5・6年ほど前に老若男女問わず大勢の人が何者かに襲われたかのように意識を失った事件。
対象者の周囲で「白い鯨」のような何かが何度も現れていたことからこの名称がつけられている。
実際はとあるヴィランによって引き起こされた精神世界へのテロ行為であり、核となるＲＢが精神世界で倒された後もその残滓が暴走することとなった。
精神の死亡などひそかに被害は拡大しているなか、同じヴィランの手で作られていた大量の「無疵なる石」を埋め込まれた兵器であるタクトの手によって『残滓』の隔離と精神体の蘇生が行われたのだという。
なお、残滓の力で稀に人の精神が引き寄せられるらしく後始末も割と大変らしい。

一応、名前自体は精神世界で”旭鉦一郎”が彼女に重ね合わせていた妹の名前を拝借している形である。
正直ちょっと申し訳ないらしいが、兄本人がいいというのでそのままになっている。
夢及び精神世界での活動の為に一日の殆どを睡眠に費やしているのと、急遽培養層から出されたためリアルの肉体はだいぶ弱っている。一応ほとんど寝ているといっても結構起きていられるときもあるらしい。
また、植え付けられた「無疵なる石」は某神様のご神体の約三分の一であり限定的ながら死者蘇生も成功している。
ただし、肉体まで蘇生できた例は人でないＡオーヴァードとＲＢだけであり基本的には魂―精神の再生能力のみを保有している。

タクト…『カタストロフ』には後継機とも、本体の護衛とも呼べる実験体がおり、かつて『ブランク』と呼ばれていた少年――現在ではニンバスと名乗る少年だった。
研究者に代わり、夢の中で真っ新にされた彼を教育し続けていたのもあってタクト的には弟扱いである。
タクトと”虚無の女王”を用いた作戦が失敗に終わった際に兄二人の手で彼もまた保護されている。
事件後に虚無の女王は真上ゆかりとして蘇生、後継機の方は最近になってようやく記憶が戻ってきてたまに姉弟として話すことが増えた。