乳灰色の髪に水色の瞳をした少女。

　静かでおとなしいと見せかけて、声に出さないだけで《声なき声》で結構自己主張してくる。図太い。

　生え抜きのUGNチルドレン。現在はUGNN市支部に所属している。過去の経歴は特別な素質を見出されたUGNチルドレンとするカバーストーリーが流布されている。

　UGN側のインフィニティコードに対する研究アプローチの一つとして、"コレクター"カイエとの戦闘で得られた細胞片から生み出された複製体。ただしサンプルの量が不十分であった事や、研究の趣旨である、「一つの身体にシンドロームはいくつ発現させられるのか」を確認する為に他の有力なオーヴァードのサンプルも混合されており、完全な複製体ではない。

　実験自体は幾多ものプランが並行して行われており、その内の一体に過ぎない彼女は実験体として様々な試験を受ける日々を過ごした。ウロボロスの研究材料としては、結局ウロボロスシンドローム自体の発現度合いが低かった事もあり有用性は見出されず、次第に試験内容も研究者の興味本位によるものに偏っていった。

　研究所は結果としてどの計画においてもあまり芳しい結果を出すに至らず、政争の末に霧谷雄吾の介入により解散させられる。残された実験記録や実験体は接収及び隠蔽され、それぞれの道を進むことになった。ナナはその実験体の内の一人として、カバーの経歴を与えられ、霧谷雄吾の影響力の強いN市支部へとチルドレンとして配置されることとなる。

　N市に配属される直前、適性を図る為にゼノスへの偵察任務に同伴した折の事。現場で他UGNエージェントの管理の元偵察を行っていた所へ、ゼノスへの妨害工作を図った春日未央が乱入。そのままゼノス-FH-UGNでの三つ巴となり、混戦の末無事にUGNエージェント共々撤退に成功した。初めて出会ったFHエージェントであり、かつ初めて交戦した相手ともなった為、ナナの印象に強く残ることになった。