“天空の捕食者”楽一 桜閣
プレイヤー:瀬戸
「全部きれいに食べちゃいますね」
- 年齢
- 17
- 性別
- 女
- 星座
- 乙女座
- 身長
- 175
- 体重
- 42
- 血液型
- O型
- ワークス
- UGNチルドレンA
- カヴァー
- 高校生
- ブリード
- クロスブリード
- シンドローム
- ブラム=ストーカー
- キュマイラ
- HP最大値
- +25=73
- 常備化ポイント
- 2
- 財産ポイント
- +2=4
- 行動値
- 8
- 戦闘移動
- 13
- 全力移動
- 26
経験点
- 消費
- +200
- 未使用
- 2
ライフパス
出自 | 父さんと母さん?普通の人だよ。 | |
---|---|---|
安定した家庭 | ||
経験 | 食べてみたくてつい殺しちゃった。 | |
殺傷 | ||
邂逅 | アンタがいるから、オレはオレでいられる! | |
親族 | ||
覚醒 | 侵蝕値 | あの日、彼女がオレに力を与えた。 |
感染 | 14 | |
衝動 | 侵蝕値 | 血がほしい。喰いたい。足りない。もっと! |
吸血 | 17 | |
その他の修正 | 9 | 巨人の生命、王者の血 |
侵蝕率基本値 | 40 |
能力値
肉体 | 13 | 感覚 | 3 | 精神 | 2 | 社会 | 1 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
シンドローム | 1+3 | シンドローム | 2+0 | シンドローム | 1+0 | シンドローム | 0+1 |
ワークス | 1 | ワークス | ワークス | ワークス | |||
成長 | 6 | 成長 | 0 | 成長 | 1 | 成長 | 0 |
その他修正 | 2 | その他修正 | 1 | その他修正 | 0 | その他修正 | |
白兵 | 6 | 射撃 | RC | 1 | 交渉 | ||
回避 | 1 | 知覚 | 意志 | 調達 | |||
情報:UGN | 1 |
ロイス
関係 | 名前 | 感情(Posi/Nega) | 属性 | 状態 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Dロイス | 実験体 | ― | RE | ||||
親戚 | 楽一倫太郎 | 尊敬 | / | 大好きな叔父さん! | |||
ヤバい人 | 岸部ルカ | 好奇心 | / | 食傷 | キモイ非常食さんです。食べません。まだ食べませんよ。 | ||
ごはん! | 渦雷 刀牙 | 好奇心 | / | 猜疑心 | おもしろご飯の人。びりびりさん。結構年上らしいですね。見えませんけど。 | ||
おもしろい | アリス・ウィスタリア | 親近感 | / | 無関心 | 食べ応えがなさそう!あんまり信頼なさそうで大変そうだなって思うんですけど、本人はあまり困って無さそう。 | ||
おもしろい | 相楽 正道 | 好奇心 | / | 憐憫 | こわ。あんまり美味しそうじゃない。でも突くといっぱい暴れてくれそうでおもしろいな。 | ||
美味しそう | 九雀 | 執着 | / | 侮蔑 | すごく美味しそう!(美味しそう度92) いい匂いがするから食べるのが楽しみだなあ。 |
エフェクト
種別 | 名称 | LV | タイミング | 技能 | 難易度 | 対象 | 射程 | 侵蝕値 | 制限 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
リザレクト | 1 | オートアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 効果参照 | ― | |
(Lv)D点HP回復、侵蝕値上昇 | |||||||||
ワーディング | 1 | オートアクション | ― | 自動成功 | シーン | 視界 | 0 | ― | |
非オーヴァードをエキストラ化 | |||||||||
コンセントレイト:ブラム=ストーカー | 3 | メジャーアクション | シンドローム | ― | 自身 | 至近 | 2 | ||
C値-[Lv] | |||||||||
赫き剣 | 5 | マイナーアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 3 | ||
[Lv*2]以下のHP消費。[消費したHP]+8の白兵武器製造(鋏) | |||||||||
渇きの主 | 5 | メジャーアクション | 〈白兵〉 | 対決 | 単体 | 至近 | 4 | ||
装甲無視。HP[Lv*4]点回復。 | |||||||||
