容姿・経歴・その他メモ

❑ 叶 もも　　… 𝐾𝑎𝑛𝑜𝑢 𝑀𝑜𝑚𝑜

犬種

イタリアン・グレイハウンド（グレー＋ホワイトマーキング）

年齢

4歳

性別

♂

体高

38cm

体重

6kg

　約1年前まで、叶家という人間の家庭で飼われていた犬だった。生まれたばかりの頃にブリーダーから譲渡され、たっぷりの愛情と適切な世話を受けながら幸福に育つ。エネルギッシュだがおっとりしたところもある、人懐こい性格。トレーニングと走ることとおやつが好き。飼い主の方針で、音声ボタンを用いて簡単な言葉でやり取りするコミュニケーションを日常的に行っていた。
　叶家の家族構成は父・母・長男・長女。モモ曰く「ママ、おにいちゃん、おねえちゃん、パパ」とのこと。
　長女の友人で、叶家によく出入りしていた宮沢千早とは（犬目線で）長い付き合いである。

　約1年前、叶一家が揃って買い物へ出かけた際、モモもドッグカートに乗せられて同行した。その日彼らが訪れた大型ショッピングモールで、突如、轟音と共に大規模な崩落と火災が発生。（FHは事故と発表している。）落ちてくる瓦礫に家族が巻き込まれそうになったとき、モモがオーヴァードとして覚醒し皆を救ったことで、一家は生存。
　その後救急隊に保護され、気を失ってからのモモの記憶はない。
　目覚めると病院で、知らない人間と動物から“オーヴァード”についての説明を浴びせられるも、そんなことは知ったこっちゃないモモである。ようやく解放され、家に送り届けてもらえることになったのだが。
　我が家に帰ったモモを出迎えたのは、静寂であった。そこには誰もいなかった。そこには何もなかった。家の中に家族はいないどころか、自分たちの過ごした痕跡すら綺麗さっぱり無くなっていた。ほんのわずかに、覚えのある匂いだけ残っていたが――
　そんな空間にさらに入ってきた人物がいる。モモの姿を認めて驚いた声を出したのは、宮沢千早だった。近所に住んでいるので、友人の家に不自然な出入りがあることに気づいたのだろう。衝撃でどたりと倒れ込んでいるモモを抱き上げて、ぽつりぽつりと話し出す。

「叶さんち……モモくんのおうち、引っ越したんだって。」
「そんなの変だよね。何の話も無かったのに、急にどっか行っちゃうなんてさ。」
「やっぱり、おかしいんだ。だって、モっちゃんだけ、帰ってきた……」

　呆然としたまま、モモは宮沢千早に引き取られることになる。

❑ 宮沢 モモ　　… 𝑀𝑖𝑦𝑎𝑧𝑎𝑤𝑎 𝑀𝑜𝑚𝑜

外見

10代半ばほどの少女　（※「叶 由香」という人物の容姿を模倣している。）

年齢

4歳

性別

明言しない　　　　　 （※本人の希望。）

身長

162cm

体重

　-　　　　　　　　　（※正確な計測が不可能。エフェクトの影響によるものと推測される。）

　当初は宮沢千早も、久しぶりに会った犬がオーヴァードになっていて、人間に変身できたり妙に賢くなっていたりすることに大いに驚いていた。だがすぐに以前通りに接するようになる。
　宮沢千早に引き取られてほどなく、FH支部の取り計らいにより、「宮沢モモ」という一生徒として学校に通うことになった。「背景を問わず優秀なオーヴァードが活躍する社会の実現」のモデルケースとして、行政の包括的な支援の下、人間と同等の教育を受けるようにとの要請(命令)が宮沢宅に届いたため。
　学校に通ううえで、制服や教材の支給など様々な優遇を受けているが、同時に多くの強制も課されている。学校生活の間は人間の姿で人間と同じように振る舞うこと、他の生徒らの学習レベルに追いつくためにほぼ毎日の補講を受けること、等々。
　学校では、授業外であればほとんど寝るか食べるかしている。本来は人と関わるのが好きなようで、気力のある日は積極的にクラスメイト達に友好を求めに行く。時々遠巻きにされて落ち込んでいる様子が見られる。体育では、授業内容そっちのけで追いかけっこに夢中になりがち。
　なお、衣食住のサポートも受けており、居住用にアパートの一室まで用意されている。しかし、当人(当犬)はもっぱら宮沢千早の家で過ごさせてもらっているようだ。

「さみしいから……」byモモ

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