01.エフェクト《スパークウェッジ》Lv4→Lv5に成長。
　02.技能〈白兵〉Lv9→Lv10に成長。
　03.ユニークアイテム「リーサルシャイン」常備化。
　04.ユニークアイテム「エクスプローラーズブーツ」常備化。
　05.アイテム「思い出の一品」常備化。

　私の“日常”が壊れたあの日。――私は『無力』だった。
あの日。私は病院で目を覚ました。隣のベッドは両方空で。――親友とは二度と話せないと思い知った。

　親友と食事に映画にショッピングにと、欲張って休日を街で過ごそうと約束していた。しばしの時を経て、
当日を迎え、私と彼女は約束通り目一杯遊びに遊んだ。気づかぬ間に夕焼けが沈みそうな時間になっていた。
それが“非日常”へと世界が変わる瞬間だとも気づかずに。
　ヴィラン。特異な能力を以て悪事を成そうとする彼らが、一瞬で街を混沌の渦へ叩き落とした。
私と彼女は必死になって裏道を逃げていた。ここなら見つからない筈。逃げられる。そう思って。

　だけど――それはとんでもない間違いだったのだ。

　少し開けた場所に出た時、ビルの屋上からヴィランが飛び降りてきて、私達の目の前に轟音と共に着地する。
そして、踵を返して逃げ出そうとした私達を風を操って転ばせた。獲物をどうやって嬲ろうかと考えている
にやけ顔を隠そうともせず。

　先に立ち上がった私に、彼女は助けてという風に手を伸ばす。私もその手を掴み返そうと手を伸ばし……
手と手が重なろうとした瞬間、私の身体は宙に浮き、そのままビルの壁に叩きつけられる。
親友が伸ばした手はヴィランに踏みつけられ、苦痛の呻きと泣き声が、衝撃で息の出来ない私に届く。

　全身の痛みを堪え焦点の合わない目を必死に開ければ、ヴィランは彼女の細い首を掴み軽々と親友を空中に
持ち上げていた。息が出来ない彼女の足がばたついて、その手はヴィランの腕を外そうと掴んでいる。

　私は立ち上がろうと地面に手をついた。でも身体が動かない。私の身体なのに。どうして？
涙を流しながらもう一度、ヴィランと親友の方を見る。

　その時、彼女はヴィランの腕を引っ掻いた。ヴィランの顔が歪む。だめ！　声にならない声を上げる。
ヴィランの腕に力が入る。私は忘れる事が出来ないだろう。苦しさと恐怖で歪んだ彼女の顔を。
私の方に彼女は視線を向けもう一度手を伸ばす。私には聞こえたのだ「華凛、たすけて」と。
首を締められ言葉など発せる筈のない彼女の声が。

　私は――どうしてこんなに「無力」なの？

　強く打ち付けられた身体は言うことを聞かず、意識すらもう途切れそうで、彼女の名前を弱々しく
呼ぶことしかできない。

　――――生木を力任せに折るような音がした。

　霞む目に映る、ダランと、垂れ下がる、細い腕、ぴくぴく、と動く、白い足。彼女は……色白だった。

　それが最後の光景。私の意識は闇へと、深い闇へと、落ちていく。

　目が覚めた時、私は病院のベッドに寝かされていて、両親が両側からこちらを覗いていた。
私の名前を呼び、私が反応すれば涙を流して良かったと私の手を握る。

　「良かった」？　生き残った事が？　そうだろうか？　私は「無力」なのに？

　退院し自宅療養になった頃から夢を見るようになった。

　あの日。「無力」であると思い知らされた日をなぞるように。最後はいつもぴくぴく動いている白い足で。

　別の夢も見る。

　真っ暗な空間で親友が私の前に現れる。照明など無いような場所なのに。彼女の色白さが際立つ。
　「どうして？」「たすけてっていったのに」「華凛はどうして生きてるの？」「私は死んじゃったのに」
彼女は私を責める。私は許しを請う。許さない。どうして、どうして、どうして！？
　細い両腕が私の首を掴み、力が込められる。
　「私の苦しみはこんなものじゃなかった」「華凛も思い知って」「苦しかったの」「とても」

　「とても！」

　息苦しさで飛び起きた。身体は纏わりつくような嫌な汗でびっしょり濡れている。
そんな日を繰り返して、私はやつれていった。眠るのが怖くて、食事も喉を通らないから当たり前だろう。
そして、起きている間は考え続けた。

　彼女はもう戻らない。許しを得る事は決して叶わない。この十字架はずっと私が背負っていくのだ。
私が「無力」だったから親友は死んだ。なら、私は「無力」でいてはいけない――もしまた同じようなことが
私の目の前で起きた時、私に向かって伸ばされた手を必ず、今度こそ掴み返さなければいけないのだ。

　だから、私は――「力」を手に入れる。

　そう決心した私は、携帯を手にしてアドレス帳を開き、指を滑らせてある名前をタップする。

　鷺乃宮キョウくん。「力」を持っている彼ならば、私の望みを――きっと分かってくれる。

　呼び出し音が耳に届く。――いつの間にかずっと聞こえていた『あの音』が聞こえなくなっていた。

「私が来たからにはこれまでよ！ ヴィラン共！」


　鬼怒川 纏とは良き友人関係を築きつつあるような、ないような。
彼女が早くヒーローになれるなら睦月さんか自分のサイドキックにするのもアリかとマジで考えてる。
　なお、前回の事件は解決したものの監察官の白銀さんにはこってり絞られたらしい。苦手です……。
睦月さんとは良く連絡を取り合うようになり、一緒に行動する機会が増えたようだ。勉強になります。
　人気は変わらずあるようで、面倒くさいとは思いつつも陽キャの波動でヒーローが良く思われるよう
頑張っている。