破壊の血 | 5 | マイナーアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 2 | リミット | |
赫き剣の効果アップ。制作する武器の攻撃力+[Lv*3]、ガード値+5。HP-2消費。 | |||||||||
鷹の翼 | 1 | マイナーアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 3 | ||
シーン中飛行状態になる。ドッジD+[Lv]個。 | |||||||||
巨人の生命 | 5 | 常時 | ― | 自動成功 | 自身 | ― | ― | ― | |
最大HP+[Lv*5]点。基本侵蝕率+3。侵蝕率で変動なし。 | |||||||||
ハンティングスタイル | 2 | マイナーアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 1 | ||
戦闘移動を行う。移動中に他のエンゲージに接触しても移動を終える必要はなく、封鎖の影響も受けない。1シーンLV回。 | |||||||||
竜麟 | 3 | リアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 3 | ||
装甲値+[Lv*10] | |||||||||
王者の血 | 3 | 常時 | 自動成功 | 自身 | 至近 | ||||
「HPを回復する」エフェクトは、さらに追加で[Lv*3]点回復する。侵蝕率増加でレベルアップしない。基本侵蝕率+3 |
コンボ
捕食用意
- 組み合わせ
- 赫き剣+破壊の血+鷹の翼+ハンティングスタイル
- タイミング
- マイナーアクション
- 技能
- ―
- 難易度
- 対象
- 自身
- 射程
- 侵蝕値
- 6
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 100%未満
- 33
- 100%以上
- 38
武器作成&接敵 HP-12
100%↑ HP-14
捕食活動
- 組み合わせ
- コンセントレイト+渇きの主
- タイミング
- メジャーアクション
- 技能
- 白兵
- 難易度
- 対決
- 対象
- 単体
- 射程
- 至近
- 侵蝕値
- 6
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 100%未満
- 13
- 7
- 6
- 33
- 100%以上
- 13
- 7
- 6
- 38
- 13
装甲無視、ダメージを与えるとHP[Lv*4]+9点回復。
武器 | 常備化 | 経験点 | 種別 | 技能 | 命中 | 攻撃力 | ガード 値 | 射程 | 解説 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
赫き剣 | 0 | 白兵 | 〈白兵〉 | 33 | 5 | 至近 | でっかい鋏。 |
防具 | 常備化 | 経験点 | 種別 | 行動 | ドッジ | 装甲値 | 解説 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
UGNボディーアーマー | 防具 | 8 | いつも着ている白衣…よりちょっと豪華 |
一般アイテム | 常備化 | 経験点 | 種別 | 技能 | 解説 |
---|---|---|---|---|---|
どんぐり | くばる※特にデータなし | ||||
変な枝 | 遊ぶときに使う※特にデータなし |
経験点計算
能力値 | 技能 | エフェクト | アイテム | メモリー | 使用総計 | 未使用/合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
70 | 8 | 250 | 0 | 0 | 328 | 2/330 |
侵蝕率効果表
現在侵蝕率:
容姿・経歴・その他メモ
髪|赤
目|白
一人称|オレ
「そうだ、食べちゃいましょう。コレ」
「ん~。オレはそう思いませんが……、あれ?そっかぁ、女の子でオレっていうのは良くないんですか?」
「ぐちゃぐちゃにして~、めちゃくちゃにして~、粉々にして、それでおしまい♪……いただきます」
食べるのが大好き。特に人間の血や肉が好きだが、表立って言えることではないので普段は大人しくしている。
対オーヴァードの時は容赦なく巨大な鋏(赫き剣)で腕を切り落として食べる。
捕食シーンを極力知り合いに見られたくないので、よく翼を生やして空を飛びながら食べている。
キュマイラなので体系維持で常に細身長身。ぱっと見男に見えなくもない。
異端の怪物
フォークとナイフを手に取って、机にぐったりと顔を預けた。
腹が減って仕方ない。いわゆる、燃費が悪い身体というやつで、生まれた時から何か口に含んでいないと気が済まないのだ。
