彼女の戦闘スタイルは単純である。高速で動き一撃で相手の首を狩る。ただそれだけだ。自らの内にくすぶる激しい憎悪の感情がレネゲイドを高ぶらせ彼女の戦闘能力を著しく上昇させる。義父から貰った赤い頭巾と義父に贈った赤いマント。それらを紅蓮の炎が包み込んだ時が彼女の本領が発揮される時だ。マッドモンスターによって改造された右手が真の姿を現し巨大な狼の爪となる。大抵の相手はそのスピードと破壊力に倒れることとなる。
自身の衝動に呑まれるまま獣のように動く彼女ははたから見れば怪物そのままだろう。
そこに彼女が望んだヒーローの姿はない。
しかし彼女は戦い続ける。自分の目的を果たすために

1歳～10歳
順風満帆な人生を送る。家族はノーマルのためレネゲイド適性はなかったが彼女だけウロボロスのシンドロームに目覚めることになった。好きなことは寝る前にヒーローのお話を聞くこと。一般的なノーマルらしくヒーローに憧れを持っていた。

11歳～12歳
ヴィランであるマッドモンスターに家を襲撃され拉致される。一家が全員ヴィランの襲撃によって行方不明となったとニュースが流れ必死の捜索があったにもかかわらず発見されなかった。実際はマッドモンスターの研究施設で小紅はヴィランとしての教育を受けておりこの時肉体改造や精神改造を施されていった。

12歳～13歳
ヒーローであるチェンジマスクによって小紅が救出される。また彼に引き取られ生活をしているうちにだんだんとではあるが人としての心を取り戻していき精神も回復していった。しかし彼女が２回目の誕生日を迎える日にジャームとなってしまったチェンジマスクをUGNジャーム処理班”ハンターズ”によって処理される。
その姿を閉じ込められた空間からずっと見ており、自分にとってのヒーローを複数人で追い詰め殺す者こそヴィランだと考えUGNを憎むようになる。その後、現場から逃走した。

14歳～15歳
ヴィラン首狩りの赫として指名手配をされる。彼女のターゲットはUGNに所属しているヒーローや子供を狙うヴィランだ。UGNもFHも両方ターゲットとしているため両方の組織から警戒されている。そうして数多くの敵を殺してきたがついにUGNに所属しているNO1ヒーローパラディンによって捕らえられる。
ヴィラン専用の拘束施設に送られることになる。
しかし、どんどんと強力になっていくヴィランに対しヒーロー側も強化しなければならないという事情もあり、①ある程度の戦闘能力　②ヒーローも倒していたとはいえヴィランも倒していたという事実　③構成する可能性　以上を考慮した結果『実践的ヴィラン更生プログラム』の対象として選ばれることになった。

15歳～
お義父さんを殺した奴に裁きを与えるまでは死ねない。その想いから『実践的ヴィラン更生プログラム』の話を受けPC1と共にヒーローの真似事を行っている。

Q,貴方にとって"英雄(ヒーロー)"とは？
A,救いの手を伸ばしている人を見つけて助けてくれる存在。私にとってはお義父さん。

Q,貴方にとって"悪(ヴィラン)"とは？
A,子供たちを食い物にするような奴ら、そして皆のために戦ってきたお義父さんを殺した奴らよ。

Q,貴方はどうして戦うの？
A,復讐のため、これが私が今生きる理由のすべて。私のすべてを奪った【マッドモンスター】そして私の未来を奪った【ヒーロー】達、お義父さんを殺した奴らについての情報は厳重みたいね。でもいつか必ず！

Q,貴方の願い、または目的は？
A,私のと同じ目に合う人がいなくなる世界。お義父さんが認められた世界。それを作るのが私の夢。

Q,貴方にとっての敵は誰？
A,私の目的を邪魔する存在は全員許さない。

○月△日
いい素体が手に入った。この若さでウロボロスのシンドロームに目覚めているのは大変に稀であり貴重だ。上手に教育していかなければならないな。

○月×日
自分の立場を理解していないようで泣き喚くのがうるさい。特に子供の声は響くからな。少し教育した結果泣き喚かなくなった。
ほら？俺は子供の扱いは得意なんだ。

□月○日
戦闘訓練をさせる。相手は死にかけの奴だというのに戦うことを拒否しやがった。いつも通り教育を施した。

□月△日
ほらな！やはり俺の教育は正解だった！この年齢であの戦闘能力！まだやる時に躊躇いを見せたから顔を見せてやったらそのまま振り下ろした！
ははは！才能がある！

△月○日
次の段階に入ろう。こいつの肉体を改造していき強靭なヴィランを完成させる。手始めは右手だな。
一回で終わらせるより何回かに分けたほうが俺も楽しい。楽しいことはいいことだからな。
おっと、そういえば俺の持つシンドローム、サラマンダーにも覚醒してクロスブリードになったようだ。これは使えるかもしれん。

△月×日
最高だった…仕入れたあの武器の性能もそうだがあれを取り付ける時の表情！教育してもよかったが今日は一通り楽しむことにした。
途中で親の名前を叫び出すものだからついこの前の戦闘訓練でこいつが殺した奴が両親だと言ってしまった。あれだけは失敗だったな。それ以降の反応が消えてしまった…
後で記憶処理薬でも飲ませておこう。

