一の姉は駆け出しの女優。両親が夜逃げしたため姉と二人暮らしだった一は、演技力があり顔面も整っていて、しかし驕った様子のない姉がとても大好きだった。姉がデビューする舞台当日。舞台の緞帳が上がったまさにその瞬間、その会場がFHの襲撃に遭った。一が身を呈して姉を庇った結果、その攻撃がきっかけで一はオーヴァードに覚醒してしまう。
記憶処理のおかげで一・姉双方が日常に戻ったかと思った。しかし一は、姉が一の顔を見るたびに嫌そうな、そして申し訳なさそうな顔を浮かべていることに気が付いてしまう。姉の記憶消去が上手くいかず、一を見ると襲撃された日のことがチラつくらしい。
そのため一はUGNのツテを辿り、工作員になる道を選んだ。現在の目標はどんな手を使ってでも『洗脳装置』を手に入れること、そして姉から一自身の記憶を消去することである。
(※仕事を斡旋してもらった借りがある為、UGN本部査察部4課からの仕事を優先的に受けなければならない)
工作員になってからも姉を応援している気持ちは変わらず、こっそり姉を推している。

「俺なんて、味も香りも無い人間ですよ？ そんなに疑われても困ります」
「ぬるっと参加してますんで、俺のことは空気のように思ってください。なんてね、わはは」

「種も仕掛けも影も形も、味も香りも致しません」
「残るは眉間に穿つ穴。残すのはたったそれだけで充分」