不満を訴えるようにちょっと力を入れれば、両手に握ったフォークとナイフが曲がってしまった。
いけない、いけない……。叔父が怒ることは無いだろうけど、極力迷惑をかけたくはなかった。
今は両親の元を離れて、叔父の家で暮らしている。
獲物を捕食するために狩りをしていたら、UGNとかいう良く分からない組織に目を付けられて、やむを得ず家が近い叔父の家に転がり込んだ為だ。
料理人である叔父が振舞ってくれる料理はいつも頬が蕩けそうな程に美味しかった。
だから別に、今の暮らしに不自由を感じたことは無い。
敵は情報を吐かせれば食べていいって言われてるし、故郷では異質がられてた異能の力に怯えられることも無い。
「倫太郎さん、今日のごはんはなに?」
生まれつき舌ったらずな話し方しかできないオレを、笑う事も怒る事もない叔父が大好きだ。
椅子に座って行儀悪く足をばたつかせて催促すれば、いつも通り笑っている叔父がテーブルにひかれた布の上に皿を置く。
「今日はステーキだよ。良い肉が手に入ったからね」
程よく焦げ目がついた肉と、匂い消しに使われている香草が鼻を抜けていく。
ご機嫌に顔を跳ね上げて、口の中に溢れた唾液を嚥下する。プレートに乗った肉は、量は多くはないがその質の良さは匂いでもはっきり分かる。
「ああ、美味しそう……。いただきます」
ナイフで肉を切り分ける。嗚呼、いつも狩る獲物のような切り心地だ。
一口大に切ったそれを、口の中に放り込む。
噛めば肉汁が溢れ、柔らかくなるように調理された肉の繊維が舌の上で解ける。すこし塩っぽい味と、香草、胡椒の刺激が口の中を満たす。
ゆっくり飲み込んで、恍惚とした吐息を漏らせば、叔父は小さく笑う。
「全く、桜閣はいつも美味しそうに食べてくれるなあ。作り甲斐があるよ」
「だって、本当に美味しいんだもの!」
そう。こんなの叔父の前でしか見せられない。
──だって、人の肉が美味しいだなんて、理解してもらえる訳が無いのだから。
かの天使の名を
【回想】
この異能の力に目覚めたのは、よく秘密基地と称して友人と集まっていた廃教会で、ひとり寂しく遊んでいた時のことである。
その日はたまたま、友人たちがやれ「塾にいかなくちゃ」だの、「家の手伝いをしなきゃ」だのと言って皆帰ってしまった。正直、まあ、その日に限ってはそれで良かったなあと思うのだけれど。
オレと彼女がその日出会わなければ、オレはきっと異形になることなんてなかったのだろう。
それは結果論であり、常に危険と隣り合わせのこの世界では、結局のところ時間の問題だったのかもしれない。今となってはどうでも良いことである。
さび付いた扉を一人で開ける。
肌を撫でるひんやりとした空気に身震いしながら、目を凝らした先に彼女はいた。
透ける新緑の長い髪。傷だらけの白い肌。頭にかかる白い輪。……白い異形の翼。
崩れ落ちそうな廃教会の、唯一形を保ったままのステンドグラスの前で、祈るように手を組んで地面に転がっていた彼女は、子供のオレにとってそう、絵本から飛び出してきた天使のように見えた。
片翼が捥ぎ取られた彼女は、傷だらけなのにとても美しかった。
「天使……?」
オレの声に反応するように彼女は眼を開ける。
金とも、黄色ともいえるような、しかし光をよく映す瞳だと思った。
彼女はオレを一目捉えて、目を見張りながら一言つぶやく。
「──ウリエル?」
鈴を転がすような、しかしどこか遠く、凛とした印象を抱く声だった。
「ウリエル? 違うよ。オレは桜閣だよ」
「いいえ、いいえ……。嗚呼、ウリエルだわ。こんな、こんなのって……」
傷だらけの体で地面を這いながら、彼女は何度もうわ言を繰り返す。
「お姉さん、誰?」
問いに答えはなく、彼女はオレの元までたどり着く。
白魚のような細くて白い指が、生まれつき白くて血色のない僕の肌に触れた。
傷口から滴る血液の芳醇な香りを、白く柔い指の感触を、冷えていく彼女の体温と共に味わいながら、オレは彼女の手を受け入れる。
「……オレ、ウリエルじゃないんだけど」
オレの体温で暖かくなっていく彼女の手に擦り寄りながら、否定の言葉を紡ぐ。
しかしなんというか、彼女とオレは初対面であるにも関わらず、オレの中には妙な安心感と既視感があった。
──そうだ、まるで過去にもこんなことがあったような……
「『ウリエル』」
燃えている教会。
肌を焼くような熱。
切り傷から滴る血液が刃に姿を変える。
見たことのないような場所で、死んでいく彼女の姿をオレは観ていた。
オレと、彼女と、奥に佇むシスター服の女。
武器を構えたオレと、シスター服の女は、刃を交える。
『どうしてですか。ウリエル……いえ、桜閣』
『アンタが姉さんを、兄さんを殺すから。だからオレも同じことをしようとしているだけだよ』
『嗚呼、なんと愚かなのでしょう』
『シスター・レイチェル。オレは──』
ぐらりと揺れた視界に驚いて頭を抱える。
今のは一体何だ?