×月○日
クソ、クソ、クソ！なんでここがバレた！偽装は完璧だったはずだ！しょうがない、あいつを手放すのは惜しいが、なあに、また集まればいいだけさ！
俺はポジティブなんでね！
………これ以降の記述はない。

◎月○日
なんてことだ！こんな幼い子供が酷い目に遭っていただなんて。ここを発見できたのは本当に偶然だった。だけど今はこの偶然に感謝しよう。
ヒーローランキングにすら載らない僕だけどこの子を助けられたことは嬉しい！
ひとまず保護をしたがどうも大人に触れられるのが嫌なようだった。
家に返すために両親のことを聞いたところ泣き出してしまった。
ヴィランに攫われたんだ。配慮が足りなかった。
自分の未熟さが嫌になる。

◎月◎日
近くの保護施設に入ることになり何日か様子を見ていたのだけれど、うまくいっていないようだ。どうやらPTSDを発症しているとの事。大人の顔が全員狼に見えるらしい。ヴィランの風貌が狼だったのだろうか？

◎月△日
ずっと考えていたが決意した。彼女を助けたのは僕でそうであるなら助けたの責任を果たすべきだ。
幸い僕はエグザイルのシンドロームを持っている。
顔を変えるなんてお手のものさ、顔をなくすこともね。

◎月×日
意を決して彼女に会いに行った。施設の人は反対していたけれど無理を通した。どうやら僕の顔は普通に見えてるらしい。なんだ、顔を変える練習をして損したよ。
だが顔が普通に見えるだけで未だ大人は怖いらしい。子供と過ごしたことなんてないけれどできるだけ頑張ろう。

†月○日
だんだんとだがこの生活に慣れてきている様子が見られる。未だ話しかける声は小さいし何かにつけてすぐ謝るが少しづつ自分のしたいことを告げるようになってくれた。
嬉しいよ。
そういえば彼女のことを調べていたところ誕生日がわかった。せっかくだからそれに向けて準備をしよう。

†月△日
今日は良い日だったのではないかと思う。
彼女の誕生日なんだ、ささやかながらお祝いのケーキと人の目線が気になるようだったから赤い頭巾をプレゼントした。
そうすると泣き出してしまったもんだからすごく困ってしまったよ
どうしようとワタワタしていたところポツリポツリと自分のことを話してくれた。初めてのことだ。
そしてここが重要なんだが初めて名前で呼んでくれたよ、もちろん本名をね！

δ月○日
彼女の誕生日以降、彼女がすごく明るくなっている気がする。柄じゃないけど娘がいるってこういう感じなのかな？未だ他の人は怖いみたいだけど子供なら大丈夫になってきたそうだ。
この調子で元気になって願わくば奪われた幸せを帰るくらいの幸福が君に有らんことを。

Λ月×日
今日の幸せを紙に全て綴るなんて不可能だ！！
だけど嬉しかったから書くよ！
今日は僕の誕生日だったんだけれどなんと彼女がプレゼントを用意してくれたんだ！
いつもヒーロー活動を頑張っている「お義父さんに」って手紙とマントを用意してくれた。
そりゃあ、店のに比べると質はそこそこさ
だけれど万年下位ヒーローの僕のために手作りで作ってくれたんだぜ？喜ばない「親」なんていないよ！
これは宝物だ。これをつけていると元気が湧いてくる。
彼女のためにもヒーロー活動を頑張ろう。

$月◎日
娘から貰ったマントを付けていると本当に調子がいい。勇気が湧いてくるからね！
うん、頑張ってもっと彼女が憧れるに相応しいヒーローになるんだ！
まずはランキングになることを目標に！

〜ここからはいつもの日常が綴られている〜

◎月○日
もうすぐ、娘に初めて遭った日になる
あれからいくつもの出来事が遭った。
血のつながりはないけれど本当の家族みたいに
そう、僕は強くならなくちゃいけない、ランキングにはなったけどトップヒーローにはまだまだ遠い。
娘がくれたマントに相応しいヒーローになるために
彼女を守れるように、守らなくちゃ

ν月×日
最近、なんだか、調子が変だ。ヒーロー活動としての最中に暴走してしまうことが増えた気がする。
見張られてる感じもするし
やな気分だ。
娘には黙っていたのにこっちのことを見抜いてか、手料理を作ってくれた。
本当に優しい子だ。
この子だけは護らなくちゃいけない。
何があったとしても、何を犠牲にしても
この子だけは…

†月△日
なんだっていうんだ！今日は娘の誕生日だぞ！
それなのに僕を拘束する？暴走の恐れ？ヴィラン化の兆候？ふざけるな！僕は正常だ！
お前みたいな奴らから大事な娘を隔離しなきゃいけないんだ！
そうだ、あの子は今大事に絶対に見つからないところに隠してある
僕のエフェクトが作る空間の中！
僕が倒されない限り絶対に安全な場所
大丈夫だよ、僕がずっとずっと守ってあげる
君を傷つける何もかもから永遠に！
君にとっての1番のヒーローが！

