名前：田中 慈論（たなか じろん）
性別：男
カヴァー：中学校教師

心の色：赤　美咲との結婚指輪。彼女の誕生石だったガーネットを使った。
経験：約束　君に誓った約束をした。永遠に守ると決めたはずだったのに。
邂逅/欲望：恋人　大切な人。
覚醒：犠牲　犠牲になる君を見捨てられない。“護る力”が欲しかったのに。
衝動：飢餓　心に穴が空いた。何をしても、この穴が埋まることはないのかもしれない。

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妻を交通事故で失った。本当に偶然だった。
二人で散歩をしながらいつもの道を歩いている途中、後ろから突っ込んできたトラックに二人して巻き込まれた。
俺はその衝撃に耐えられずに敢え無く吹っ飛ばされた。俺が道路の方を歩いていたから、美咲は俺より軽傷だといいなと思って彼女を見たら、彼女はコンクリートとトラックの間で潰されていた。
すぐに警察が駆けつけて俺たちは病院へ運ばれた。後から飲酒運転だったと聞かされた。どうでもいい。
彼女は未だに目を覚まさない。昏睡状態だと言う。医者からは「あの状況で命があっただけでも奇跡だ」と言われた。
奇跡？ふざけやがって。何が奇跡だ。そんなものがあるなら、あの事故の前に戻してくれ。
なんでもいいんだ。それこそ、“虹色の魔法”でも。

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結婚して3年目。小さな喧嘩はたまにあれど、上手くやっていた。
妻の田中美咲は漫画家でとある少女漫画を描いている。
普段少女漫画なんて読んだこともなかったが、美咲の仕事だからと律儀に毎巻目を通していた。
交通事故によって美咲が昏睡状態になり、その隙を“心を喰らうもの”につけこまれた。

「月虹町」では、妻の描いていた少女漫画の主人公である「緋名 千明」の姿を取ることになる。
誰とでも仲が良く、友人や家族を大切にする朗らかな少女。それは何よりも妻に似ていた。
「緋名 千明」の姿を取ることで、無意識に妻の姿を求めていた。

妻を守れなかった後悔と無力さは、「田中 慈論」という自身の形をとって現れた。
現実世界の自分の自分とは異なり交通事故により最愛の人を亡くしてしまった「田中慈論」は、正に「自身の無力さと後悔」の象徴だった。


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