「見えた? ウリエル」
目の前の女は小さく笑った。傷だらけの腕で、オレの体を抱きしめながら。
「説明してあげたいけれど、時間がないの。テンペストの奴らがまた私たちを殺してしまう前に、貴女の力を目覚めさせなくちゃ……」
「……また?」
「私からは何も。ジブリールもミカエルも、どこかで貴女のように生きているはずだから、詳しいことは彼らに聞いて頂戴」
話が大きすぎて何が何だか全くわからない。
そもそも、ジブリールもミカエルも一体誰だというんだ。
まあでも、彼女がそう言うのであれば、きっとそうなのだろうと思う。……どうしてそう思うのかはわからないけれど。
「UGNという施設の人に出会ったら、とりあえずおとなしく従って。彼らは貴女を助けてくれるはずだから」
「ゆー……何?」
「今はわからなくてもいいの。忘れていてもいい。時が来たら思い出して」
彼女は、自分でその形の良い唇を嚙み切った。
つぷりと薄い皮膚を割いてあふれた液体が、彼女の唇を赤く染めていく。
それは清純なイメージを持つ天使とは真逆の淫靡さをしていて、思わず硬直したオレの肩を掴んで彼女は鬱蒼と微笑んだ。
「大丈夫、これでまた──」
【回想終了】
[※削除済み]
「天使創造計画?」
「嗚呼、そうだ。うん。オーヴァードの力を最大限利用して、現代に天使を復活させようってそういう感じの、約20年前から計画されている馬鹿げた話ね」
紅茶をテーブルに置いて、少女の姿をしたそれは指をパチンと鳴らした。
すると背後に控えていた従者が資料を机に落とす。
乱雑に落とされた資料は、数枚床に散らばっていく。
苦言を呈するように眉を顰めれば、彼女は肩を竦める。別に何かを思っているわけではないらしい。
「元はテンペストによって計画されたんだと。いや、まあ、あの組織ならそれくらいやっても可笑しくはないだろう?」
資料に目を通す。
オーヴァード及びレネゲイドビーイングを利用した軍事戦力拡充計画の一種。研究はそれなりに順調だったらしい。
生まれたばかりの子供にレネゲイドウイルスを投与。これは成功個体の報告が1件。未覚醒の個体の情報が1件。
ヒューマンのレネゲイドビーイングを捕獲して、育成。これに関しては成功例が数件。うち、生存が確認されている成功個体が2体。
彼らにはそれぞれコードネームが与えらえた。
ミカエル、ラファエル、ジブリール、ウリエル。
写真がそれぞれ貼られている。
ミカエルは紺色の髪の青年。溌溂とした笑顔が印象的だ。
ラファエルは緑色の髪の女性。金色の瞳がどこかを見ている。
ジブリールは銀髪の男性。視線がカメラの方を向いていた。
ウリエルは赤髪の少女。不安そうに誰かの服を掴んでいる。
「──実験は失敗したんだ。数年前にね」
「それは、どうして」
「彼らを抑えられる力が無くなったから。計画責任者のシスター・レイチェルが殺されてしまったからね」
バインダーが机に投げられた。
