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5/28(グロリオサ)
N市の高校に通う女子高生。女バレに所属しておりポジションはスパイクを決めて点を取るアウトサイドヒッター。
父親がバレー選手だった影響で球技に親しみがあり運動全般を得意とするが、水泳だけはできない。
明るく人懐っこい性格で、どんな相手でもお互いのことを知れたら友達になれると思っている底抜けの前向き思考かつ楽観主義。
一方で、他人の痛みや挫折に人一倍敏感なところがあり、そんな人たちの手をとって明るい場所へと飛び出す存在に自分がなれたらと考えている。
一瞬、一秒、一日、一生を大切にして生きていきたい。
「あたし彼方こばと!遠慮なく “こばと” って呼んでね、しくよろっ!」
「ふぁあああ〜〜〜、今日もいい朝ぁ…。これはいいお昼寝日和になる…ってお隣さぁん!やぁやぁおはようございますよぉ、本日の隠密パンも準備はよろしいことですかしらぁ?」
「はっはっはっ、こばとさんに勝とうだなんていい度胸ですなぁ。ぜえええええっっっったいに手加減とかしてやらないけど…それでも、やる?」
「本ってすごいよねえ〜、ページを捲るだけでいろんな場所に旅立てるんだもん。意外かな?あたしってば本だーい好きなんだよね」
「すっごーーーい!!なにそれ魔法!?変身術!?七変化ってヤツ!!!?あのぅ……ちょっとだけなら触っても良かったりしない?」
「わっ!!!なに!?マジック!?ミスディレクション!!!?タネも仕掛けも……えっ、本当に無いの!!!?やばっ!!!!稀代魔術師だ!!!!!!」
「………わぁ。やばーーい、三途の川を渡ったと思ったらかわいいお嬢さんが見えてきたぁ。…え、現実?あっ、ほんとだ。失敬失敬ってイタダダダッッ…!怪我めっちゃ痛いんですケドォ!?」
「さっきからうるっさいなぁ!!!!そんな理論武装微塵も興味ないから!!!とっととあんたの本音を聞かろーー!!!!!!」
「希望に向かって羽を伸ばすことは決して間違いなんかじゃない。それをあたしが今、……ううん。生涯をかけてあんた達全員に知らしめてあげる」
「———我が命題(名)は 《反証の蝋翼“アンテーゼ”》 。この翼、灼けるものなら灼いてみなさい」
モチーフ:ノアの鳩(平和の象徴)、イカロスの翼(希望や可能性をもたらすもの)
ネーミングロジック】
・どこまでも→遥か彼方へ→彼方
ノアの方舟の“方”をどうしても入れ込みたかったところに、「どこまでも」「遠方」を意味する広がりを感じられる『彼方』を見つけ採用した。単純明快に“かなた”よみじゃないのは“かた”って語尾が気に入ったから。
・平和の象徴→鳩→こばと
鳩でありながら、言葉でもある。戦いは避けられないけど、どんな状況でも“ことばをかけることを忘れないように”そう思いを込め名を冠した。
蛇足だがコードネームが『アン“チ”テーゼ』じゃないのはチを抜くことで「チがない」→「血がない」→「血を(極力)流さない」的な意味がある。
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『こばとはね、お母さんの翼よ』
そういった母の顔は随分と青白かった。
母はいわゆる重病人というやつで、いつからかずうっと 病院のベットの上に拘束されていた。
もちろん、拘束というのは病床に臥す母を比喩したものだけれど、幼き日のあたしにとっては母が理不尽に閉じ込められている様にも見えていたのだ。
だからいつかのあたしはこう尋ねた。
——おかあさんかわいそう、ずうっとベットのうえなんてつまらないでしょ。 と
物心ついて以来、全てを振り回して動き回る幼児からすれば、四六時中じっとしているなんて何かの修行のようにしか思えない。それゆえ母の立場は当然のように苦しいものとばかりに思われたし、実際そのように感じたのだからこのような質問が口をついで出たに違いない。
しかし、かえってきたのは意外な反応である。
『あなたがいれば私は何処へだって飛んでいける。だから毎日退屈なんかしてないわ』
だなんて。当然あたしは目をまぁるくして驚きと疑問を露わにしたけれど、母はくすくす笑い、まるでおかしなことでも聞いたかのように声を弾ませこう返す。
——あなたは翼で、開けばどんな物語にでも連れて行ってくれる絵本のような存在なのよ。 と
そう。あたしの母は誰よりも身体が不自由であったけれど、誰よりも心が豊かな人でもあったのだ。
悲観せず、ユーモアがあって、決して折れない心を持った強い女性。幼児の話に真剣に耳を傾け、一緒に話を楽しんでくれる。そんな懐の深さがあった。
それはあたしの前から居なくなるその日まで変わらず、母はいつだって。何度だってあたしを優しく包んでくれる強い人のままだった。
『この先何があっても、こばとなら大丈夫』
『あなたは何にだってなれるし、何処へだって飛んでいけるのよ』
『だってあなたは私の———』
しってるよ、お母さん。
だってあたし
「おかぁ、さん………の…っ、」
薄れる意識の中。懐かしいことを思い出してしまったのは、自身から溢れ出る血液が温かかったからだろうか。それとも、身体を切り裂かれたことによる走馬灯によるものだろうか。
意外にも冷静に己を見つめている現状に呆れを感じていれば、いよいよ膝から崩れ落ちてしまう。もう立つこともままならない癖に、そこにあるのは理不尽に対する怒りでも、憂いでもない。
ただただ死へ向かう事への受容、あるいは物静かな理解だけだ。
———本当に?
本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?
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数十回の自問自答。数秒間の自問自答。
もはや数字の感覚も無くなった頃、あたしはあたしの中で何かが目覚めるような音を聞いた気がした。
『——————————————————』
——これはきっと、あたしが運命に抗う物語。