容姿・経歴・その他メモ

レネゲイド覚醒実験施設【神の見えざる手】
表向きは宗教施設だが、実態はレネゲイドを故意に生み出すための実験施設。
そこでは“彼”は素体のひとつに過ぎなかった。
下校中に友人諸共攫われ、その友人は見るも無惨なカイブツとなって処分された。
苦痛と屈辱の日々は己を摩耗させ、幸せな記憶が削り取られていく。
それでも、負けてなるものかと、屈してなるものかと抗い続けた先は更なる乖離でしかなかった。
己の命は守ることができた。
だが、あれほど｜希《こいねが》った日常はレネゲイドに覚醒したことで儚くも打ち砕かれることとなった。
気がつけば、目の前には見知らぬ少女。
テレーズ·ブルムと名乗った彼女はすべてを話してくれた。そして、これからの未来についても。
送られた先はチルドレン養成施設【ホーム】
実験場よりは遥かにマシな待遇ではあったが、結局見られる目はどこも同じでしか無かった。
“好奇心”“畏怖”“無温”
そこでは“彼”の予備でしかなかった。しかし、その子供は知っていた。
期待される重責を。求められる成果を。
そんなものを不要とし、甘んじて“予備”でいることを選んだ。
嘲られようと、叱咤されようと、その子供は己を貫いた。それこそが、この牢獄の中でできる唯一の反抗だった。
施設の中で様々な交友を結んだが、その中でも“彼”との親交は一線を画している。反抗するのが苦手な彼に名前をつけてやった。
桐生嚆矢。
それが彼の反抗の狼煙となることを祈って。
始まりの一矢。
それが名前の由来だ。
それを終わらせるのが自分だ。




冷たい牢獄の中、温もりを感じるのはアイツだけだった。俺もアイツも、与えられるのは温度のないコードネームと味のしない食事、それから化け物を見るような恐れを含む眼差し。
普通の人間とは違う能力を持っているだけで、人の皮を被った化け物だと思われる。
─── 俺たちは人間だ ───
どんな扱いを受けようと、人間なんだよ。
だから、名前をつけた。
俺とアイツ。対となる名前を。

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