褐色肌と金髪碧眼の中性的な顔立ちが特徴の青年。エジプトの方の生まれであるという。
その正体は、砂の集合体からなるレネゲイドビーイング。人間に対するスタンスは「興味深い観察対象」。

性格

ふわふわした掴みどころのない言動をする。言動だけでなく実際の体も宙に浮いているが。
誰かをおちょくるのが大好き。というより感情の機微を観察するのが好き。
気に入った表情を見つけてはスケッチするのが趣味で、表情を観察するために様々な悪ふざけを仕掛けることも。

能力

能力は砂の生成・操作、及び重力操作。自身の体そのものが砂でできているため、生み出した砂を取り込むことも可能。
重力によって自身の質量を操作し、肉体の砂の分量を上下させ体積をも操作することで浮遊する。
壁の内側を部分的に砂に変え、自身も砂になることで僅かな隙間も通ることができる。

戦闘での役割は防御壁となること。“城塞(フォートレス)”の名を冠する由来である。
腕を分離して砂の壁へと変化させそれに重力を掛けることで圧縮、堅牢な盾となる。
重力の掛け方を工夫することで面攻撃を全て引き寄せたり、そもそも行動させなかったりと応用が利く。

いつ生まれたのかもわからないほど永い時を過ごした。
ただ浮かぶだけの砂。それに自我はなく、傍から見ても特別なものには見えなかっただろう。

風に飛ばされる綿毛のように、あてもなく地球を漂った。
何も感じず、何もわからない。生命と呼べるかも怪しい、おぼろげな存在だった。

転機はほんの数年前。面影島事件、というのが日本で起こったらしい。
たまたまその砂も日本を漂っていた。だからきっと、巻き込まれたのだろう。

突然のことだった。ずっと空白だった心の中に、あまりに大きな「何か」が流れ込んできたのだ。
誰かの意識か、誰かの自我か。誰かと誰かと誰かと、誰かと誰かと誰かと誰かと誰かと誰か…
あらゆる景色が溶け、混ざり、沈み、浮かび、そうして一つになった。ただの砂の塊に、一個の確かな自我が宿った。
「アースィム・アラール・カウン」誕生の瞬間であった。

混ざりあうたくさんの意識の中に、決まって出てきた顔があった。
それが何者なのかはすぐに調べがついた。『プランナー』都築京香。面影島事件の主犯にして、同じレネゲイドビーイング。
生みの親、ということになるのだろうが、どこかうら寒いものを感じる。

自我を得る前の記憶が断片的に残っている。人類の、社会の進化、発展、戦争、衰退、また発展…
自我を得た今だからわかる。人間の煌めきに満ちた変化の数々は、実に興味深いものだった。
とりわけ面白いのは感情だ。人間の全ての行動の根底に渦巻く謎の現象。もっと、もっと知りたい。

もっと早く気づけなかったことを悔やんだ。今まで見たものが断片的にしか思い出せないなど、勿体ない話だ。
そして、気づいたからにはこれから目撃する全てを記憶に刻み込むと誓った。
感情が最も表現されるのは表情だ。数え切れないほどのパターンを持ったそれに、ひどく心惹かれる。
さあ、ボクに示してくれ、人間。ボクに見せてみろ。キミ達の全てを、ボクに教えてくれ！

購入：鎖帷子
成長：砂の守護者、魔人の盾