紫の髪を持つ、フード付きの上着を着た痩せぎすな青年。

内向的で、引きこもり体質。陰キャで人見知り。
初対面の人が相手だと知り合いの後ろに少し下がりつつ仲を取り持ってもらうことが多い。
根は優しい性格で、面倒事を嫌がるもののなんだかんだ見捨てられなかったりと関わってしまう苦労人体質。そしてよくツッコミに走る。
学生時代にあったいじめが原因で、他者から否定されることが多かったことから自己肯定感が低い。
それでも、両親や先生が励ましてくれたこともあってどうにか克服して普通の人間になりたいと心の中では思っている。

ブラックドッグによって生み出される雷と磁力を利用して攻撃する。使用する武器はその時々によって変えている。
というのも元々戦闘要員ではなかったため（UGNに入った当初は戦う気が全く無かったため）前線に引っ張られるようになった今自身に合う戦い方を思考錯誤している。
また、幼い頃から発現していたノイマンの能力によって"可能性の観測"を得意としている。
身の回りにある物体や人、それらが生み出すエネルギーを見ることでその場で起きる可能性を探ることができる。
実行に移せるかどうかは自分の能力次第にはなるものの、有効打を見出すことで優位な戦況に立つことが可能となるだろう。

好きなもの…ゲーム、狭いところ、肉じゃが
嫌いなもの…声や圧が大きい人、カエル

普段からPCで囲まれた部屋に一日中座っており、好きなゲームをしていたり依頼があれば仕事を請け負っている。
趣味を楽しんでいるときは活発だが、人の目の付く場所ではぎこちなかったりする、いわゆる陰キャ。
根付いてしまった自己肯定感の低さや気の弱さから他人にたいして遠慮がちな気が強い。
率先する人がいればその人についていき、基本的には自分のやりたいことを押し込めている。

最近は支部で知りあった友人たちの優しさによって、自罰的や悲観的すぎるのも他者の思いや気遣いを裏切る行為だとして反省し、もう少し前向きに生きようと考えることができたようだ。
今は大学受験のための勉強に勤しんでおり、将来は義手や義足などの医療技術を開発する分野に行きたいと思っている。
また、友人たちの勉強を見たりなど世話を焼く姿もあったり、以前に比べて楽しそうな生活を送れているようだ。

物心ついた頃からすでにノイマンのピュアブリードとして能力が発現していた。
両親も自身も当時はレネゲイドの存在を知らず、またノイマン自体がわかりやすい形として発現を察知できないため、オーヴァードとして気づかれないまま頭のいい子供として扱われてきた。
年齢が上がるにつれ、その年齢の子供にしては頭が良すぎたのか周囲との不和が目立ち始める。
思春期の頃からは彼自身の優しさや気の弱さが相まって、人の目を気にしながら過ごすようになる。
この頃から可能性が視覚情報として見え始めていたものの、それを手繰るための実力もなければ、彼に溜まった負の感情が悪い可能性を引き付けてしまっていた為、身の回りで悪いことばかり起きてしまっていた。
それらが起因し、高校ではいじめにまで発展してしまい、内向的な性格になったままストレスを抱えた毎日を送るようになる。

ある日、ついに学校でのいじめに耐えきれず感情を抑えきれなくなってしまった。
その際にブラックドックの能力が発現し、これまでとは違う力の扱いに慣れることもできないまま暴発する。
理科室での授業中だった為、周りの機械類がショート、発火したことで薬剤へと燃え移りクラスメイトの大半が焼死、負傷する火災事故へと発展したのだった。
彼もその事故に巻き込まれた被害者として保護されたが、彼自身が事故の要因でもあったため、未だに心の傷としてその光景が残っている。

UGN傘下の病院で保護されたあと、オーヴァードの存在、そして自分の引き起こした事件のことを知ることとなる。
罪悪感と後悔の中、「自身を育ててくれた優しい両親達にこれ以上迷惑をかけたくない」とUGNに自身がいた記憶や記録を消してほしいと進言した。

病院で出会った女性医、入間川千奈世とはいまだに交流があり、よく生活習慣について注意されている。
今までさんざん疎まれて来たなかで、彼女は両親以外で唯一自身を気にかけ真剣に向き合ってくれた為、信頼を寄せている。
照れくささと気恥ずかしさで素直にはなれずいつもツンケンしているがいつも感謝しており、彼女の困ったことがあればいつも進んで手助けをしている。

特異点

彼が持つ"可能性を観測する"能力は、ノイマンの力によって発達した脳の処理機能と特異点の能力が組み合わさってできたものと推察されている。

特異点と定義されるオーヴァード達は、特異点の力を完全に制御することはできずあくまでも偶然を引き寄せるだけしかできない。
"思い続ける"という行為は存外に難しいもので、一度迷ってしまえば偶然を引き寄せるレネゲイドにも影響がでてしまうからだ。

彼の場合、可能性を"観測"し、最終的な願望を"目的地"、その道程を"道"として視覚化することで、本来の特異点よりも効率よく能力を発動することが可能となる。
獣道をふらふらと進むよりも、舗装された道路のほうが少ない労力でかつ速く目的地に到着できるということだ。
あとは選んだ"道"を突き進みつづけるという確固たる"決意"があれば、活性化したレネゲイドによって目的地にたどり着くための手段が引き出される。

しかし、数多ある可能性から無理やりに一つの事象を引き寄せ現実に固定化するには相応の熱量(エネルギー)を必要とする。
起動に必要なレネゲイドの消費もその一つだが、現実を無理やり塗り替える行為は、元々そこにあったはずの熱量(エネルギー)を過去や未来、現在のどこかに押し付けることに他ならない。
この能力を考えなしに使い続ければ、いつかの時代に大きなしわ寄せがやってくることは想像に難くないだろう。