UGN設立2年前、今より18年前に力が暴走し、家が火事となった。その際両親は亡くなっている。
UGN日本支部の前身となる組織である護身会は存在したが、規模が小さかったことからカバーしきれず、保護はされなかった。
そのまま孤児院行きの予定だったが、自身が火事の原因であり化け物であることを悟った彼は逃げ出し死を望んだ。
そんな彼にレネゲイドについて教え、救ったのが｢彩渕宗二｣という人物であった。
それから、彼と当時1歳の｢玉野椿｣との共同生活を送り、UGN日本支部設立後、UGNチルドレンとして訓練をしてきた。
その後しばらくは椿と任務をしていたが、単独行動しても問題ない実力を持っていた彼は、途中から1人で任務をこなすようになった。
仕事内容は今と似たようなもので、当時ジャームの処理はかなり多かったらしい。

1人で任務するようになってから椿よりも彩渕に会うことが多くなったため、彼が後に｢マスターマインド｣と呼ばれるFHエージェント、つまり裏切り者(ダブルクロス)であったことを知っていたが、彼の願いであった｢UGNチルドレンが、椿が幸せになる世界｣というものに対し、彼も椿に幸せになって欲しい、自分のように手を汚さないで欲しいと願っていたため、共感した。そのため彼を止めることをせず、UGNにも黙っていた。

しかし、椿がとある少年と組み、様々な任務をこなし成長し、彩渕を否定し止めた時、思った。
彩渕の願いに共感しながらも何もしなかった、だからといって止めることもしなかった。どちらも選べなかった僕は一体なんなのだろうか、と。

この疑問はまだ残ったままで、椿と違って自分の時は止まったままだけれども。
せめて、彩渕とは全く違う方法ではあるが、彼の遺志を継ぐことにした。

｢チルドレンが幸せを感じれる様に、できる限り、僕が闇を背追い込もう。もちろん、貴方がやろうとした事みたいに、完璧にチルドレンを救える訳では無いけれど。椿ちゃんが教官になって幸せを伝えているように、少しでもチルドレンのみんなが日常に触れられるように。僕が手を汚すよ。大丈夫、とっくにもう汚れきっているから。｣

そんなこんなで彼の願いは全てのＵＧＮチルドレンが日常を知り、日常の幸せを知ることである。
そのうえでUGNを選択したならそれはよし、日常を望むのならば日常に戻れるように。
そんな風にUGNがなることを望んでいる。
そのため、汚れ仕事を率先して行っており、その中でオーヴァードを人間に戻す方法を模索していたり。