容姿・経歴・その他メモ

——蛇に睨まれるとはこういうことを言うのだ。

蛇のように鋭く、半月型に歪む目。その目が望むものはいつだって己を満足させる愉快なものだ。
彼に囚われてしまったら最後、逃げる手段はない。

逃げてもいい。いや、どうか逃げてくれ！
逃げようとするその『望みをかけた瞳』を見せてみろ。


額を注視すると三日月の白い紋章を見つけることができる。
それこそが彼の人間を超え寵愛を受け止められた器である証だった。

履歴

愛おしい我が主人イグ。
貴方の毒を飲み続け、貴方の加護を受け続け、私は力を持ちました。

全てを溶かせ
全てを苦しめろ
近付くものを狂わせろ。

この愉悦が分かるでしょうか。
破壊したい、壊したい、苦しんでいる姿が見たい。見たい、見たい、見たい、見たい。
楽しくてたまらない。
絶望の中でもがく姿を私はいつだって見ている。


19年前、当時小学生だった時にイグの教団に誘拐され『器』の研究の実験体にされる。
『神聖な蛇の毒』をフォアグラのように流し込まれ続け、非常に強い生命力をもって死んだ方がマシと思える苦しみを耐え凌いだことで体が猛毒を受け入れ、『器』となった。
元々灰に近い黒だった瞳は橙に近い虹彩に変わり、視力は非常に弱まった。
その代わり感覚が鋭敏になり、風の流れや空気の淀みなどで誰よりも早く気配と方向を正確に把握できる。

『器』として発現したあと初めて行った中学校で、教員含め4人の死傷者を出す。その際に水酸化ナトリウムによる化学熱傷を受ける。その騒ぎから自分が生きていると知った両親が病院に乗り込んできたが、すぐ傍にいた自分に気が付かなかった。
火傷はIII度相当。
その後、名前を変えて大学まで過ごす。親がわりの教団の人間から畏れと崇拝を受けながら20まで過ごした。大学は大学院まで通った。学費を絞り尽くせ。

苛烈な実験を耐え凌いだ故の加虐衝動と破壊思考があり、人が苦しんでいる様を見て非常に愉しげな声をあげる。
盲目的なイグの信者であり、この精神は実験を受ける過程で刷り込まれた。

毒を受け入れ対抗し飲み込もうとする中で自らの体内で薬品を生成できるようになった。それによって邑の体内にある毒は複雑に混ざり合っているため、世界に抗体が存在していない。

そんな体質のため、現在一番好奇を刺激されるのは性的欲求、簡単に言えば子孫を残すことだった。だが人間は愚か蛇すらも自分の種を受け入れられるものはいない。そんな邑と触れ合って無事でいる者など、自らと同じ『器』の素質を持っていて様々な毒を体内に摂取しているものだけだろう。

いつだって欲しているのは興味と愉悦だ。


現在、非合法の組織で自称マッドサイエンティストと共に仕事に就いている。主に倫理的に外れた実験の実行や毒物の生成、テロに使う兵器などの開発を行っている。大体は拷問や報復に使うような苛烈を極めたものであるが、単体では死なないものが多い。
化学で人間を殺すのはいつだって人間であり化学そのものではない。これがAの仕事理念であるが邑はとんだ夢物語だなと思っている。
隣にいる馬鹿はアホみたいに信じ切っているが。
この仕事が天職であり、居心地の良さすら感じている。

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