浅草は凄腕のエージェントであり、どんな任務もこなす実力者であった。人望も厚く、彼のために動いてくれる人間は数え切れないほどであった。

「渋谷に浅草あり」と言われるほどだ。

そんな浅草はとあるFHセルの強襲任務につくことになる。精鋭を集めたその作戦は華麗な手際により終わるはずであった。
運が悪かったといえばそれまでかもしれない。その日、そのセルにはマスターエージェントの"灰焔のアグライム"が訪れていた。
チャンスと思った。アグライムを捕縛できればその功績はかなりのものになるだろう。信頼しあった仲間も同じ意見だった。抜群のコンビネーションでアグライムに立ち向かった。
結果は惨敗。すべての仲間を失い。浅草も瀕死の重体を負う。その戦闘により件のFHセルは壊滅状態となり任務が成功したのは不幸中の幸いといったところか。
しかし、その代償は重く、それからというもの浅草は無気力となった。熱量もなく、心はあの日の決断を悔いながら、目を瞑れば死んだ仲間たちの光景が………寝れない日々………浅草はあの日に囚われている。

━━━━━浅草は気づいていない。
浅草は惨劇の日を生き延びたと認識している。しかし、事実とは異なる。浅草もまたその日に死んだのだ。
優秀なエージェントを失うことはUGNとしては痛手である。故に浅草が死んでしまった場合に備えてバックアップを取っていたのだ。
今、渋谷の支部長をしている彼は、浅草銀座の複製体であり、本人ではない。その事実は伏せられている。

また、バックアップ技術は不完全であったため、彼が使えるのはただ敵を切り捨てるだけに特化した加速と居合のみ。このことについても、自分が怠けていたから仕方ないと認識している。

渋谷支部を管理する傍ら競馬と競艇をこよなく愛する。
推しはオルクス舎の黒馬『オーバーロード』と同舎の『デトネイトモード』
G1の大舞台でキュマイラ舎の『チヲツカムケモノ』と『イージスタテ』に給料を吸い取られたため敵視している。