容姿・経歴・その他メモ

穂村 翔(32)

障害福祉施設『ゆうひ』の館長であり、UGN唐杉市支部長。『ゆうひ』では、オーヴァードへの覚醒の際に身体を欠損してしまった人や、戦闘によってリザレクトで直しきれない程の重傷を負った人の社会復帰又は戦線復帰を支援している。
本来この立場は志野翔哉のものになる予定だったが、彼が殉職した為、相棒の穂村がこれを引き継いだ。
パソコンとにらめっこするのは性にあわず、営業や実務をしている部下がちょっと羨ましいのは、立場上口が裂けても言えない。

最近、職場で仲の良いとある女性のいつもとは違う一面を思いがけず垣間見たり、その少し後にその女性の前で大号泣したりしたので、会うのが少々気まずい。どうしても意識してしまう。それでも、穂村はその女性と付き合う気はないそうだ。付き合えない理由があるのだとか。

【来歴】
何の変哲もない家庭に生まれ、何の変哲もない学生時代を過ごし、何の変哲もない社会人になる。これといった特技や才能もなく、本人もその事に不満はなかった。

8年前、家族との外出中に暴走車と遭遇。両脚を失う大怪我を負ったものの意識は辛うじて保っていたが故に、家族を失った絶望、暴走車への憎しみ、そして何より生への渇望がオーヴァードへの覚醒へと導いた。

後日、病室に来た霧谷雄吾から、暴走車の運転手が運転中にジャームとなったのが事故の原因であると知らされ、自分のような目にあう人を少しでも減らす為にUGNへの参加を決意する。

力の使い方や車椅子での戦闘法を学んでから、唐杉市支部へと配属され、そこで志野翔哉と出会う。穂村の車椅子は、彼が押してくれていた。今は、新しく配属された相棒に、実務訓練と称してたまに押させている。掴み所がないので非常に分かりにくいが、きっとそこまで悪い気はしてなさそうだ。


罪を背負った。拭いきれない、消える事の無い大きな罪。
『相棒』だった彼を、彼女の『兄』だった彼を2度、自らの手で奪った。
あの子供達は、考えに考え抜いた末に、自分達の友人を手にかけたというのに、｢これで良かったのか｣などと今になった迷っている自分の弱さに、心底腹が立つ。

あれから何度も同じ夢を見る。
あの日の空に散った氷の欠片が、煌めく風になって自分を包み込む。その様子を傍から見ている夢だ。どうしてありもしない光景が夢に出てくるのか、なんであんな視点なのか。気にしたところでどうにもならないのに、気にせずにはいられない。

｢病は気から｣、変化は着実に起こっていた。
それは、自他共に気付けぬ程の小さな変化だった。

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