容姿・経歴・その他メモ

完全なる純粋培養のFHチルドレン。
レネゲイドの力の因子を埋め込まれた試験管ベビーとして生を受けFHの実験施設で育った。
9歳の頃に『人為的にオーヴァードの衝動を増幅させる研究』の負荷耐久実験に被検体として投入される。
衝動の対象は『破壊』。
これは被験者が過負荷によって死亡することを前提にした実験だったのだが、FHセルの想定する衝動増幅量の限界を遥かに超えてもなお彼は何の問題もなく生き続けた。彼は破壊衝動を自身の内に溜め込む天性の才能持ちであったのだ。
しかし実験体としては欠陥であったため、処分を含めた扱いに困った実験施設側は彼を一般常識等の情報を適当に睡眠学習で詰め込ませ、別のセルに安値で売り飛ばした。そして複数のセルを転々とし、現在に至る。

彼自身の名前はもともと無く、実験施設でつけられた『D-173』～破壊衝動実験の173番目の被検体～という制式番号からもじって『稲見　大也』という偽名を名乗っている。

その特異な出自、そして適当に植え付けられた社会知識の影響で『寄り添うことのできる誰か』の存在、つまり『友達』を常に渇望し続けている。
きっかけは引き取られたセルのアジトの片隅に置かれていた古い漫画本。そこには『好敵手との激しい戦いを通じて真の友情を育む』といった友情の物語が描かれており、無垢な存在だった大也の心に深く突き刺さり、以後の彼の行動指針の基になっている。
具体的には、『真の友情を育むため』には『暴力を通じて相手との相互コミュニケーションを図る』ことが必要だという信念のもとに、彼が独自の基準で「この人とは友達になれそうな気がする」と決めた相手に対して喧嘩を吹っ掛け、一般人であろうとお構いなしに半殺し、下手したら殺害一歩手前まで追い込む（時々手遅れ）という異常行動を取るのだ。
当然、そんな手段で友達を作れるはずもないので毎回ぐずり泣きながら『友達候補』を痛め続ける日常を送っている。

獲物は身の丈ほどの大きさの大型の斧。これに『いつまでたっても友達ができない』悲しみと絶望と溜まりに溜まったフラストレーションを込めて振り回し、敵対存在を粉砕するのだ。

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