自らの血で蛇腹剣を作り、敵によって扱い方を変えている。
接近戦では剣のままだが、遠くにいる敵に対しては剣に柔軟性を与えて射程を伸ばす。
多くの敵を相手取る場合は、鞭のように剣をしならせて周囲を薙ぎ払う。
多数の敵を相手取る場合には、腕の構造を組み替えることで攻撃を可能にしている。
遠距離、多数攻撃を行う場合はかかとから骨を地面に突き刺し、動かないように自分の身体を固定する。

不義理をした夫との間にできた子。
産むつもりはなかったと、ことあるごとに言われて育った。
年の離れた兄と姉は別の男との子どもだったようで、二人に対してはごくごく普通の子どもとして接している。
何も望まれなかった代わりに、何も求められなかったため、愛情も期待も得られなかった。
兄姉は母の代わりに世話をしてくれたが、子どもながらに抱いた空虚は埋まらなかった。

オーヴァードになり、力を得たことで、自分が何かをすれば何かしら結果が得られることを学んだ。
自分の功績が積み上がることで、誰かに認められていると確かめているような節がある。
支部長を志したのは、名前のある地位に就くことで安心感を得るためであった。
だがそのために前線に立ち、仲間を失う中で、力があってもままならないことがあると知り、自分のためだけでなく、誰かのために力を扱えるようになりたいと考えを変えていった。
仲間がいくらできても、功績を積み上げても、この空虚は決して埋まらない。
それを理解した上で、力を扱うようにしたいと願っている。