鮮花の過去

12歳の頃、クロムウェル家の先代当主であるオルガの父が他界した事でオルガや鮮花を取り巻く環境は一変した
次期党首の座を狙い組織や一族の間で権力抗争が勃発、オルガの命を狙おうとする輩も少なくはなかった
そんな中で鮮花の父であり当時のクロムウェル家執事であった“萩風薊”は
オルガを守るため、そして彼女を一人前の当主へと育てるため
まだ12の少女には過酷過ぎる教育を僅かな日々で叩き込んだ
その末にオルガはクロムウェル家の次期党首として一族の人間も認めざる負えない程の手腕を身に着けることが出来た
しかしながらそんな日々はオルガから少女としての顔を奪い
そして実の姉妹のように接してきたオルガと鮮花の関係は決定的に変わってしまった

幼い頃からクロムウェル家の当主を守護するため、プロとしてのあらゆる知識、技術、技能を刻み込まれ育った鮮花は
その集大成として父である薊から彼の持ちうる全てを継承され
そうしてオルガは掛けがえのない最愛の友人から、“自らの全てを捧げて仕えるべき主”となったのだ

｜萩風 薊《ハギカゼ アザミ》

鮮花の父で、クロムウェル家の先代執事長
若い頃にオルガの父に拾われてから、彼の従者としてその仕事を影から支えてきた
しかし彼の死を機に、自らの役目を次世代に託すことを決意し、オルガと鮮花を一人前に鍛え上げた
それを終えた薊は、それまでの間反発する組織の人間を抑え込んでいた責任を取って
現役を退き、執事としての役割を鮮花に託すこととなった
現在はオルガらが留守にしがちな英国にあるクロムウェル本家の屋敷の管理を任されている
ちなみに妻は鮮花が幼い頃に他界しているが、薊曰く自分よりも強かったらしい

愛車であるロールス・ロイスファントムⅦについて

鮮花が愛用する“ロールス・ロイスファントムⅦ”は父から受け継がれたものの一つであり
どういう経緯でEXレネゲイドとなったのか、どこで手に入れたのかはは鮮花は一切知らないが
普段からオルガが移動する際には必ず鮮花が運転し、非常時の対応に備えている
父が言うには車としての姿は仮初のモノであり、秘めたる力を備えているらしいが
そこについては鮮花は教えてもらっていないため使用することは出来ない
鮮花曰く『ロボットに変形するより車の方がカッコいいし、“ロボはお嬢様に似合わない”』とのこと

UGNエージェントとして

UGNの支部長となったオルガについていく形でエージェントとしてUGNに所属しているが
鮮花にとってはオルガがいる場所が自分の居場所であり
それがUGNだろうが、ファルスハーツであろうが関係ないのである
たとえ世界を敵に回しても“オルガを守る”それが鮮花にとっての全てなのだから

一方で、世界と“人々の日常”を守護するというUGNの理念には少なからず共鳴している
自分達は幼い頃から世間の人間や、同い年の子供達とは違った日常を歩まされ
そんなに歪んだ日常すら儚く壊れさってしまった
せめて、自分以外の誰かの“日常”は壊させない
そんな想いが鮮花にはある

遺物探索局極地派遣支部“クロムウェル”

オルガ・デラ・クロムウェルが支部長を務める、UGN遺物探索局の一セクション
遺物探索局といっても名ばかりで、ジャーム討伐を生業としていたクロムウェル家をUGNに迎え入れる際に
当主であるオルガを始めとして“遺産”の所持者が複数いたことから、その管理・監視を兼ねて
遺物探索局の下部組織として、極地派遣支部、通称“クロムウェル”が設立された
その主たる任務は各地のUGNで“対処の困難なジャームの討伐”であり
各支部からの要請を受けて現地に実働隊（といってもほとんどオルガと鮮花）が派遣される
支部の本拠地は英国にあるものの、各支部からの要請を受けて派遣される都合上
各国に最低限の機能を有した仮拠点を有しており、任務中はそこに滞在している
現在はコードウェル博士の声明を受けて混迷を極めている日本を中心に活動しており
鮮花としてもご飯がおいしいからという理由で英国に帰らないでずっと日本に居たいと思っている

コードネーム“｜傍の荊薔薇《ミラージュソーン》”

主人であるオルガの二つ名“｜餞の薔薇《ミッシングローズ》”から取っており
如何なる時でも主人の傍らに立ち、それに触れようとする悪しきモノを引き裂く荊薔薇であれという
鮮花の決意の表れである
オルガが齎す餞を妨げるものなど在ってはならない、その障害となるもの全てを鮮花は振り切っていく