容姿・経歴・その他メモ

親なんてものはいなかった。
姉のはじめとわたしだけ、あとはUGNの大人たち。

わたしとお姉ちゃんはいつでも一緒。
レネゲイドウイルスに感染してたのも、戦闘訓練でくたくたになったのも、仲間を見捨ててまで生き延びたことも。

ずっとずっと一緒だった、ずっと一緒に居続けるのだと思っていた。
それは私の幼すぎる夢だった。

そもそも私は戦闘よりも演算や情報処理が向いていて、現場よりもオペレーターの適正のほうが高かった。
姉が傷ついて帰ってくるのが嫌だった、私だって戦えると言いたかった。
それでも、「零のおかげで敵を倒せた」と笑顔で言われると、何も言い出せなかった。

そんな日常を受け入れ始めていたのに、ある時から姉が私を遠ざけ始めた。
「パペットマスター」が私たちの所属支部で話に上がり出したころからだった。

姉は賢くて、強くて、優しいから、弱い私を守ろうとしてくれていた。
どれだけ説得しても、どれだけついていこうとしても、姉に見つかってすぐオペレーションに回された。

「零はちゃんと、零の戦いをしてる
　私がいつも生きて帰ってこれるのは、零がそこで戦っているからだよ」

そう言って姉は戦いに行ってしまった。

あっけなかった。
姉はパペットマスターに操られ、味方も敵もすべて倒していく。
どんどん人間から外れていく姉に声をかけ続けた、届かなくても、死なないでほしくて。

泣きじゃくる私に、最期の通信が届いた。

「ちゃんと寝て、ご飯食べて、笑って生きてね」
「大好きだよ、私の世界で一番大事な家族」

そうして姉は、画面越しに笑い、人間のまま自害した。



姉を殺したあいつを許せなくて、戦いに行かず逃げた自分を許せなくて。
パペットマスターを殺すために、ストライクハウンドに志願した。
色々な支部に顔を突っ込める部隊だからこそ、あいつを殺すチャンスは多いはず。

お姉ちゃんはきっと、私が危険を冒すことを悲しむと思う。
けれど私は私のためにしか生きることができないから、だから少しだけ待っていて。

ちゃんと、絶対幸せになるから。




※コードネームのシンデレラは本人が言い出したものではなく、姉の遺言を守って日付を跨ぐ前には必ず休みを取る零の姿をストライクハウンドをよく思わない人間から揶揄されて呼ばれ始めたもの

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