一回転して僕の前に滑ってきたそれには、数枚の紙と写真がクリップで留められていた。
金髪に紺色の瞳を持つ若い女性だ。
「彼女が……シスター・レイチェル……」
「若い女性が計画責任者ということも驚きだが、一番驚くべきは彼女の死因だね」
紙をめくる。指先が少し震えていた。
ずっと知りたかったはずだ。
楽一桜閣が何者なのか。
戸籍もない。奇妙な叔父に引き取られ、存在しない両親をいると言い張る彼女のことを。
「彼女は、……シスター・レイチェルは、刺殺された後に遺体を食べられていた」
当時10歳にも満たない『ウリエル』にね。
少女の姿をしていたそれが、事実を告げながら真の姿を現す。
銀色の髪。片方隠された金色の瞳。少女とは言い難い、大人の女性がそこにはいた。
「さて、私が知ることは以上だ。これを知ってどうする気かは知らないが、まあ、せいぜい死なないように気を付けるといい」
2022/1/29 追記
【閑話】殺し合いと友人
ちいさな女王様に着いて、日本に戻ってきた。やっぱり海外の食事も美味しいけど、馴染みある日本食はとても口に合う。
あれこれ買い込んで、荷物を両手に抱えて街中を歩く。昼時の街中は人も多いから空を飛べないのが不便だ。
野菜が安かったし、お肉もたくさん買えたから、今日はたくさんご飯を作ろう。
そんなことを考えていたら、見たことのある人がオレの前を歩いていた。
「あれ~? 目白のおねえさん」
「おや。その声は……楽一くんかい」
背の高いお姉さんは立ち止まって振り返る。血みたいに赤い目を細めて、長い髪を払いながら笑っていた。
オレが子供の時から姿が変わらない変な人。オーヴァードなんてだいたい変な人しかいないけど。
怖いからオレが珍しく大人しく言う事を聞く人でもある。
「そんなに大荷物を抱えてどうしたの?」
「大安売りだったから、今借りてるお家でご飯いっぱいつくろ~って思って買ったんだー。いいでしょ」
「フフ、いいね。倫太郎くん仕込みの腕なら、さぞ美味しい料理が出来るんだろう」
しれっと叔父さんの事も知っている。どこから知ったんだろうと思うけど、まあ、UGNでこそこそ裏側の仕事をしてる人だし、知ってても変じゃないか。
だいたい、この人とどうやって知り合ったんだっけ。
思い出そうとすると記憶に靄がかかったように思い出せなくなる。
子供のころから。オレがオーヴァードになってから?
「────楽一くん?」
「あ、いいえ。何でもないですよ」
「そうか、なら構わないけれどね。もし良ければ、私にも食事を振舞ってほしいな」
「いいですよ。……ああ。びりびりさんも来るかな~。来ないかも~」
「お友達ができたのかい?」
「お友達、なのかなあ。どこからがオトモダチなんですかね」
そう呟いて目白のお姉さんを見上げると、彼女は薄っすらと笑みを浮かべて、オレを見ていた。
「そうだね。一緒に食事したり、お話したりできれば、お友達なんじゃないかな」
その理論で行くと、オレと彼はお友達になるのでは?