手記はここで途切れており血の跡が広がっている。

1次報告
最近活躍中のヒーロー【チェンジマスク】だがレネゲイドコントロールが不安定であることが懸念事項とされている。
彼の活動を見ているとそこまで強力ではなくここ最近まではランキング外の下位ヒーローだったはず。
とある少女を保護したとされているがそれが彼にとって良い影響を与えたのだろうか？
引き続き調査が必要だろう。

2次報告
どうやら彼の過剰な侵蝕率の上昇は彼が身につけているマントにあるようだ。
あのマントだが理由は不明だが要回収対象のフールズクロスとにた効力を持っているようだ。
彼に接触しマントを回収する旨を伝えたが聞く耳を持たない様子だった。
このままではジャームとなるのも時間の問題だろう
急がなくてはならない

3次報告
なんてことだ。我々は間に合わなかった。
本日彼のジャーム化を確認。さらに彼が保護している少女と思わしき人物をエフェクトにより監禁している事を突き止めた。
このままでは少女が危ない。とはいえマントにより能力が強化されている【チェンジマスク】を無数で捉えるのは不可能だ。
最悪の場合、殺害という手段を取るしかないだろう。
ジャームのことは少女には伝えられん。
1人の少女の感情と人類全ての平和、比べるまでもない出来事だが…こういう時にこの仕事が嫌になる。
だがその表情をマスクの下に隠してこそのヒーローだろう。

4次報告
ジャーム【チェンジマスク】の討伐を完了
少女を探したが発見できず、もしかしたら間に合わなかったのかもしれん。
無念だ。
【チェンジマスク】の懐にボロボロだが丁寧に扱われている手紙があった。
回収する。

あの、話すときっと上手くいかないからお手紙を書くことにしました。
あの時私を助けてくれてありがとうございます。
ずっと苦しくて悲しくて、なんでこんな目に遭わないといけないんだろう、どうして自分だったんだろう。こんな世界無くなっちゃえばいいと思ってました。
助けなんかこないって、そんな都合のいい存在は昔パパとママに読んでもらったお話だけなんだって
でもあなたは私の元にきてくれました。
たすけてくれました
心を救ってくれました
あなたは私にとっていちばんのヒーローです！
だからこれからも頑張って下さい
…………お義父さんへ

とある少女の独白
なんでお義父さんが他のヒーロー達と戦ってるの？
ううん、なんでお義父さんをみんなで攻撃してるの！
お義父さんはヒーローなんだよ！みんなを守る凄い人なんだよ！なのになんで
負けないで、お義父さん！いなくならないで！
やだ、やだ、やだよ
ヒーローさん達も私から光を奪わないで！！
〜〜〜
そっか、そうなんだね、お義父さんをやってたかって虐めるみんなの方が悪いんだ
あなた達なんかヒーローじゃない
お前達こそヴィランだ、
待っててお義父さん、私はお義父さんみたいなヒーローになるよ
みんなを悪い奴らから守るヒーローに
だからまずは、お義父さんを殺したあいつらを…殺してあげる}}

ノーマル。心優しい人物であり小紅に対してヒーローの話を読み聞かせたりして平和な日常を送っていた。しかしマッドモンスターによって襲われ致命傷を負う。（目的は小紅だったが彼女の教育に使えるかもしれないということで生かされた）
その後マッドモンスターのストレス解消のために精神が崩壊してしまう。精神が壊れた二人を再利用して小紅の教育用の化け物に合成＆改造を施された。
小紅によって正体が知らされないまま殺されその一生を終えた。
後程マッドモンスターによるネタバレを受けて小紅の精神を壊すことが彼らの最後の仕事となった。

子供しか狙わない凶悪なヴィラン。子供を狙う理由は抵抗されることがなく自分より弱い存在だから。
意外にも知能犯でありヒーローに研究施設を見つかるたびに闘争に成功しているためUGNからも要注意ヴィランとして警戒されている。
子供をヴィランに教育したり、怪人を作るために改造したりするのが得意
常に狼の姿をとっているため素顔がわからない。

ヒーローランキングにも載らないような下位ヒーローだった。
彼のヒーローとしての信条は「困っている人を助ける！」という至極単純なもの
しかし、残念ながら実力が足りていなかった。
ある日偶然にもマッドモンスターの研究所を発見しそこに囚われていた小紅を見つける。
実力的にはマッドモンスターに勝てるわけはなかったがマッドモンスター自体がリスクを極端に恐れる性格のため逃亡し
小紅を保護することに成功する。
その後、彼女と共に過ごし、家族のような関係を築く。
彼女を守るため、さらには彼女の期待に応えるため頑張ってヒーロー活動を行っていく。
彼の誕生日に小紅からプレゼントされたマントが実は侵蝕率と引き換えにエフェクトの効力を高める物であり（彼女が布を買ったのが偶然にも闇市から回ってきたものだったためその事実を知る者はいない）その結果急激に力を増すことになる。
そしてついに彼の侵蝕率は許容量を超えてジャームとなり小紅を永遠に守るため自身の世界に隠す、その後ハンターズによって処理された。