容姿・経歴・その他メモ

5人兄弟の真ん中(兄1人、弟1人、姉1人、妹1人)。遠距離斬撃で攻撃する。


野鎌悟は、地方都市の片隅で生まれた。五人兄弟の三番目として育った彼は、上にも下にもきょうだいがいるせいか、幼い頃から「真ん中」の立ち位置に慣れていた。甘やかされすぎもせず、かといって放置もされず、兄や姉の背中を見ながら、弟や妹を守る役割も担う――そんな日常が、自然と彼に「仲間を守る」という意識を根付かせた。

しかし、悟の記憶には、大切な一片がぽっかりと抜け落ちている。まだ物心がつく前、近所に住む年の近い幼馴染と交わしたという“約束”だ。笑い声や夕焼けの影、握った小さな手の感触――断片だけは鮮やかに蘇るが、肝心の名前も顔も思い出せない。その空白は、彼の胸の奥でずっとくすぶり続けている。

中学に上がる頃、悟はすでに並外れた身体能力を発揮していた。Dロイス＜羅刹＞としての怪力は、彼自身も制御しきれず、時に周囲を驚かせた。殴れば壁が軋み、走れば風が唸る。教師や家族は心配したが、悟にとってそれはただの「体が軽くて力が強い」という感覚に過ぎなかった。その特異さは、喧嘩好きな性格とも相まって、地元ではちょっとした有名人にしてしまう。

そんなある日、街外れで起きた異常事件が彼の運命を変える。暴走するレネゲイドビーイングとの遭遇――そして、その混乱の中で現れたのが、アルフレッド・J・コードウェルだった。彼との邂逅は短く、悟の記憶にはほとんど残っていない。しかしその場で、UGNの存在を知るきっかけが生まれたのは確かだった。

高校入学と同時に、悟はUGNチルドレンとしてスカウトされる。初めは「面白そうだから」と軽い気持ちで引き受けたが、任務を重ねるうちに、自分の力がただの喧嘩道具ではないことを理解し始める。任務先で救った人々の表情、共に戦う仲間たちの姿――それらが、胸の奥に眠る“誰かとの約束”を微かに刺激した。

任務は決して楽ではなかった。時に相手は人間であり、時に怪物であり、時に自分自身の中に潜む暴走だった。悟はその全てを、持ち前の怪力と反骨精神で乗り越えてきた。己の拳を信じ、仲間を守り抜くこと――それが彼の生き方になった。

今もなお、悟は自分の記憶の空白を埋める答えを探している。幼馴染との約束が何だったのか、その人が今どこで何をしているのかは分からない。それでも、彼は心のどこかで信じている。その約束こそが、自分が力を使う理由であり、生きる意味そのものだと。

そして今日もまた、UGNの任務に赴く。拳を握り、笑みを浮かべながら。
――守るべきもののために、そして忘れたはずの約束を、再び掴み取るために。

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