しかし殺し合いはお友達とのお遊びになるのだろうか。オレはそうは思えないけどなあ。
となると、やっぱりお友達ではないんじゃないのか。
ぐるぐると考えていたけど、面倒くさくなってきたからやめた。
「じゃあお友達かも~。たぶん? 殺し合いするけど」
「アハハ。物騒なお友達だね。うっかり殺して食べないように気を付けるんだよ」
Re; La Porté de l'Enfer後日談・「美味しい紅茶とお茶菓子を」
鼻歌交じりに廊下を歩く。すれ違う人たちがみんな首をかしげてオレを見送る。
それもそうだろう。だって、あの傍若無人が笠を着て歩いているような司令官がいる部屋がある方向に向かって、ご機嫌に歩いていく人間なんてそういないし。
手に持った紙袋を乱暴に扱わないように気を付けながら、扉の前まで歩いていくと、いきなり扉が開いておでこに当たりそうになる。
ひょいとのけ反って避ければ、部屋の中からびりびりさん(名前あんまり覚えてないな)が出てきた。
「あ? ドアの前で突っ立ってんじゃねえクソガキ」
「突っ立ってないです~、今来たんです~。ほらどいたどいた」
「チッ。……おい、クソガキも来たんだ。俺は行く」
何か任務でも貰ったんでしょう、びりびりさんは舌打ちして部屋を出て行ってしまいました。
態度が悪いのはいつものことです。特に気にせず、中にいる人物に声をかける。
「アリスさーん。オレ、おやつ作ってきたんですよ~。食べます?」
後始末の報告書だろうな。紙の山々に手をつけていたアリスさんは、視線をオレに向けてにっこりと笑っている。
「おや、楽一さん。丁度良いところに来てくれましたね。紅茶を切らしてしまって困っていたんです」
「え~。嘘だあ。まあいいですけど、何飲みます? 今日は気分が良くて美味しい紅茶が淹れられそうなので任せてくださいよ」
近くにあったテーブルに紙袋を置いて袖を捲る。
本当にたまにだけど、気が向いた時、紅茶を淹れることがある。
叔父さんや、幼馴染の家に転がり込んだ時だけしか淹れてなかったけど、最近はアリスさんにも淹れてあげることにした。
面白い人だし、オレも彼女を気に入っているし。美味しそうではないけど、まあ、いいかなって。
アリスさんから指定された茶葉をメモして、ポケットに入れて部屋を後にする。
休憩室から道具をあれそれかっさらってきて、お水とか茶葉とかも適当に手に取ったところで、声をかけられた。
「楽一くん……だったかな。こんにちは」
振り返ればそこにいたのは見たことのない顔のエージェントだった。
一瞬だけ瞬きをすると、次の瞬間にはびりびりさんの顔になっている。
「あー、こっちの顔の方が話しやすいか?」
「や。別に何でも変わらないですけど」
「そうか。じゃあこっちの顔の方がいいか。彼に怒られそうだしね」
目の前の人間は、瞬きの間に霧谷さんの顔になっていた。
随分と面白い能力だなあ、と思ったところで、そういえば先日の任務の時にアリスさんと一緒に最後どこかへ行っていた面白い人間がいたことを思い出した。
確か名前は……忘れちゃった。お面の人でいいかもしれない。
「オレに何か用事ですか?」
「うん。アリスさんにこれを渡して欲しいんだ。この間の任務の書類なんだけど、この後用事が控えていてね。よろしく言っておいてもらえると助かる」
書類を受け取って、霧谷さんの顔をした別人を見る。
本当に細部までそっくりだ。肉質も似るのだろうか。すこし興味がわいてきたな。
オレのムラっけを察したのか、彼(彼女なのかな?)は苦笑をして「よろしくね」というとそのまま逃げるように行ってしまった。
「持ち物いっぱいだ。まあ、いいか」
彼を見送って、色々セットしたものを用意して、いつの間にか沸いてたお湯をポットに入れて休憩室を後にする。
台車を押しながら部屋の扉を足で開けて中に入ると、アリスさんは休憩することにしたのか、もう報告書っぽいものに目を通してはいなかった。
「少し遅かったようですね。何かありましたか?」
「これ、愉快な人からもらったのであげます」
受け取った書類を渡すと、アリスさんは少し目を通して端に置いた。後で読むんだろうね。
丁度良い感じになった紅茶をカップに注いで、自分の分とアリスさんの分をテーブルに置く。
置いておいた紙袋からクッキーやマカロン、マドレーヌ、たくさんのお菓子を取り出してお皿に並べる。
