容姿・経歴・その他メモ

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「春那、風華。父さん、いってくるよ」

楊 仙正の身体はわなわなと震えていた。
霊符「ブレイカー」は超常の力と引き換えに所持者の身体を蝕み続ける。
徐々に広がる身体感覚の欠乏、度々起こる理性の消失。
このままではいつか人間でなくなる。
楊 仙正は震えを止めようと拳に強く力を込めた。

固くなった拳に手が触れる感触があった。最愛の娘たちの手だ。
「こんな寒い日もお仕事ですの？今日ぐらいお休みしてもバチなんて当たりませんわ」
「私、お身体を暖めるとっておきの料理を思いついたんです。よかったらいかがですか？」

そうか、今日は寒かったんだ。
自分の心の内を悟られないよう、娘たちを優しく抱きしめた。
彼女たちの体温はもう分からない。
ただ、己の胸の内に溢れるものは確かに暖かった。


継承者-ｻｸｾｻｰ（◇）

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