とあるFHセルの研究者は、一部のUGNのエージェントやチルドレンが服用しているらしいオーヴァード専用ビタミン剤に目を付ける。ビタミン剤と言ってもレネゲイドが微量ながら使用されているため厳重に管理されているその[秘薬（ビタミン剤）]──『もしかして、バロールのエフェクトと組み合わせたら自然にオーヴァードないしジャーム作り放題じゃないか？　バレたらバレたで、ＵＧＮのせいにすればいい』
　そうしてＦＨのエリートエージェントに命じたことにより、その[秘薬（ビタミン剤）]は盗み出され、サンプルとして研究され、ジャーム量産用に……なるはずだった。

「うわ～ん！　寝坊した～！！　遅刻遅刻～！！」
　盗人エリートエージェントは曲がり角で、トーストをくわえて全力疾走する女生徒と衝突！　少女に構わず慌てて[秘薬（ビタミン剤）]を入れた鞄を回収し、セルに戻る。

　エージェントはセルに帰還。ＵＧＮの追跡もなんとか撒いて研究者が[鞄]を受け取り確認する。中に入っていたのは高校の教科書、パウンドケーキ、[秘薬（ビタミン剤）]によく似た[ただの金平糖]。[秘薬（ビタミン剤）]は、いずこへ……？
　一方そのころ。少女の[鞄]には[昨日お母さんにもらった金平糖]しか入っておらず……チャイムが鳴り、絶望と共に膝から崩れ落ちる！
「いくらおっちょこちょいだからって、腹ペコだからって、あたし、こんな……」
　涙とともに口にふくんだ[金平糖/オーヴァード専用ビタミン剤]は、なぜかカレーの味がした。

　ダブルクロスThe 3rd edition『Lost sweets～１か月間３食カレーの悪夢～』
　ダブルクロス、それは、３日続いたカレーの味……。
(以上、存在しない脳内シナリオより)