とてもとても遠いところから来た。彼女が『楽園』と呼ぶそこと、親しい人達を別れ、ひとりであちらこちらを気ままに彷徨っていた。
　しかして覚醒が生誕である。彼女は別にこの力の使い方を習っていたわけではなかったので、「なーんかよくわかんないなー」と大雑把に扱っていた。ちょっと大雑把すぎた。
　モルフェウスの力の方は諸々が足りずにほとんど扱えないまま、とりあえず派手に光ってぴかぴかする感じでエンハイの力を使い、人助け……人助けか？　まあ結果的に人助けになるようなことをしていた。

　そんな中、たまたまお礼に――或いは厄介払いに体よく――遺産である夜の小鳥を押し付k、譲り受けた。どうやら能力の性質と相性がいいとかなんとかだったらしく、小鳥から契約を持ちかけられる。
「つまり怪盗？　義賊かな？？　うんいーよ！」
　快諾した。即答である。
　そんなわけで一人と一羽、或いは白と黒の小鳥は怪盗活動を開始した。ノリノリで。

　はてさて一般人相手に行うそれはそれはもう鮮やかかつパフォーマンスに優れており、すぐにいろんな意味で有名になった。どちらかといえば悪名の方が高い気もした。
　これをほっとくと後々面倒になりそうだ、と判断した団体はいくつかいたが、いち早く接触してきたのがギルドの傘下にあるメンバーだった。
　彼女は二つ返事で「ギルドに加入？　いーよー！」と快諾した。そして今日へと至るのである。



　どこに身を置いていても、彼女の心はいつだって孤独である。だから慣れ合いはしても、自分のことを語ることはない。
　その気になれば陽炎のように消えて、どこかへ飛び立ってしまうだろう。
　或いはそれこそが彼女の本質であり根源である。派手に光るほうではなく、それによって霞み隠れる影こそが。

　なんでも見た目から入る性格の為、衣装にはかなり気合を入れている。
　天使の絵の具や陽炎の衣を利用して身を隠し、時には天使の外套で変装し、その行動値にものを言わせてとっとと離脱していく。本当はもっと静かにできるのだが、本人的には『義賊の怪盗』をやってるつもりの為、侵入時はかなり派手にパフォーマンスする。錯乱・陽動目的。
　怪盗名＝コードネーム。なおエフェクト発動時は天使のような羽根が舞い、また本人の背中にも発光する羽根をはやしているのだが、『天使』と呼ばれることは嫌う。ちなみにあくまで実体のない羽根なので空は飛べない。飛んでるかのごときパフォーマンスはよくする。

　盗むものや盗んだものにそこまで興味はないが、遺産やらレネゲイド関係のものが一般人の手元にあるのことはよく思っていない。とはいえ盗んだあとはリナルトに基本丸投げである。
　天才ともてはやされていることに対してはそこそこに偉ぶっており、「まあボクには才能があるからね」と堂々と宣うが、誇りがあるかと言われるとちょっと違う。彼女の感覚では、あくまでちょっとした慈善行為、程度の認識。
　それは怪盗を始めてから、困難な事態に今まで立ち会ったことがない為かもしれない。ようするに本気でないのである。
　なお夜の小鳥がなくても陽炎の衣は自力で習得できたようであり、事実隠密行動や暗殺にも近い攻撃の適正は非常に高い。本人的には争いは好んでする気はないらしく不服。

　と同時に、相方としてのリナルトに一定以上の不義理は働かないと決めており、リナルトが真面目に、真剣であるのならば、それに見合う働きをすることを（自分自身に）約束している。
　とはいえ彼に対して仕事以上の、或いは仕事以外の何かを求めることはない。彼女は誰かと必要以上に親しくなることを常に避けている。

　PC2のことは知識として知っている。リナルトあたりに教えられたのかもしれない。
　誰も超えたこともない、伝説の怪盗……とは聞いても、実際自分がなかなかの天才っぷりを発揮してしまっているので、「ふーんボクみたいなものかな？」という大層な余裕と自信である。とりあえず親近感であってライバル意識や尊敬の念は基本ない。
　そもそも既にそこにいない人に対しては、さほど興味がないのである。

　彼女の近くにいるもので最も心を寄せているのは実は夜の小鳥で、まるでペットのように可愛がっている。（木彫りなので）毛並みがないことだけが不満。
　それと可愛がってはいるが扱いが雑ではないとは言っておらず、なまじ人ではない為、かなりの頻度でモノとしてぞんざいに扱う。あんまりにあんまりな時はつつかれて制裁されるが、そうなると彼女も銃を取り出して正確無比に撃ち抜きにかかる。（周りが）危ない。仲はこれでよいつもり。
　夜の小鳥の名前がノッテ。自身をカンドーレとし、怪盗名（コードネーム）はふたりあわせたものである。

　チェス組。つまりそういうこと。
　とはいえパラレルでも、別世界線IFでも、スターシステムでも、過去未来でも、前世来世過去性でも、先祖や子孫でも、ましてや本人でもない。

　見た目のイメージはめちゃくちゃ某フリーナ。というよりフリーナを見て「怪盗っぽいな……こういうのやりたいな……」となったのがきっかけ。とはいえ白銀髪でボクっ娘で本心ひた隠しの不憫な子なんて私がやると＝玲音なのだった……。

自分用メモ：https://privatter.net/p/10757517

◆推奨ワークス/カヴァー：ギルド構成員（泥棒）/怪盗
▼シナリオロイス 冬薔薇女王の最期 推奨感情 P:有為/N:脅威
※PC①は 20歳未満の子供であることを想定している。
キミは犯罪組織ギルドの構成員だ。
サポーターのリナルトと共に遺産を狙う怪盗として活躍していた。
今宵キミが狙うのは、『冬薔薇女王の最期』────賢者の石があしらわれた宝飾品だ。
若くしてその盗みの才を燻ぶらせているキミは、大物の予感に胸躍らせるだろう。
しかし実際に盗み出してみれば大したことはない。
非オーヴァードの資産家の警備など高が知れていて、大きな障害なく盗み出せてしまった。
これで終わりか、そう思われたが。
首飾りを持つキミを、突如強い酩酊感が襲う。
倒れるように意識を失い、そして再び目覚めると、キミは賢者の石が作り出したという空間に囚われ
ていた。
助力してくれるという PC②たちと共に、キミはこの奇妙な空間からの脱出を目指し動き始める。

セレディカとPC2と共に帰還。今後はギルドで一緒に仕事をすることになった。
リナルトに対してめちゃくちゃ拗ねた結果、狂信者っぷりを見せられついでに嫉妬の塊も見せつけられたので、ちょっと引きつつもまあまあしょうがないなあ、で彼に対しては線引きを少し緩くした。
レオナ呼びはリナルトのみ許可。

センパイことキャスパーに対しては仕事仲間、文字通りの先輩的感情。尊敬や敬愛よりは仲間意識。
女王様のことは以後セレディちゃんと呼ぶ。猫かわいがりしたい。