象について、研究員達が言うことは難しくてよくわからなかったけど、
簡単に言えばものすっごくレネゲイドの相性がいいからどうのこうのみたいな
つまり二人って最強みたいな感じで上がりまくった(特別ってのは、えてして心踊らせるもんだ)

この世に生を受けて2年が経過した頃
所属していたセルで実験体達の大規模な脱走が起きた。
ジャームの脱走だ。セルが混乱の最中、冷静を取り戻し、彗と合流するため武器庫へと向かう
しかし、たどり着いた頃には、もうそこに武器の一つもありはしなかった。
刻銘と量産品ではスペックに大きな差があることを失念していたのだ。
抜かった俺は彗との合流を果たせず、彗を見つけるため、街へ駆けていく

街は普段よりも確実に活気だっていた。だが明らかにいいものではない。
人々の喧騒、動揺、そこで気がついた。レネゲイドの反応がそこかしこに存在することに、
急いで彗を探さねば、と焦燥感が募っていくのを感じた。反応を頼りに町を調べていく
路地裏を抜け、UGNのオーヴァード共から身を隠しながら、探していく

“そして、そこに彗が居た”

ありていに言うと、俺がそこに辿り着いた時、すでに慧は死んでいた

レネゲイドが修復できないほど肉体を、脳を、抵抗できなくなっても、レネゲイドを殺すために
何度も、何度も、叩きつけ、四肢をもぎ、そして、頭を潰した。惨い

見つけた瞬間は安堵、そして瞬く間に不安と恐怖が押し寄せ、息が止まる
「彗...？」返事はなく、それはただ茫然と有って、「け...い...？」何度呼びかけても返事はない
当たり前だった。もう生命活動を行なっていない。もう既に終わった命
「なんで...」俺を待たなかったのか？一人で戦う判断をしたのか？
責める気なんてなかったが、疑問は浮かんで、かき消すことが出来ない

非常事態だった。俺を待つことさえできないほど一刻を争う事態だったんだ
間違っていたのは全部俺なんだ！事態を甘く見ていた！
彗が居ればなんて！二人でなら何とかなるなんて！ずっと二人でいたせいで錯覚していたのだ
俺は弱い。彗が居ないと肉壁にすらならないほどに
「嘘だ...！こんなの...ないだろ...！......嫌だ...」
物言わぬ少女を前に、俺は言葉を失い、立ち尽くし、泣いた。
嘘だと思いたい。悪夢なのだと。目が覚めれば、きっといつものように
だが、現実だった。現実なんだ。守るどころか、その終わりさえ見ることが出来なかった！
きっと物語の主人公ってのは、ここから強くなるなんて宣って、その通り強くなるんだろうが
俺は違う。そんなこと言う資格すらない。

誰もいない空間で、ただ独りごちる「いや...だ...」

UGNのストライクハウンドのオーヴァードに発見されるまで全く動けなかった。

ストライクハウンド
UGNの戦闘部隊で、精鋭のオーヴァードで構成されており、UGN最強と呼ばれている
並大抵の事では動くことはない。そんな戦闘部隊に俺は接触を受けた
そして、FHセルの生き残りとして事件の聴取が行われた
茫然自失だったせいで、まともに受け答えが出来なかった。何を話したのか、何も話さなかったのか？それさえ分からない

UGN日本支部に俺の身柄は拘束された。
大した情報を持っていない上に、警戒するほどの力も持っていない俺の扱いに困っているようだった。
そんな折に、訪問者が現れた。
UGN戦闘部隊“ストライクハウンド”の日本支部所属部隊副長の“旅に無事あれ(クールランニング)”有城　雅也(ありしろ　まさや)である。
俺を発見した隊員は彼だったようで、気掛かりになって俺を訪ねたみたいだった。
その時も俺は茫然自失でまるで生気が無かったが、色々と言葉が口を衝いて出た。
やはり何を言ったのかは思い出せない。けれど、何か、自分の生きる理由が欲しいとは言った気がする
それで彼は、「強くなれば良い、望むなら協力してやれる」と言ってくれたような
その日から、約3ヶ月ほど彼との訓練が始まった。

約3ヶ月間の訓練を経て、俺は強くなったが、それでも、調子が良くて、彗といた時の状態の1/4ほどで
かなり弱体化していた。しかしそれでも十分に仕事はできるレベルであったのと
雅也さんの計らいで、UGNにイリーガルとして所属することができた。

コンビニのバイトを始めた。いらっしゃいませーとありがとうございましたーをマスターするために奮闘中

実はあんまりモテない(当たり前)
陰キャラや人見知り、などと思われているかもしれない
だが、別に人と距離を置いているわけではない
自分から話しかける相手がいないだけで、話しかけられればちゃんと受け答えはする

あまり成績は良くない。一番評価が高いのは国語である(五段階評価中の四)
勉強は全くしていないため、馬鹿なところがある
そして、実年齢は3歳なので教養がなく、常識が通じないこともよくある(天然で通している

実はレネゲイドに関する情報を秘密裏に収集している
UGNにバレると不味いかもしれないので