R災対マルコ班の隊長を務める男性。「上司には最適だが、組織にとってはこの上なく扱いづらい」とUGN幹部から称されるほどの独特な個性を持った人物で、評議会からは危険視されている。その理由は自らの正義に従って常に最善の行動をとろうとすることであり、彼を納得させる根拠を出せない限りは彼と彼の隊の舵を取ることはできない。だが、彼の指揮によって不遜な態度に見合った戦果を出せているのは事実で、部下想いという一面もあって部下からは絶対的な信頼を寄せられている。

　オーヴァードに覚醒したのは9年前。アイルランドの裕福な家庭で生まれた彼は、三人兄弟の長男として父の会社を継ぐためにアイルランドの国立大に入学して経営学を学んでいた。周囲から秀才と持て囃されるも決して驕ることのない勤勉な学生で、弟妹の見本となれるように努めていた彼だったが、家族旅行の最中にテロに巻き込まれたことで彼の日常は崩壊してしまう。
　オーヴァードに覚醒して一命を取り留めたものの、旅行に同行していなかった弟以外の家族を亡くしてしまった。UGNの庇護下に置かれた彼はテロがオーヴァードによって引き起こされたものであることを知り、一時は復讐心に囚われるものの、唯一残された家族である弟の為に「日常の守護者」となる決意をする。暫くは大学に通いながら父の会社を立て直し、卒業後は本格的にUGNに所属するエージェントとして活動を始める。
　エージェントとなってからは支援能力を遺憾なく発揮して頭角を現し始め、その名声によって部隊を率いる指揮官に抜擢される。当初は改革派が後ろ盾となっていたが、テレーズ・ブルムが担当する部隊を率いるようになってからは穏健派に鞍替えした。レネゲイド災害緊急対応班の理念に対しては独自の考え（正義）を持っており、マルコ班の部下達を「同志」と呼んでいる。


「勇敢なるマルコ班の同志諸君。」
「我々は志を同じくし、幾多の戦場を駆けてきた友である。」
「なればこそ、問いたい。」
「我らが掲げる獅子の紋章に誓った正義は、何であったかを。」

「彼女は我々を救った命の恩人だ。」
「その恩義に報いねば、正義を、獅子の紋章を掲げる資格などない。」
「我らの面子如きで、誰かを救えるならば安いものだろう。」
「そうは思わないかね、同志諸君。」

「―――さぁ、征くぞ。」「化け物共の顎を食いちぎり、進撃するのだ！」