経歴

元FHエージェント。FHに忠誠を誓う一族の出身。思想や信条によらず言われるがまま暗殺に従事するよう調整されている。FH時代のコードネームは“罪業の序幕（カルマ・スターター）”。カル/マスター/ターという歪んだ形のマスターコード。これは“マスターマインド”に与えられた名であり、彼女の『策略』のために実行した暗殺も多い。このコードネームを与えられる場で、｜儀式《イニシエーション》として彼女に命じられ、家族を皆殺しにした。

————「この称号は首輪です。ただ人を殺めるのが得意なあなたにはふさわしいでしょう。ふふふ」

暗殺を誇るマスターエージェントは「“キリングマスター”」が既にいるが、彼女はそれと別種の殺人技巧の持ち主であると“マスターマインド”の政治的働きかけによりマスターエージェントとして認めさせた。子飼いの暗殺者にすらマスターエージェントの特権を付与できるという影響力の誇示が狙いである。それでいて同じマスターエージェントでも主従の絶対的関係があり同格ではないという強調のため、「マスター」の名は分割されたものとなっている。
実際、マスターを与えられるに足る実力を持っているが、自己肯定感の低さから「マスターの末席にすぎない」という認識を持ち続け、マスターエージェントとしての強権を振るうことなく一介のFHエージェントとして振舞っていた。あえて「外した」マスターのコードネームから、彼女がマスターエージェントと知る者は少なかっただろう。

……あるとき“マスターマインド”から指示が下った。
とあるセルにUGN精鋭部隊の襲撃が計画されている。そのセル全員を囮にして襲撃部隊の指揮官、アッシュ・レドリックの首を落とせ、と。
セルの全滅と引き換えに得た一瞬の機会にアッシュに肉薄するも暗殺は失敗。本来ならばその場で殺されていたはずだが、アッシュの「面白い女…」の言葉で一命を取り留める。

その後はアッシュの評議員権限により彼直属の優秀な手駒として配属され、様々な任務（内偵や潜入調査など危険な任務ばかりだが、暗殺だけは指示されたことはない）に従事する。
口さがない者からは、その身体でアッシュを篭絡した毒婦だの、仲間を売って寝返った裏切り者……ダブルクロスだのと言われており、UGN幹部からの評判は悪い。しかし主人のアッシュが評議員の権限や査察部の力をちらつかせて手元に置き続けている。
“｜因果の終幕《カルマ・エンド》”のコードネームを与えたのはアッシュ本人。あえて「カルマ」を残したのは彼なりの嫌味たらしさ、もしくは彼女のことを気にかけている証拠である。
ちなみに、アッシュから課される任務はいずれも一流エージェントですら遂行困難な難題ばかりであるが、彼女は殊更意識することなく当然のように全てを成功させている。これもまたFHの過酷な環境で培った技術や経験によるものだろう。

本来の彼女であれば当初の命令に従いアッシュ・レドリックを再度殺していた。たとえ情けをかけられて命永らえたとしても、隙あらば躊躇なく殺す。純粋暗殺者。そう調整されていたはずである。
————なのにいまだ彼女はアッシュを殺そうと思えずにいる。

私を生かし、重要な情報に触れることができ、さらにアッシュを殺せる位置に置いている。その理由が理解できれば、この不明の気持ちも解消するのかもしれない。（“マスターマインド”を見てきたキリエからしたら信じられない処遇である）
アッシュ自身が敵を作りやすい｜性質《タチ》だからこそ「元FHの部下という分かりやすい弱み」すなわちスケープゴートとしてわざと手元に置いたのだろうか？　……この推測が合っているか、はたまた間違っているか。それを知るためにも、今日もまたアッシュの任務を遂行する。

……このまま任務を続けていれば、いままで見えなかったものが見えてくるのだろうか。
そして、そのとき、私の｜手《刃》は、振るえるのだろうか。

────といったのがロンドンまでの話。ロンドンの事件はキリエの状況を内外ともに一変させた。
外的環境の変化とはすなわち、面倒な経緯があるとはいえ一介の手駒でしかなかった女が、UGN最高評議会の議場でアッシュの｜懐刀《レイザーシャープ》すなわち腹心であると宣言されたことだ。アッシュの宣言は穏健派・改革派を問わず衝撃を持って受け止められ、彼の発言の真意は何なのか、これからお前たちを暗殺するという遠回りな処刑宣言か、まさか本当に元FHの下賤な女に絆されたのか、……などといった混乱が巻き起こった。当のアッシュは周囲の動揺について報告を聞いて「ふん」と一言発したきりそれ以上は気に掛けなかったという。余談だが、この事件がUGN本部を駆け巡ったのとほぼ同時刻に査察部第四課の課長室から悲鳴とも絶叫ともとれる声と机が叩き壊される音が聞こえたらしいが、真相は明らかになっていない。
対して内的心境の変化とは、マスターマインドの心理的束縛から解放されたことと、アッシュへの信頼・興味が増したこと。今のキリエはもうマスターマインドを前に怯える女でなく、主であるアッシュからの期待に応えようとその身を奮い立たせる懐刀。アッシュのことをより知りたい。もっと知りたい。……その感情は一般に「恋」と呼ばれるものらしいが、そういったものに疎いキリエがそれを自覚するのはまた先の話になる。

