彼が16歳の頃、ある日突然ヴィランに一家で襲われる。ヴィランに襲われた両親を助けようとした際に能力が発動し暴走。意図せず父親を「消滅」させてしまい、彼を止めようとした母親の片腕も「消滅」させてしまう。
救助に入ったプロヒーローが、当時開発されたばかりの抗レネゲイド剤などの力を借りながらなんとかその場を収めて虎三郎を保護した。

その後しばらくは、保護してくれたプロヒーローの元で力の使い方を学びながらヒーロー活動の手伝いを行う。
「プロヒーロー」という職業に憧れを抱くも、自身の能力が「人を助ける」ことよりも「人を殺す」ことに向いている能力だと自覚していき、自身の力をどう役立てたら良いのか迷いが生じる。

彼が21歳際の頃、自身が将来どういう道に進むか迷っているところにUGNが設立され、プロヒーローとしてヒーロー登録を行う。
すると、彼の「消滅」の能力に目をつけたUGNから、「『ジャームを分子レベルで分解し消滅させることで完璧な“処理”が行える』という君のその能力を活かして“UGNジャーム処理班(ハンターズ)”をやってもらえないか」、とスカウトされる。

間接的に「人殺しをやれ」と言われたことに一時は憤慨し断ろうとする。
しかし、自分が断ることで結局は他の誰かが同じ仕事をすることになるのなら、自分の能力をここで活かそうと思い引き受けることにする。

それからは徐々に表のヒーロー活動の頻度は少なくなっていき、しまいにはほとんど表のヒーロー活動をすることは無くなった。
暇を持て余していた彼を見たUGNは、彼に新しく出来たばかりのプロヒーロー養成学校である「夜来学園(やらいがくえん)」のヒーロー養成科教師をやってくれないか、と依頼する。

最初は「人殺しの俺にガキの教育をさせようなんて、UGNの上層部は頭が狂っちまったのか？」と断る。
しかし、「まあ一度生徒たちの様子を見て行ってくれたまえ」と連れて行かれた学校で見た、能力の使い方が拙く危うい生徒たちの姿にかつての自分を重ね、「生徒たちが自分の力を正しく人助けに使えるように」という想いから教師を引き受ける。

こうして彼は今、「UGNジャーム処理班(ハンターズ)」と「教師」という一見おかしな組み合わせの二足の草鞋を履いて日々働いている。
生徒たちに立派なヒーローになって欲しいと思う一方で、裏ではジャームを“処理”している自分のことを密かに自嘲している。

どちらの顔も、「これ以上レネゲイドウイルスのせいで苦しむ人が少しでも減るのなら」という想いの元で働いている。

ジェイミー西崎

新人のヒーロー報道ジャーナリスト。２２歳女性。非オーヴァード。
パラディンのサイドキックであった兄、西崎アレンの影響でヒーローに詳しくなった。
2年前、学生時代に両親を事故で亡くし、直後に兄が任務中の事故で死亡するという不幸に見舞われる。
一時は休学したものの、強い精神力で立ち直り、ジャーナリストとなった。
トラさんは元々西崎アレンを通じて彼女と親交があったが、西崎アレンの死後はより彼女のことを気に掛けるようになった。
トラさんの中ではもはや生徒のような感覚で接している。

西崎アレン

ジェイミー西崎の兄。２８歳男性。元プロヒーロー（故人）。
パラディンのサイドキックをしながら夜来学園の教師をやっていた。
トラさんの後輩。
２年前に任務中の事故で死亡。

猿渡 千里(さわたり せんり)　ヒーローネーム：“陽光の超越者(ビヨンド・ザ・サンライト)”

夜来学園ヒーロー科教師兼プロヒーロー。
トラさんの親友であり最大の理解者。
かつては、トラさんが能力に覚醒した際に保護してくれたヒーロー（氷上 冬吾(ひがみ とうご)）の元でヒーロー活動をしていたこともあり、トラさんとはその頃からの付き合い。
ヒーロー事務所を自ら抱えるトップヒーローであり、ヒーローランキングトップ10以内を長く維持する優秀な人物。
陽気で人当たりが良く、人々に明るさをもたらすような性格。
西崎アレン、姫野虎三郎とは夜来学園の同僚として親交が深く、よく３人で酒を飲んでは悩みや愚痴、夢などを語り合っていた。

氷上 冬吾(ひがみ とうご)（４０歳） ヒーローネーム：“氷の使役者(アイス・オペレーター)”

当時（トラさんが１６歳の頃。１５年前。）の年齢で２５歳くらいの青年。数人のヒーローチームのリーダーをしていた。
シンドロームはサラマンダー/バロール。
バロールの能力で浮遊しつつ、氷の能力で戦う。
爽やかで面倒見の良いお兄さん。

氷上が率いるヒーローチームについて

氷上を中心に、同世代の男女３～４人のオーヴァードが集まって自主的にヒーロー活動をしていた人たち。
チーム名は“黎明(デイブレーク)”。
チームメンバーは皆気さくで面倒見のいい人たちばかり。
UGN発足後は全員でヒーロー事務所を立ち上げ、現在までヒーロー活動を行っている。
現在もトラさんや猿渡と親交があり、たまに事務所を訪れたり飲みに行ったりしている。