「今日焼いたのでお腹壊したりしないと思いますよ~」
「おや、これはこれは……想像以上の量ですね」
「残してもいいですよ。オレが全部食べるので」
準備を終えてアリスさんの前にどっかりと座り込む。
紅茶に手を付けた彼女は特に何も言わない。何も言わないってことは及第点ってところでしょう。
目についたクッキーを口に放り込む。上手に焼けました。美味しい。
「時に楽一さん。すっかり忘れていましたが、日本に戻ってきての高校生活はどうですか?」
突然の質問にクッキーが喉に張り付く。むせ込みながら紅茶を流し込み、胸を強く叩いた。
「げほ、……んぁ。まあ、授業にはついていけてます。本部エージェントの候補生としてお仕事しなきゃいけなかったので、勉強周りはしっかりやっておかないと怒られましたし……」
成績表は問題ないけど、どうしようもない部分がある。
────そう、出席日数だ。
「今年はまだなんとかなりそうですけど、来年は……出席日数が足りないと……」
「卒業できませんね」
うぐ、と息を詰まらせて目を逸らす。
そういえば、アリスさんが言ってた。前に留年したUGNチルドレンがいるって。
「ふふ、楽しみですね。来年が」
「来年はびりびりさんに任務いっぱい任せてくださいね。オレ、留年は嫌です。絶対嫌です」
今回みたいにデカい任務、確かに楽しいけど留年だけは嫌だ。
頭を抱えて呻くオレを見て、アリスさんはまた、楽しそうに笑っていた。
履歴
Tree of Knowledge
◆HO3
ワークス: UGN幹部候補チルドレン
ロイス: PC2
君はUGN本部エージェントの候補生として多大なる期待を受けるチルドレンだ。
UGNには数多くのオーヴァードが所属しており、世界各地に支部が存在する。
UGN本部はそれら全ての支部を束ねる中央組織であり、本部エージェントは各支部長に匹敵する権限が与えられている。
優秀な君は、そんな本部エージェントの卵として次世代を担うべく期待されている。
今回はHO2とともに、とある重要任務の遂行を目指すよう通達を受けた。
エフェクト成長メモ
今後取りたい➔朱色の大斧(ヒューマンリレーションp78)
チャパレ
【マイナーアクション】
捕食用意:赫き剣+破壊の血+鷹の翼+ハンティングスタイル
:侵蝕率+9
:HP-12
【メジャーアクション】
捕食活動:コンセントレイト:ブラム=ストーカー+渇きの主
:侵蝕率+6
13dx@7+6
〇d+33
:HP+29
100↑
【マイナーアクション】
武器作り直そう~っと!:赫き剣+破壊の血
:侵蝕率+5
:HP-14
【メジャーアクション】
捕食活動:コンセントレイト:ブラム=ストーカー+渇きの主
:侵蝕率+6
(13+3)dx@7+6
〇d+38
:HP+33
160↑
【マイナーアクション】
捕食用意:赫き剣+破壊の血+ハンティングスタイル
:侵蝕率+6
:HP-16
【メジャーアクション】
天空の捕食者:コンセントレイト:ブラム=ストーカー+渇きの主
:侵蝕率+6
(13+4)dx@7+6
〇d+43
:HP+28
【ガード宣言】
痛いのは嫌です~:竜麟
装甲値+[Lv*10]
:侵蝕率+3
セッション履歴
No. | 日付 | タイトル | 経験点 | GM | 参加者 |
---|---|---|---|---|---|
フルスクラッチ作成 | 0 | ||||
ToK | 100 | ||||
1 | 2023/1/29 | Tree of Knowledge-前編- | 36 | クロレラ | iroシロ立会人:デアドラ(敬称略) |
前編 | |||||
2 | 2023/5/21 | Tree of Knowledge-後編- | 39 | クロレラ | iroシロ立会人:デアドラマメモ |
後編 二倍振り帰還 | |||||
2024/1/15 | Re; La Porté de l'Enfer-ミドルフェイズ- | ||||
二倍+振り足し | |||||
3 | 2024/1/28 | Re; La Porté de l'Enfer | 5 | クロレラ | iroシロデアドラマメモ |
4 | 2024/4/29 | ネ申と和解せよ。 | 20 | クロレラ | iroシロデアドラマメモ |
ねこ、ちょっと苦手になったかも |