『調整』

FHの暗殺者として施された処置。言ってしまえば「命令を聞くようにさせる」技術だそうだが詳細は不明。キリエへの効きは弱まっているようだが…？

氷見塚は『調整』した一族を有力者に納入することで権力を獲得してきた。
命令であればいくらでも人を殺せるようになる。しかし心が動かなくなるわけではない。今こそ蓋をしているが、心の奥底に沈殿した澱はいずれ彼女を蝕むだろう。

人間関係

アッシュ・レドリック

UGN中枢評議員。（上級91、UA59）現在の主。自分が懐刀に取り立てられるほど期待されるとやはり『なぜ？』という疑問が頭に浮かぶ。そして同時に、そもそもアッシュのことをよく知らない自分に思い至る。もっと彼のことを知りたい。そのためにも彼の期待には応えたい。

マリア・チェスノコフ

査察部第4課長（上級93）。キリエはマリアから敵視されている。それはアッシュに目をかけてもらえる直属の部下という点でライバルだからか、それとも元FHという素性を危険視しているか、それとも暗殺者としてどちらの技術が上か興味を惹かれるのか。いずれにしても、諜報員として身分を偽り潜伏しているとき、身内のはずの査察部第4課は信用できる相手ではないだろう。強気なマリアを相手にするたびに「すみません…」と押し負けがちだが、もし暗殺勝負となったらマリアより先に殺せると確信している。暗殺技巧は自己否定的なキリエの数少ない自負である。……そしてキリエが懐刀になってから、さらに当たりが強くなったという。

ローザ・パスカヴィル

UGN日本副支部長（上級88、UA65）。アッシュ・レドリックと繋がっているため、日本で活動する際には彼女との連携（場合によっては彼女からの命令）もあるかもしれない。

天舟巴

FHマスターエージェント・リエゾンロード候補（PE60、UA62）。FH時代の関係者、実質的な上司。暗殺を筆頭に様々な任務を命令されていた。かつては彼女の底知れない腐臭を本能的に恐れていたが今は違う。忌まわしい軛を脱したからには、次に対峙するときは彼女の首を落とす時である。

家族

FHの一族。自らの手で殺した、ことになっている。UGNには既に死んでいるとだけ伝えており、自ら殺したとは伝えていない（もちろん既に知っている可能性もある）。実は生きていたことにしてもいい。あるいは殺した家族というのも元々全員じゃないかもしれない（その場合は残りはマスターマインドに人質にされているか、独自に動いているか…）。今は家族を殺したことをそこまで大きく考えていないが、人間性を回復していく過程で、暗殺者の経歴、そして家族殺しが大きくのしかかって圧し潰されるかもしれない。この辺りは殺した瞬間の情景や描写で設定がどう生えてくるか次第。いずれにせよ自由枠。

私（アッシュの直属の部下。元FHでマスターエージェントの優秀な美人暗殺者。厄ネタなのにアッシュは手元に置いてくれてるし｜懐刀《レイザーシャープ》にまでしてくれてる。後になって査察部4課長とキャラが被り気味なことに気付いて大汗をかく。）


めでたく諜報員から懐刀にレベルアップしたのでアッシュへの興味も増えてだんだんと『冷たい女』からの脱却を目指す。それに連動するようにPCパーティへも意識が向くようになったり。エフェクト面でも今までは攻撃エフェクト中心だったのを「他者を理解する余裕」が生まれたことでサポート系を積めるようになったり…（現時点で主要攻撃エフェクトを取り切ってるからでもある）。

いずれは「アッシュに駒として能力を評価してもらえているが、それでも私個人を見てもらいたい」という欲望を持って暴走してしまうくらいに人間性を回復したい。その時にはアッシュと同じ思い・理念を共有できたとしてワークスも暗殺者からUGNエージェントに変更させたり……。
その後もだんだんとアッシュのことが気になっていき、持て余していた感情というのが恋とだと気付いて暴走させたい。
暗殺者の彼女は、覇道を歩むアッシュの影になることしかできない、とはじめは思うものの、最終的には彼の隣に並び立ち支え合うような関係（要は夫婦である）になりたいと思うようになる……はず。

陰気な子がだんだんと明るくなってくのいいよね…。いい…。
最後には満面の笑顔にさせたい。

受動的な性格だけど「アッシュを知りたい」というモチベーションで動かしたい。

カルマの花環

これ私のことだ…

太陽がほしいだけ

これ私のことだ…

叫び –The Freedom You Need–

これちょっと私のことだ…

生命のワルツ

これそこまで私のことじゃないけどいい曲だ…

踊る星屑

いい曲だ…

光の雨が降る夜に

いい曲だ…

One More Time

いい曲だ…